スカート「非常階段のようで自分らしい」
2018.12.13 19:30

スカート「非常階段のようで自分らしい」

巧みなソングライティングでコアなポップ・フリークを唸らせつつも、そこだけには留まらない幅広い支持を集め、昨年にはメジャーレーベルに進出した澤部渡によるソロプロジェクト・スカート。10月末に発表されたシングル『遠い春』は、さまざまなタイアップ曲が収録され、従来からのスカートらしさを保ちつつも新たな展開をみせた全4曲に。新たなリスナー層へと届く契機となるだろう新作とすでにスタートしている今回のツアー、そして1年ぶりに届けられた新曲が示す次のアルバムの方向性などについて、澤部に語ってもらった。

取材・文/吉本秀純

「今のスカートのムードみたいなものが濃く出た4曲になった」(澤部渡)

──今回はメジャーに進出して初のシングルということで、どちらかと言うとアルバム・アーティスト的なイメージが強かったスカートとしては新たな展開ですよね。

そうですね。2017年にアルバム『20/20』を出したあとに、「来年はシングルを出そう」みたいな話は元々していたんです。でも、人から頼まれる仕事が多くなっていくにつれて自分の時間が割けなくなってなかなか書けなかったんですけど、そんななかで『遠い春』という曲ができたので、これがシングルの表題曲でもいいんじゃないかということになりました。

──『遠い春』は夏に公開された映画『高崎グラフィティ。』の主題歌として書き下ろされた曲なので、そのストーリーを踏まえて生まれてきた曲ではあると思うのですが。

もちろん映画を観た上で書いた曲なんですが、こういう曲を書いてくれとか、このフレーズは絶対に入れてくれということもなかったですし、かなり自由に作らせてもらいました。

──では、普段に曲を書くときとあまり変わらない感じだったというか。

いや、お題がひとつあるような状態なので、そこは全然違いましたね。自分で曲を書くとなると、やっぱりゼロの部分からそれを1にして10にしてみたいな作業になるんですけど、(この曲に関しては)ある程度の土台をもう組んでくださっているので、たとえどんなに好きなように曲を書いてくださいと言われても、その作品に寄り添えばいいというのは、自分にとっては極端な言い方をすればラクでしたね。

──曲が向かっていく方向は、最初からハッキリしていたというか。

そうですね。描かなきゃいけない世界とか、どういう機能の曲にするかという土台はある程度あるので、それに向かってドンドン投げていくという感じだったので。そういう意味では、何も見えないなかをひたすら投げるのとはちょっと違いました。そういう創作の刺激を受けて自分の作曲がはかどるみたいなことも今回はあったので、いい流れなんじゃないかと思っています。

──同じ依頼されて書かれた曲でも、同名のTVドラマ(主演:高畑充希)のオープニングテーマとして書かれた4曲目の『忘却のサチコ』は、曲のなかに主人公の名前も唄い込みながら、昔のアニメの主題歌にも通じるようなノベルティソング的なタッチなのが面白いですね。

こちらは監督からもそういうリクエストがあったので、完全にマンガ~アニメの主題歌のようなノリで作りましたし、ここまで作品に寄り添った内容のドラマ主題歌って今はあまりないと思うんですよね。柳ジョージさんの『祭ばやしが聞こえるのテーマ』みたいな(笑)。そういうものを想定して作りました。でも、ノベルティソング的な曲調のなかにスカートらしさがしっかり出た気がしています。自分としてはそこに手応えがあったし、うれしかったですね。

──そこで現れたスカートらしさって、具体的にはどのあたりですか?

スカートらしさというと大げさなんですけど、たとえば少しヒネたコード進行とか曲展開とかだと思うんですけど、今回は前者の部分がしっかり出せた気がしています。もっと個性がなくなるんじゃないかと最初は思ってたんですけど、今回の4曲では一番そういう個性が出た曲になったなと。ホーンとかが入ってそっちに耳が行きがちなんですけど、曲自体は意外と一番スカート節だなと思います。

──そんな2曲にスウィンギーなサウンドと翳り(かげり)のある歌詞の同居がスカートらしい新曲『いるのにいない』、人気曲のひとつ『返信』の再録バージョンが加わって、1曲1曲のカラーが立っていてスカートの魅力がコンパクトかつバランスよく凝縮された4曲になっていると思います。

作っているときにはわりと現状報告みたいなつもりだったんですけど、4曲でひとつのような収まりの良さがあるし、まとまったときに初めてそれぞれの曲に違う面があるなと気付いたりもしましたね。今のスカートのムードみたいなものが濃く出た4曲になったと思います。

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スカート

Major 1st Single『遠い春』リリースツアー『far spring tour 2018』
日時:2018年12月14日(金)19:00〜
会場:梅田シャングリラ
料金:前売3800円(ドリンク代別途要)
電話:06-6535-5569(SMASH WEST)

Major 1st Single『遠い春』
2018年10月31日発売
[通常盤]
CD Only
品番/価格:PCCA.04697/1200円+税
[初回限定盤]
CD+DVD
品番/価格:PCCA.04696/2000円+税
URL:http://skirtskirtskirt.com

  
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