安蘭けい、抜群の歌唱力で第一線を走る

2015.10.19 16:30

安蘭けい

(写真2枚)

元宝塚歌劇団星組男役トップスターで、2009年に退団後も多くの舞台に主演する安蘭けい。ABBAが楽曲を書き下ろしたミュージカル『CHESS』では、抜群の歌唱力を生かし三角関係の渦中にいるヒロインを演じている。11月には京都[春秋座]でのコンサートにも出演。第一線で走り続ける彼女に、『CHESS』大阪公演直前の意気込みや歌への想いを聞いた。

米ソ冷戦時代を舞台にチェスプレイヤーたちの生き様が描かれる『CHESS』。コンサート版にも2度出演した安蘭は、ミュージカルの東京公演を経て「やはりこの作品はすごいと改めて感じました」と話す。「まずABBAの音楽が素晴らしい。特に複数のキャラクターで歌う楽曲は複雑な音の重なりで成り立ち、ピタッと合ったときの達成感が気持ちいい。私がソロで歌う『Heaven Help My Heart』はきれいなバラードで、春秋座でのコンサートでも歌う予定です。”あの人”という歌詞があるのですが、聞く人によって色んな風にも受け取られる。そういう荻田浩一さんならではの演出や歌詞で、想像に委ねた”余白”がある不思議な魅力のミュージカルです」

安蘭が演じるヒロイン・フローレンスは、ハンガリー動乱で親を亡くし、どう生きていくか問われる。「状況は違うけれど芸能の世界でどうやって生きていけばいいのか、と考える自分に通じるところがあります。自ら人生を切り開いていく強さにとても共感します」

『安蘭けい&京フィル スペシャルコンサートin春秋座』
『安蘭けい&京フィル スペシャルコンサートin春秋座』

11月8日には、京都フィルハーモニー室内合奏団と共演する『安蘭けい&京フィル スペシャルコンサートin春秋座』に出演。滋賀県出身の安蘭にとって京都は「庭みたいなもの(笑)」。自分のルーツを忘れないため大切に歌い続けているという宝塚時代に主演した『スカーレット・ピンパーネル』の名曲「ひとかけらの勇気」や、退団後に主演した『エディット・ピアフ』より「愛の讃歌」などを披露する。また映画『STAND BY ME ドラえもん』の主題歌「ひまわりの約束」も安蘭のセレクト。「こういうポップスをオーケストラで歌う機会はほとんどないので、音楽の醍醐味を味わっていただけたらと思っています」

やはり歌とは切っても切れないという安蘭。「自分に課す期待やこうしたいというハードルが高すぎて、好きなはずの歌が自分を苦しめるときも(笑)。でも一生歌い続けていきたい」。聴く人の琴線に触れる情感豊かな安蘭の歌声が、京フィルとのコラボレーションでどう魅力を増すのか。「贅沢な音に包まれて心地よく歌えそう。私も楽しみにしています」。

取材・文/小野寺亜紀

『CHESS THE MUSICAL』
出演:安蘭けい、石井一孝、田代万里生、中川晃教、ほか
日程:2015年10月19日(月)~25日(日)
会場:梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ
料金:12,000円(全席指定)
電話:06-6377-3800(梅田芸術劇場)

『安蘭けい&京フィル スペシャルコンサートin春秋座』
出演:安蘭けい
指揮:中井章徳
管弦楽:京都フィルハーモニー室内合奏団
日程:2015年11月8日(日)・13:00~/17:00~
会場:京都芸術劇場 春秋座(京都造形芸術大学内)
料金:一般6,000円、シニア5,500円、学生&ユース席3,000円(座席範囲指定)
電話:075-791-8240(京都芸術劇場チケットセンター)

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