ココリコ田中「僕は何も考えてない」

2018.3.22 07:00
(写真4枚)

『LIFE!〜人生に捧げるコント〜』(NHK)や『ココリコミラクルタイプ』(フジテレビ)などのコントで強烈な個性あるキャラクターを演じるお笑いコンビ・ココリコの田中直樹。映画『みんなのいえ』(2001年)で「日本アカデミー賞新人俳優賞」を受賞するなど、俳優としても活躍する彼が、映画『増山超能力師事務所〜激情版は恋の味〜』(3月31日公開)で主演をつとめる。ドラマ版からはじまった本作の魅力や俳優業への思いを訊いた。

「自分で映画を作るとは考えてないですね」(田中直樹)

──ドラマは2017年の1月〜3月に放送されましたが、周囲の反響はいかがでしたか?

いろいろ声をかけていただくことも多かったです。超能力を使いながらも人間臭さが垣間見られるのが作品の大きな魅力だと思うんですけど、作品タイトルだけ聞くとSFの非現実的な世界をイメージされてる方も多くて、タイトルと実際の内容のギャップに良い意味で驚かれているなと感じましたね。

左から柄本時生、浅香航大、田中直樹  ©『増山超能力師事務所 ~激情版は恋の味~ 』製作委員会
左から柄本時生、浅香航大、田中直樹  ©『増山超能力師事務所 ~激情版は恋の味~ 』製作委員会

──そのSF的な設定(超能力が一般的に認められている世界)に違和感を感じることはありませんでしたか?

僕は、感じなかったんですよ。なぜかというと、超能力を持つことで幸せになれるわけじゃない、超能力を持つが故に苦しみ生きにくい毎日を送ってる・・・、そういったところにすごくリアリティーを感じたというか。もしかして本当に今そういう世の中なのかも知れないと。現に超能力を持ってるって言う方もいらっしゃるじゃないですか。相手の心を読めたり、サイコメトリーできるような方もいてるかもしれないので。そういう意味で今と変わらないと思ったから、スッと入っていけたのかも。

──コントでは個性的なキャラクターを演じられていますが、俳優としてドラマや映画で演じるのは気持ちの上で違いってありますか?

そもそもコントしか経験がなかったので、演じるという意味じゃ大きく違いは感じていないです。もちろん細かい違いはありますよ。コントは笑いに向かっていくし、ある意味自分で演出していく部分って多くて、コンビネタなんて動きから、セリフ、衣裳、音楽、ライティング・・・全部自分で決めます。でもお芝居は監督がいて、演出してくださる。

コントは短くて、テレビでも長くて3〜5分ものが多いので、そこでギュッと人物像を説明しないといけない。だからビジュアルをもっとわかりやすくとか、しゃべり方をもっと特徴のあるものにとか、短い時間でその人を表現します。

でも一方のドラマや映画では1人の人物を長く演じられるので、時間をかけて表現していける。どんどんその人が深くなっていく感じが楽しいです。今回の増山さんにしても、話とともにいろんなストーリーが出てきて、昔こんなことがあってこういう人生なんだなって、深まっていくのがおもしろいですね。

「3〜5分のコントでその人を説明するために、ビジュアルをわかりやすく、しゃべり方を特徴あるものに」と話す田中
「3〜5分のコントでその人を説明するために、ビジュアルをわかりやすく、しゃべり方を特徴あるものに」と話す田中

──コントだったら全てプロデュースするとのことですが、現場で演出の仕方を話したり、自分で映画を作ることは考えたことないですか?

全然ないです(笑)

──役者に徹してやってる感じ?

そうですね。そういうのは考えてないですね。現場でどう思いますかって訊かれたら、自分の意見を言うことはありますけど、自分から「こうしません?」ってあんまり言わないですね。やっぱり監督さんや、制作の方がイメージしてることが形になるじゃないですか。そこにあとは自分が入っていけばいいのかなって。監督さんが撮りたいものに、応えられるようになりたいなと思います。

──今回の現場でも同じようなスタンスでしたか?

どの現場でも「今ので良かったのかな?」と思うことは多々あって、ずっとチームでご一緒している監督さんが「OK!」って言ってくださるのを信じてやってます。コントだと明確に「笑い」って言う、ある意味答えが出てくれるんですけど、映像だと違うじゃないですか、細かく割って撮影することもあるし。そういったときに監督さんのOKを目指していく。そこが違いですかね。

映画『増山超能力師事務所〜激情版は恋の味〜』

2018年3月31日(土)公開
監督:久万真路
出演:田中直樹、浅香航大、中村ゆり、柄本時生、平田敦子、ルウト、ほか
配給:KATSU-do
大阪ステーションシティシネマほかで上映

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