NYに染まる柚希礼音の新たな日々
2015.7.15 11:19

元宝塚歌劇団星組トップスター・柚希礼音。スケールの大きな男役として絶大な人気を誇り5月に退団した彼女が、”第2章”のスタートとして選んだ舞台が『プリンス・オブ・ブロードウェイ』(詳しくはこちら)。ビッグな舞台を前に、改めて彼女に話を聞くことができた。

柚希礼音
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稀代のダンサーである柚希の原点は、小学生の時から本格的に始めたクラシックバレエ。「実は高校生の時に、アメリカン・バレエ・シアターの願書を取り寄せていました。家族に止められその後に宝塚と出合い、おかげで素晴らしい宝塚人生を過ごすことができたのですが、海外留学を諦めたという気持ちは残っていました。だから今回お話を頂いた時、『ブロードウェイへのあこがれをどうして知ってたの?』とまず驚きました」。

退団後第一作目は自分が主役のミュージカルやコンサートの方がいいかと、ファンを大切にする柚希らしく一人で大いに悩んだという。「でも守りに入っている柚希礼音より、挑戦している姿に何かを感じていただけるはず」と決意。ハロルドとは昨秋、オフで訪れたニューヨークで会い、英語で彼の初期のトニー賞受賞作『くたばれ!ヤンキース』のナンバーを披露していた。「『チタ・リヴェラのキーだね。女性ではなかなか出ない低い声を大切にしよう』と言って下さって。ハロルドさんは舞台人にとって伝説の方なのに、とても気さくで優しい。今回も日本の観客が喜ぶだろうからと、私に合わせた演出もしてくださるようです。皆さんの心に深く入っていければ」。

インタビューカット
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『オペラ座の怪人』『キャバレー』など、ハロルドが手掛けた作品はトニー賞受賞作だけでも30本以上。そんな彼の人生を名場面と共に綴る本作では、柚希扮する”レオン”が大きな役目を担う。「ブロードウェイにあこがれてやって来る女性役です。偉大なスーザン・ストローマンさんの新たな振付で、たくさん踊らせて頂けるのは夢のようです」。まず50年代、60年代のミュージカル隆盛を象徴するシーンで、存分にダンスを披露する予定だ。「男役のダンスとはまた違う、伸び伸びと踊る気持ち良さがあると思います。クラシックバレエももう一度しっかりやり直して、この舞台に挑みたいです」。

退団後、改めて身体の軸を整えようとTRFのSAM氏に勧められたトレーニングルームへも通った。「宝塚で大きな羽根を背負っていたからか、腹筋より背筋がすごく強いことが分かりました」と笑う。7月からは3カ月間単身ニューヨークへ。「アパートに住み、語学学校に一人で電車で通います。稽古場に通訳の方はいないので、英語も追い詰められていい結果が出れば(笑)。ニューヨークへまず持って行きたいものは土鍋。お米を土鍋で炊くと美味しいんですよ。宝塚時代のありがたい生活を一度リセットし、一人の人間として歩き出すにはちょうどいい毎日が待っていると思います。ニューヨークは色んな国から夢を持った方が集まる街。皆さん歩くのが速いですよね。夢や目標がないと逆に疲れるかも、と思うぐらい。私も大きな夢を持ち、街中を速く歩きたいです!」。

ブロードウェイ公演も視野に入っている本作。ハロルドが会見で「”運”こそが物事を決めていく」と語っていた横で、柚希は大きくうなずいていた。「本当にそう。私にも大きな運が向いてくれたんですね。でもそのチャンスをしっかりつかめるかは本人次第。歌もダンスもまだまだ伸びしろがあると、自分の可能性を自分が一番信じて頑張りたいです」。

取材・文・写真/小野寺亜紀

ワールドプレミア ミュージカル『プリンス・オブ・ブロードウェイ』

日程:11月28日(土)~12月10日(木)
会場:梅田芸術劇場メインホール
料金:SS席17,000円、S席14,000円、A席10,000円、B席7,000円
電話:06-6377-3800
URL:http://pobjp.com/

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