1万人から抜擢、新人女優・藤野涼子

2015.4.3 18:30

1万人から選ばれたヒロイン・藤野涼子

(写真2枚)

現在、絶賛公開中の『ソロモンの偽証 前篇・事件』で、1万人オーディションの中から、キラ星のごとく現れた中学生ヒロイン藤野涼子。役名をそのまま芸名としてデビューした彼女に、撮影の裏側と、演技への思いを聞きました。

──あどけない可愛らしさのなかに、凛とした芯の強さを同居させる美少女。どことなくデビュー当時の吉永小百合に似ているような・・・?

えー。初めて言われました(笑)。

──わぁ、弾ける笑顔にキュンと来ます。さすが「1万人から選ばれたヒロイン」。

わたし、今までは通行人しかやった事がなくて、このオーディションは「何かを学びたい!」という思いで参加したんです。もちろん、役が欲しい気持ちはありましたけど、子役から活躍してる経験豊富な人も多いなか、「いい演技をしよう」なんて余裕は全然なくて。とにかく「素直に監督の言う事を実行しよう」と。今振り返ると、そういう「成長したい!」っていう気持ちが監督に届いて、「賭けてみよう」と思っていただけたのかも知れないです。

──背筋をピンと張って、真剣に言葉を選びながら、瞳をそらさず淡々と語る様子は、劇中の主人公「藤野涼子」そのままって感じですね。

もともと、「活発な女の子だね」って言われるタイプだったんですよ。一番好きな授業は体育で、今のように本や映画にも興味なかったし。でも、最近は、みんなに「変わったね」って言われるんです。落ち着いたって意味だと理解してるんですけど、今でも「藤野涼子」が自分の中に生きている感じはありますね。

"映画『ソロモンの偽証

──自分自身を変える程のパワーを持った役。その背景には厳しい撮影や演出もあった?

現場では、「言葉のキャッチボールをしろ」ってよく言われました。自分が黙っているシーンでも、相手の話をきちんと聞いていれば、涼子として反応できるし、自然に表情が滲み出るって。後篇の裁判シーンで、樹理(石井杏奈)の言葉を聞きながら急に涙が溢れてしまったんですけど、「OK!」って言われたんです。台本には泣くとは書いてなかったし、「検事なのに泣いていいのかな」と、自分では未だに正解が見えてない部分もあります。

──友だちを思って流した本物の涙。もちろん正解でしたよ!素晴らしかったし、まさか台本に無いなんて思ってませんでした。逆に、自分で納得のいったシーンは?

う〜ん。撮ってるときには意識してなかったんですけど、後篇の神原くん(板垣瑞生)と対峙して「あなたは何者なの?」って言うところ。これが「藤野涼子」のトーンなんだ!って、役を捉えられた感覚があって、自分自身では一番好きなシーンですね。

インタビューに答える姿も初々しく清楚な藤野涼子
インタビューに答える姿も初々しく清楚な藤野涼子

──裁判を目前にして、またひとつ謎が深まる緊迫した場面ですね。後篇は、それぞれのキャラクターの嘘がひとつずつ紐解かれていくのも見どころでした。

この作品を通して、嘘って「なくてはならないもの」なんだなって思いました。一般的に、嘘は悪いイメージですけど、親が子を守るための嘘だったり、嘘にも色々ある。でも、私は検事で、真実を突き止めないといけない立場なので、「嘘のあり方」については、すごく考えました。

──難しいですね。「嘘」より、「真実」を突きつけられて傷つく事もありますもんね。

そうですね。一次オーディションの時に、演技の先生に「お前はまだ殻を破れてない!」って言われたのは、深く突き刺さりました。でも、その通りだと思ったし、その言葉で「将来絶対女優でやっていくぞ」って、覚悟も決まりました。もっともっと勉強して、他の作品にも、いずれは舞台にも立ってみたいと思ってます!

器量も性格も二重丸! この春からは高校生という事で、学業優先で活動を続けるという藤野涼子さん。今から大女優の貫禄が見え隠れする彼女の今後に、ぜひご注目を!公開中の前篇に続き、結末が気になる『ソロモンの偽証 後篇・裁判』は4月11日からです。

取材・文/hime

映画『ソロモンの偽証 前篇・事件/後篇・裁判』

前篇:2015年3月7日(土)公開、後篇:4月11日(土)公開
原作:宮部みゆき
監督:成島出
出演:藤野涼子、板垣瑞生、石井杏奈、清水尋也、富田望生、前田航基、望月歩、佐々木蔵之介、夏川結衣、永作博美、黒木華、田畑智子、松重豊、小日向文世、尾野真千子
配給:松竹
前篇:2時間01分、後篇:2時間26分
大阪ステーションシティシネマほかで上映
© 2015「ソロモンの偽証」製作委員会

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