僕らが「日活ロマンポルノ」にハマる理由

2011.5.21 12:00
(写真5枚)

恐るべし女優根性、カラダを捧げた女たち。

高橋「ロマンポルノっていうのは、監督の作品であると同時に、女優の作品。白川和子、田中真理、片桐夕子、小川節子がロマンポルノ初期のスター女優。『ビューティー4』なんて言ってね」

春岡「その呼び方は、高橋さんが作ったんでしょ(笑)」

高橋「僕が勝手に言ってんだっけか」

春岡「日活ロマンポルノ1作目『団地妻 昼下がりの情事』(※註7)に出演した、白川和子の功績は大きいですよ。ロマンポルノとしての初めての撮影時、それまで200本のピンク映画に出てきた彼女だけがいわば、「セックスと裸を撮る現場」を知っていたわけだから」
※『団地妻 昼下がりの情事』:日活ロマンポルノの記念すべき1作目(当時は2本立て上映で、他方は小川節子主演『色暦大奥秘話』だった)。

『団地妻 昼下がりの情事』(監督:西村昭五郎、主演:白川和子) © 日活
『団地妻 昼下がりの情事』(監督:西村昭五郎、主演:白川和子) © 日活

高橋「『ラブ・ハンター 恋の狩人』(前述)とか、山口清一郎や田中登の作品に出ていた田中真理もね、きれいだったのよ」

春岡「彼女にはロシアの血が入っててね。ロマンポルノ裁判で、反権力の女王として学生たちのアイドルになったんだ」

高橋「うれしかったのがね、当時、大阪にも、監督と女優さんが舞台挨拶に来てくれるの。で、いろいろとサービスする。ジャンケンで買ったら女優さんのパンティーもらえるとか(笑)。もちろん脱いで渡すんちゃうよ。どうせスタッフがスーパーで買ったパンティーなんだろうけど、僕らにとってはアイドルだからねぇ。ホテルの屋上で水着撮影会なんてのもあって、田中真理も片桐夕子も来たんだぁ・・・(遠い目)」

春岡「ずいぶん後の作品になるけど、『桃尻娘 ピンク・ヒップ・ガール』(※註8)、これの主題歌がまた良かったんだなぁ。「ピンクのコットンパンツ、やめなきゃね♪」って当時、大学の映画研究会の先輩がずっと歌ってた」
※『桃尻娘 ピンク・ヒップ・ガール』:女子こそ観て楽しいガールズ・ムービー。この後『桃尻娘 ラブアタック』『桃尻娘 プロポーズ大作戦』とシリーズ化された。

高橋「女の子2人が旅に出て、どちらが先にバージンを捨てるか競争する物語。これは女の子が観ても絶対楽しいと思うよ!」

春岡「女性に観て欲しいという点では、『ダブルベッド』(※註9)もイイ。中年のセックスってタイヘンね、っていう話で・・・これはもはやポルノじゃないもの。身につまされる大人の切ない映画ですよ」
※『ダブルベッド』:大谷直子、石田えり、柄本明、岸部一徳が哀しくも可笑しい中年のセックス劇を演じる。脚本は、大人の恋愛の名手・荒井晴彦(季刊誌『映画芸術』発行人)。

『ダブルベッド』(監督:藤田敏八、主演:大谷直子) © 日活
『ダブルベッド』(監督:藤田敏八、主演:大谷直子) © 日活

『日活ロマンポルノ名作選』

期間:2011年5月21日(土)~6月10日(金)
会場:シネ・ヌーヴォ(大阪市西区九条1-20-24)
料金:前売1回券1000円、3回券2400円、フリーパス券12000円
電話:06-6582-1416(シネ・ヌーヴォ)
※全作品R18指定(18歳未満は鑑賞不可)

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