9月から東京を皮切りに、大阪など全国で公演されるミュージカル『ジャージー・ボーイズ』。出演者の伊礼彼方が大阪市内で会見をおこなった。
今回初参加となる伊礼は、「初演を見たら生命力にあふれた舞台で、映画より良くてぜひ出たかった」とオーディションでトミー役を獲得。同役はマフィアと絡み、借金があり無頼派だが、どこか憎めない愛すべき人物だ。「僕はチンピラが多い地域で育ったので、僕に内在しているチンピラ気質がうずき(笑)、トミーに憧れた」という。
同作品は、1960年代を中心にポップス界を席巻した人気ボーカルグループ「ザ・フォー・シーズンズ」の成功と挫折を、真実を元に描いたミュージカル。今作では、4人のメンバーが春夏秋冬に分かれて物語をそれぞれの視点から語るのも魅力だ。「トミーは春の担当で、一番最初に舞台を立ち上げ、お客さんを巻き込み、次の役者にバトンを渡す役。今まで途中から舞台に登場する役が多かったので、何としても冒頭で舞台を引っ張るトミーをやりたかった」。
オーディションではトミーとニックの両方で受けたが、「僕の音域は低音のニックも出ますが、中音域のトミーではないでしょうかと強くアピールし、ニックを歌うときよりは、声を張ったりしてトミーの音程を良くしましたね(笑)。えっ、姑息?仕事を取るときは記者のみなさんもその手を使いますよね(笑)?」と、茶目っ気たっぷりに会場中の記者に問いかけ、笑わせた。
ほかを圧倒する歌唱力と恵まれた体格の伊礼。2019年に上演の『レ・ミゼラブル』では、ジャベール役をオーディションで獲得した。「自分で言うのもなんですが、甘いマスクで品があるので(笑)、王子様や貴族の役が多い」とおどけながらも「本当は早く年を取ってオッサン役をやりたい。いつかはちょい悪オヤジを演じたいんです」と願望を明かした。
本作のトミー役は、チンピラでちょい悪の気質も満載だ。今までとは違う、伊礼に注目したい。大阪公演は「新歌舞伎座」(大阪市天王寺区)で10月24日から28日まで。チケットはS席12000円ほか、現在発売中。
取材・文・写真/米満ゆうこ
日程:2018年10月24日(水)〜28日(日)
会場:新歌舞伎座(大阪市天王寺区上本町6-5-13)
料金:S席12000円、A席6000円、特別席14000円
電話:06-7730-2222
URL:https://www.shinkabukiza.co.jp/perf_info/s20181024.html