2016上半期、ホントに面白かった邦画は?

テラフォーマーを演じたのは、実は… © 貴家悠・橘賢一/集英社 © 2016 映画「テラフォーマーズ」製作委員会
「2016年の上半期は、この3本で決まり」
──では、そろそろ「2016年・上半期、ホントにおもしろかった映画」を決めましょうか。
田辺「僕は『リップヴァンウィンクルの花嫁』と『ディストラクション・ベイビーズ』、『ヒメアノ〜ル』。この3本は同率1位ですね」
春岡「俺は『ディストラクション・ベイビーズ』が一番好きだけどさ。印象に残るって訊かれたら、やっぱりその3本だよ」
斉藤「いや、そうなるよね。3人がまったく一緒というのも困るけどさ(笑)」
田辺「でも、『ちはやふる』も入れたい!」
春岡「だったら『64(ロクヨン)』も入れとかないとダメでしょ」
──『リップヴァンウィンクルの花嫁』は今、初めて話題に出ましたが(※岩井俊二監督インタビュー)。
春岡「いやぁ、岩井くんの映画はよくできてると思うし、実際に面白いけど、俺はちょっともういいやって。斉藤くんらが好きなのはよく分かるけど、俺にはちょっとロマンチシズムが過ぎるというか。ただ、上半期のベストを訊かれたら、そりゃ『リップヴァンウィンクルの花嫁』『ディストラクション・ベイビーズ』『ヒメアノ〜ル』の3本で決定だと思うよ」
斉藤「実は僕、『リップヴァンウィンクルの花嫁』は黒い映画として好きなんですよ。底知れない暗黒の上にできている、砂上の楼閣のような映画なんで」
春岡「だってあれ、観てて不愉快だぜ?」
斉藤「不愉快とまでは言わないけど、そういうとこが好きなの(笑)」
──『ディストラクション・ベイビーズ』はそのまんま狂気が剥き出しですけど、『リップヴァンウィンクルの花嫁』は一見、オシャレに見えるんですかね?
春岡「オシャレか?怖いよ、あれ」
斉藤「今の時代、あれはオシャレに見えないんじゃない?」
田辺「『ディストラクション・ベイビーズ』の喧嘩もリアルやけど、リアルさだけなら『リップヴァンウィンクルの花嫁』も相当・・・」
春岡「だから俺は、あれをリアルだと思ったら、怖いんだよ」
斉藤「そう、怖いんです。あれは3・11後の世界を冒険する物語だから。実は誰ひとり、いい人・・・いや、まともな人が出てこない映画で。Coccoが演じる真白という女に、『よくやったね。3P、よくやったね!』って励ます周囲の人々とかさ(笑)」
春岡「本人はなにも悪くないし、周りから見ても悪い奴じゃないんだよ。その怖さがある。だって、綾野剛が演じた何でも屋の安室もそうじゃん。でも、俺たちの解釈としては、お前は最後まで胡散臭い奴でいてくれよって。終盤、りりィのところに行ったときもそうで」
斉藤「もう、どうしたらいいのかって気分になるよな。すごいよ、あの終盤の畳みかけは。りりィが脱ぎだしてからの転がり方なんて狂ってる」

──黒木華演じる主人公・七海は、なるべく「普通」でいることを望みながら、結婚相手は出会い系で知り合った男ですし、披露宴に呼ぶ友だちがいないからと紹介サービスに発注する。今の時代、「普通」では生きられないことがリアルなんでしょうか。
春岡「そうなんだと思うよ」
斉藤「岩井さんは『今のリアルってなんだ』と、僕らよりもよく考えてる」
田辺「この映画で岩井さんを取材したとき、あの感覚というのは幼稚園から小学校に上がる前に植えつけられたって言ってましたね」
斉藤「僕は同世代だから分からんではない。基本、世界への諦めがあるという(笑)」
春岡「あれはちょっと考えさせられる映画だよ、いい意味でね。俺は『ディストラクション・ベイビーズ』の方が映画として好きってだけで。観てて楽しいから」
田辺「たしかに、『リップヴァンウィンクルの花嫁』をランキングの1位にしてる人って、ちょっといけ好かないかも(笑)」
春岡「分かるけど、絶対に友だちになれないという(笑)」
──『リップヴァンウィンクルの花嫁』を1位にする人は、2、3位に『ディストラクション・ベイビーズ』や『ヒメアノール』は入れない気がします。
春岡「今年はその3本だよ。『64(ロクヨン)』も『ちはやふる』も面白かったけど、ベスト3を聞かれたら、その3本になっちゃうよ。あと、あれも面白かった。白石和彌監督の『日本で一番悪い奴ら』。若松(孝二)イズムだからさ。本人もそれを意識してるし」(※白石和彌監督インタビュー)
斉藤「『凶悪』もそうやったけど、白石さんはめっちゃおもろいよな」
──あと、ようやく公開になった宮藤官九郎監督の『TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ』はどうですか(※宮藤官九郎監督インタビュー)

田辺「あ、そういえば6月末に公開になったんですよね」
斉藤「めちゃくちゃいい! 僕は今日最初に、それを言わなあかんと思ってたぐらい。でもさ、あの映画でホントにやりたいことを思う存分やっちゃったわけやけどさ、その後にドラマ『ゆとりですがなにか』を作っちゃうあたり、宮藤官九郎ってものすごく信頼できるなって思った」
春岡「幅も広がったし、全部面白いんだよね」
田辺「そう。社会派とか言われて、どうなの・・・いや、たしかにクドカンから見た社会派ドラマだなと」
斉藤「それでいて、おそろしく泣けるという。あと、中村義洋監督の『殿、利息でござる!』も良かったよ。松竹は『残穢【ざんえ】 -住んではいけない部屋-』の次にこれ撮らせるか、みたいな(笑)」(※中村義洋監督インタビュー)
田辺「松竹としては、山田洋次監督の後継ができたという感じですかね?」
斉藤「いやいや(笑)、本人は絶対思ってないよ。あの映画さ、(阿部)サダヲさんに聞いたんだけど、実は大団円の大感動シーンを撮ったんだって。すごいセットを作って、エキストラも大勢用意して。でも、本編ではバッサリとカット」
春岡「監督が?(配給)会社が?」
斉藤「監督が」
春岡「そりゃすごい」
斉藤「サダヲさんが『ないんですよ!』って(笑)。でも、千葉くんが上司に陳情しに行く旅のシーンなんて、延々と撮ってしっかり残してるでしょ?って。サダヲさんも『そうなんですよ〜』って(笑)。だからスゴイなあって思ったって。それはサダヲさん的には全然OKなわけで。泣ければOKって映画ばっかり増えるなか、もっと涙を搾り取れるところをバサバサ切ってる」
春岡「だって、俺らも面白いと思ったし、しかも、お客さんも入ってるわけだから。日本映画では少ないよ、そういうの」
田辺「中村監督は来年、嵐の大野智主演の『忍びの国』も控えてますから注目ですよね。とはいっても、やっぱり今年の上半期はさっきの3本ですよ」
斉藤「そうそう。その3本で決まりだよ」

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