スカート「非常階段のようで自分らしい」

2018.12.13 19:30
(写真1枚)

「我々みたいな人種がもっと生きやすい世の中になるといいなと思う」(澤部渡)

──スカートとしては、メジャー進出は昨年ですが2010年に発表した初のアルバム『エス・オー・エス』から考えるともう8年のキャリアを重ねてきて、その間に変わってきたと実感する部分などはありますか?

やっぱり環境が変わったのは大きいと思います。録音環境だったりとかね。ただ、そのほかの部分でそんなに大きく変わったという感じは今のところしていないんですけど、たとえばいつまでに作ってほしいとか、(制作において)スピード感を求められる機会が多くなったというのは変わった部分かもしれない。今までなら誰に求められるわけでもなく、僕が出すというところに至らなければ出なかったですから。

──音楽性は基本的に変わらないですが、着々とステップアップしている感があります。

そうですねぇ。でも、ホントに着々過ぎて(笑)。普通ならもうちょっと1〜2年でバーン!といくはずなんですけど、ホントにちょっとずつちょっとずつの右肩上がりで。すごくありがたいことなんですけど、あくまでシンデレラが城に駆け上がるような階段ではなくて、やっぱり少し陽の当らないところにある非常階段のような(笑)。それをちょっとずつのぼっているような感じは自分らしいですし、いろんな縁にも恵まれて、幸福だと常々思っています。

澤部渡によるソロプロジェクト・スカート
澤部渡によるソロプロジェクト・スカート

──今回の『遠い春』も、シングルらしい曲単位での強さはありますが、どちらかと言えば長く聴けるような良心的なタッチの4曲ですし、それがスカートらしくもあり。

やっぱり今の世のなかで流行っている派手な音楽とは反対側にある音楽とは思うので。でも、その反対側にある音楽がそこそこの支持を受けているというのは充分にすごいことなんですけど、もっと増えてもいいし、我々みたいな人種がもっと生きやすい世のなかになるといいなと思っています。

──そして、今回のシングルが『20/20』以降の次のアルバムへの橋渡し的な方向性を示しているのだと思うのですが。

そうですね。『20/20』の頃とはモードが少し変わったよというところを少しずつ伝えながら、それが次のアルバムで実を結ぶといいなと思っています。

──『20/20』はかなり抜けの良い仕上がりでしたけど、次はさらに・・・。

でも、『20/20』よりも抜けの良いアルバムを作るのはたぶん無理だと思うんですよね、正直。だから、今回の『遠い春』でちょっと内省的な方向に戻った気もしますし。でも、内省に戻ってもどこか開きながら内にこもるみたいな感じもあったので、そこがもっと磨きをかけてうまくやれればいいなと思っています。具体的にどうなるのかは今はまだわからないですけど。

──そんな次への方向性も示しながら、シングル『遠い春』の発売に伴うツアーが、関西では12月14日に大阪「梅田シャングリラ」(大阪市北区)でおこなわれます。

今回はシングル・リリースでのツアーということで、ライブの選曲にも結構自由が効くので、昔の曲からまだ誰にも聞かせていないまっさらな曲まで、いろいろやろうと思っています。だから今までのスカートも観てもらいつつ、これからどうなっていくのかの片鱗も皆さんに観てもらいたいです。今のバンドもいい状態で、ここ半年くらいで印象的なライブが何本もあったので、自分自身にとってもホントに楽しみなツアーになっていますね。

スカート

Major 1st Single『遠い春』リリースツアー『far spring tour 2018』
日時:2018年12月14日(金)19:00〜
会場:梅田シャングリラ
料金:前売3800円(ドリンク代別途要)
電話:06-6535-5569(SMASH WEST)

スカート

Major 1st Single『遠い春』
2018年10月31日発売
[通常盤]
CD Only
品番/価格:PCCA.04697/1200円+税
[初回限定盤]
CD+DVD
品番/価格:PCCA.04696/2000円+税

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