シンガーソングライター・岡村靖幸が、関西では６月８日に「大阪国際会議場」（大阪市北区）、９日に「ロームシアター京都」（京都市左京区）でライブをおこなう。

１９８６年にシングル『Ｏｕｔ ｏｆ Ｂｌｕｅ』でデビュー。ブラックミュージック、ロック、ポップス、歌謡曲など多様な音楽のエッセンスを昇華したファンキーなサウンド、恋愛や青春への憧れと葛藤を独特の表現で私小説的に描き出した切なくもエモーショナルな歌世界で熱狂的な人気を集めた彼。

一時期は作品発表のペースを落として表舞台から姿を消していたが、２０１１年にセルフカバーアルバム『エチケット』をリリースして以降は、本格的に活動を再開。ＤＡＯＫＯやＫＩＣＫ ＴＨＥ ＣＡＮ ＣＲＥＷとのコラボシングルを含めて、コンスタントなリリースやツアーをおこなうほか、各種フェスにも精力的に出演。ミュージシャンだけでなく、異ジャンルのクリエイターとも交流を深めるなど、「伝説のカリスマ」から現在進行形で広く愛されるポップスターとして、不死鳥のごとく復活を遂げた。

そんな彼の魅力をフルに味わえるのは、やはりライブ。『だいすき』『カルアミルク』など、新アレンジで常にアップデートさせる往年の人気曲から、『ぶーしゃかＬＯＯＰ』『ステップアップＬＯＶＥ』など近年のキラーチューンまで織り交ぜ、シャウトし、ギターをかき鳴らし、マイクにまたがり、ダンスしまくる岡村ちゃんと、その一挙一動をかたずをのんで見守り、歌舞伎の大向うさながら「結婚してー！」とコールを投げかけるファンとの幸福な魂の交歓だ。

会場一丸となっての大合唱のえもいわれぬ一体感はいちど体験すればヤミツキ間違いなし。毎回完売必至だが、現時点で京都公演はすでにソールドアウト、大阪公演もチケット残少。料金は８５００円（未就学児入場不可）。

文／井口啓子