雑誌、広告などの撮影を中心に活躍するフォトグラファー、中村泰の写真展が、撮影スタジオ（大阪市北区）をギャラリーに改装し、８月25日からおこなわれる。

美容やファッションの分野で精力的に活動してきた同氏。自然光をたくみに使いながら、透明感あふれるモデルの表情を捉えた作品は、凛として強く、芯のある女性らしさを湛えた、彼ならではのポートレイトに仕上がっている。

モデルは、いつも素顔。もちろん了解を得てだが、メイクアップをする前のまだ、目覚めきっていない時間に撮影をする場合もある。それでも、ありのままの形が美しいと感じる彼の視点で撮られる姿は、その女性の「生」そのものの瞬間であり、観る人に強く感じさせる何かがある。展覧会のテーマ「muoto（ムオト）」は、フィンランド語で、姿や形、外見、顔、形状などという意味。「ここにある姿や形というのは、周りの人が期待する姿ではなく、ありのままの自分であること」と中村氏は語る。誰もが日常的に意外と忘れがちになる「ありのままの自分」。その感覚を呼び覚ましてくれる作品が並ぶ。期間は９月18日まで、会場は中村泰写真事務所（大阪市北区天満3-5-21）