大阪の古墳群が世界遺産に、地元の思いは?

百舌鳥古墳群 (上空の南西から)写真/堺市提供
イコモスが5月14日に、大阪の「百舌鳥(もず)・古市(ふるいち)古墳群」の世界遺産への登録を勧告。登録はほぼ確定となったなか、各関係者ににその思いや、今後の展開を訊ねた。
百舌鳥・古市古墳群は、大阪府堺市、藤井寺市、羽曳野市の3市にまたがる古墳群。4世紀後半〜6世紀前半にかけて、国内最大の大きさを誇る仁徳天皇陵(百舌鳥古墳群)、第2位の応神天皇陵古墳(古市古墳群)を含む89基の古墳が現存し、そのうちの49基が、今回の世界遺産登録の構成資産となっている。
これまで何度も国内推薦に挑戦し、4度目にしてようやく推薦が決定。そこから今回の勧告へとつながった。10年以上におよぶ大変な道のりだったと、藤井寺市教育委員会教育部長の山田幸弘さんは振りかえる。「とにかく本当にうれしいです。メディアでは仁徳天皇陵古墳がある百舌鳥古墳群(堺市)が多く取り上げられていますが(笑)、百舌鳥と古市の両古墳群あっての世界遺産登録。古市古墳群は登れる古墳が多いので、墳丘に登って前方後円墳というかたちを体感してほしい」と、古市の魅力をもっと打ち出していきたいという。

「堺市博物館」(堺市堺区)の学芸員で、古墳の埴輪を専門に研究する橘泉さんは、「推進室の皆さんがずっと頑張ってこられたことを見てきたので喜ばしいです。宅地造成などで消えてしまった古墳も少なくないのですが、今回のことをきっかけに、古墳についての議論が増え、古墳のような文化財が守られる機運が高まれば」と、歴史や考古学に興味を持つきっかけ作りをさらに打ち立てていきたいと意気込む。
ほかにも、市民として古墳を盛り上げるために、5月5日に3回目の『堺古墳祭り』を催した実行委員会代表の松永友美さんは、「勧告までやきもきしましたが、ほんとうに良かったです。でも大切なのはこれから。観光ルートの作成やガイドの整備、お土産や休憩所などホスピタリティ面で地元の課題はたくさんあります」と、地元で暮らすからこその目線で訴えた。

7月上旬までに世界遺産登録決定とみられているが、「これから」を見つめる地元の人たちの熱い思いがしっかりと伝わってきた。
取材・文/郡麻江
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