少年王者舘の謎解き、快感味わう舞台
2017.8.25 7:00

レトロ調の世界のなかでハイスピードに舞台を展開する劇団「少年王者舘」。その新作『シアンガーデン』が8月26日~28日、「アイホール」(兵庫県伊丹市)で上演される。今回は、脚本を劇団員の虎馬鯨(こばくじら)が担当し、いつもの王者舘とは一味違う快感が生まれている。

一瞬で人が消えたり現れたりするなど、もはやマジックの仕掛けに近い天野の演出も、この世界を視覚的に盛り上げる 写真/羽鳥直志
一瞬で人が消えたり現れたりするなど、もはやマジックの仕掛けに近い天野の演出も、この世界を視覚的に盛り上げる 写真/羽鳥直志画像一覧

謎の真相を考えさせる暇もなく、あれよあれよと場面を変えて物語の大渦に巻き込んでいくのが特徴的な彼ら。今回の虎馬の脚本では、会話を丁寧に描くことで、舞台上の謎について考える余裕を持たせたうえ、恋愛や昨今の社会情勢のメタファーなど、とっつきやすい要素も多く、「あ、そういうことか!」という謎解きの快感が何度も味わえる。

今回演出に専念した劇団主宰の天野天街は、「ゆるやかだけど速いことをやる、という自己矛盾したことを試したかった。変なことや不思議なことを、もう少しサラッと見せたいと以前から思っていたけど、それが他人の本だからこそできたと思う」と、名古屋公演後(8/10〜13)に手応えを語った。

謎解きについていけなくても、この不思議なビジュアルの数々に身を委ねるだけで楽しめることだろう 写真/羽鳥直志
謎解きについていけなくても、この不思議なビジュアルの数々に身を委ねるだけで楽しめることだろう 写真/羽鳥直志画像一覧

本作は、各部屋に老人と子どもたち、姉妹、青年が住む古びたアパートが舞台。それぞれの住民たちが互いの部屋を行き来し、いびつな会話と意味不明な行動を展開するなかで、次々に謎が落とされていく。住民同士の秘めた関係性、実は複雑に組み替えられた時間軸、一見無意味なアイテムの存在意義・・・。謎を紐解いていくうちに、いつの間にか笑いと怖さと懐かしさが混在する独特の世界に飲み込まれるはずだ。チケットは一般3300円、学生2300円で、現在発売中。

文/吉永美和子

『シアンガーデン』

日程:2017年8月26日(土)〜28日(月)
会場:アイホール(伊丹市伊丹2-4-1)
料金:一般3300円、学生2300円(当日は各+500円)
電話:070-1624-5884
URL:http://www.aihall.com/ojakan29/

  
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