消滅危機の奈良伝統野菜、丼で復活

この日披露された「結崎ネブカ丼」。生産は川西町だけという伝説のネギ結崎ネブカと、白味噌・酢・油揚げ・砂糖など室町時代にあったであろう食材のみを使用
約600年前の室町時代から伝わる奈良県産のネギ「結崎(ゆうざき)ネブカ」。一時期消滅の危機にまで至ったこの伝統野菜の復活と飛躍をかけ、官民協働で開発した「結崎ネブカ丼」が11月6日、「川西文化会館」(奈良県磯城郡川西町)で報道陣と町民に初披露された。
結崎ネブカは、「室町時代のある日、1個の翁面と1束のネギが天から降ってきた。村人は能面をその場に懇ろに葬り、ネギをその地に植えたところ、結崎ネブカとして有名になった」という伝承を由来に持つ。戦前までは非常によく食べられていたものの、特徴でもある柔らかさゆえに流通に適さず、絶滅するかに思われた。しかし、14年前に「結崎ネブカ復活プロジェクト」を立ち上げたことで徐々に栽培農家が増加、現在では奈良県内を中心に出荷できるまで栽培が広がった。さらなる飛躍を目指した今回の丼の開発に竹村匡正町長は、「川西町は観世能の発祥の地。おそらく観阿弥・世阿弥も食したであろうぬたと、同じく室町時代から食べられてきた結崎ネブカを600年の時を越えてこの丼で食べてもらえれば」と話す。

今回披露された結崎ネブカ丼は、室町時代にあったと思われる食材のみを使用。結崎ネブカ特有のシャキシャキ感と胡麻と合うネブカの甘味が際立つ味わいだ。レシピを考案したフードコーディネーターの松田弘子さんは、「今回の丼は基礎ベースとして考案したもの。例えば大和肉鶏を混ぜるなど色々なアレンジをして、今後、川西町で育てていってもらえれば」と話す。今後は、川西町の各飲食店で結崎ネブカ利用のオリジナル丼を味わえることを目指しており、「アレンジされた結崎ネブカ丼が全国展開され、聖地として知名度をあげられたら」と関係者らの期待は高まる。

取材・文・写真/いずみゆか
関連記事
あなたにオススメ
人気記事ランキング
写真ランキング
コラボPR
-
パワースポットやトンネル先の渓谷美を巡る兵庫の旅[PR]
2021.1.8 12:00 -
知らなかった魅力を再発見、こんなにある兵庫の絶景[PR]
2021.1.7 10:00 -
【連載企画】初春文楽公演、みどころはココだ![PR]
2021.1.5 13:00 -
淡路島へおでかけ・・・遊びとグルメ
2021.1.1 08:15 -
「Meets Regional」 INFO [PR]
2020.12.28 13:00 -
【連載】神戸市北区で休日さんぽ〜淡河/有馬編[PR]
2020.12.28 10:00 -
京都・奈良・三重、オススメの絶景めぐり【前編】[PR]
2020.12.28 07:00 -
京都・奈良・三重、オススメの絶景めぐり【後編】[PR]
2020.12.28 07:00 -
曲線の建築美や秘めた古代遺跡 知らなかった兵庫[PR]
2020.12.25 12:00 -
エメラルドスタシア、関西で素敵な暮らしを[PR]
2020.12.25 10:00 -
「ミント神戸」でお買いもの&グルメ[PR]
2020.12.25 10:00 -
SAVVY INFORMATION [PR]
2020.12.23 12:00 -
ららぽーとやアウトレット、関西7施設の魅力を発信[PR]
2020.12.23 10:00 -
スゴすぎる! 大阪ならではインスタ映えレゴアート[PR]
2020.12.2 19:00 -
便利グッズや調味料でBBQをもっと楽しく[PR]
2020.11.13 12:00 -
知ってた?イオンモールのこんなとこ[PR]
2020.11.13 12:00 -
大阪府少人数利用飲食店応援キャンペーンまとめ[PR]
2020.11.2 12:00 -
おうちで楽しむ姫路名物、厳選テイクアウトグルメ [PR]
2020.10.29 12:00 -
ワイン、スイーツ、お惣菜…幸せの持ち帰りグルメ[PR]
2020.10.28 12:00 -
ご当地ものの調味料も…市場近くでお買い物[PR]
2020.10.27 12:00 -
猫好きさんにはたまらない!癒やしの1日[PR]
2020.10.23 12:00