大阪豪商の立雛ほか、600体の大雛壇展

2017.2.27 14:00

家庭のいろいろな理由で使われなくなったお雛様を寄付してもらって作られた大雛壇

(写真3枚)

「大阪くらしの今昔館」(大阪市北区)と摂南大学が共同でおこなっている企画展『浪花の大ひな祭り ー浪花の豪商の雛道具ー』が、4月2日まで同館で開催。壁一面に飾られた約600体の大雛壇やいろいろな種類のひな人形が、訪れる多くの人々の関心を集めている。

本企画展の見どころは、NHK連続テレビ小説『あさが来た』でも注目された大阪の豪商「加島屋」から伝来した節句飾り一式。同館に寄贈された一式が今回、初めてのお披露目となる。立雛と呼ばれる大きなお雛様とお内裏様は、一般的なイメージの雛飾りとは少し違う姿かたちをしている。

「加島屋」に伝来した次郎左衛門雛の立雛
「加島屋」に伝来した次郎左衛門雛の立雛

また、人形だけでなく、台所や食器など暮らしの道具類をミニチュアで再現しているものも。これは「ままごと道具」のように女の子が料理の作り方や家事を覚えるために教育の一環として作られたという。同館の学芸員・服部さんは、「親から子へ代々受け継がれ、最初はお内裏様だけでも、女の子が生まれるたびに三人官女や五人囃子を増やしたりする。いつの時代も、それぞれの家庭の歴史や思いを受け継いでいるんです」と語る。会場には、このお雛様以外にもひとつひとつ表情やしぐさの違う雛人形が展示され、時代や地域によって飾られ方も様々。日本の伝統的な雛人形の奥深さにぜひ触れてみて。

取材・文・写真/岡田由佳子

「大阪くらしの今昔館」学芸員の服部麻衣さん(右)と摂南大学外国語学部学部長・岩間香教授。学生たちと飾った大雛壇の前で
「大阪くらしの今昔館」学芸員の服部麻衣さん(右)と摂南大学外国語学部学部長・岩間香教授。学生たちと飾った大雛壇の前で

『浪花の大ひな祭り ー浪花の豪商の雛道具ー』

期間:2017年2月25日(土)〜4月2日(日) ※火曜&3/22休
時間:10:00〜17:00(入館は16:30まで)
会場:大阪くらしの今昔館(大阪市北区天神橋6-4-20 住まい情報センタービル8F)
料金:企画展のみ300円、常設展と企画展一般800円、高校生・大学生500円、中学生以下大阪市内在住の65歳以上は無料
電話:06-6242-1170

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