『Meets』編集部の余談。

今週末、飲みたいワイン。第9回

2020.6.26 17:00

カテゴリ:コラム

家飲みの日々が続くなか、偶然立ち寄った天満橋のワインショップ[salvis wine & records]で、お薦めのヴァンナチュール(自然派ワイン)の複雑な味わいに開眼。カタカナや専門用語が苦手な人でも楽しめる! 週末に飲みたい、小さな作り手による物語のあるワインを紹介します。


第9回

世界遺産登録の畑で生まれた、ちょい泡ワイン。

『Langhe Arneis 2019 / Traversa』

今回はイタリア北西部、ピエモンテ州のバルバレスコ村で造られるワインをご紹介します。

このワインを造るワイナリー「トラヴェルサ」のあるバルバレスコ村は、イタリアの最高級ワイン『バルバレスコ』の生産地。隣村は、最高級ワインの中でも“イタリアワインの王様”と呼ばれる『バローロ』を造るバローロ村で、一帯はワインの名産地です。このエリア、ランゲ・ロエロ・モンフェッラートは、「ピエモンテの葡萄畑の景観」として世界遺産に登録された(イタリアで50件目!)、世界でも例の少ないブドウ畑です。

トラヴェルサの畑。世界遺産ゆえ、自然環境や景観を守るための独自の認証を設けている。

「トラヴェルサ」は、土地に根付いたワイン造りを続けて180年超の、歴史あるワイナリー。現在はトラヴェルサ兄弟が跡を継ぎ、弟のフランコさんが醸造、兄のフラービオさんが畑仕事を担当しています。

今回の「ランゲ アルネイス」は微発泡の白ワイン。フランコさんが「一番好きなワインはシャンパン」という泡好きで、好きが高じて自らが造るワインに微量の泡を込めました。同じブドウを使ったガス入りとガスなしのワインを、ステンレスタンクで造り分けしているそうです。

左から、泡大好きのフランコさん、料理自慢のマンマ・カルラさん、フランコの娘クリスティーナちゃん。

そんな遊び心もありつつ、その土地固有のブドウ品種を使って、地元に愛されるワインを造ることが、ずっと変わらない「トラヴェルサ」の哲学だのだそう。土地ならではの味わいを楽しめるところが、イタリアワインの醍醐味ですね。

ちなみに、世界遺産に指定されている丘陵にあるご自宅の半分を、アグリツーリズモとして宿泊施設にあてているそうです。そこでいただけるマンマの料理が最高においしいそうで、その料理を目指してミラノから泊まりにくる人もたくさんいるそうですよ。

建物は2階建て。宿泊者が他にいないときは、2階のプライべートルームで家族と食事ができることも!

どんな味ですか?

控えめな泡が心地いいワインです。1日目は味わいも閉じ気味で、シャープな印象。次第に若い桃のようなフレッシュで繊細な香りがしてきます。2日目になると香りも味も開いた華やかな感じで、違う顔が現れるのがおもしろいです。食事に合わせるなら、エビを使ったサラダなど前菜向けかな。白身魚のタルタルにも合いそうですね。

飲んでみました。

白ワインですが、ほんのり色づく桃色。最初に飲んだときに、本当に桃の香りがしてびっくり。控えめなフルーティ感と、軽い微発泡が飲みやすいです。翌日は香りと味わいが華やかになって、熟したような変化に驚きましたが、どちらもおいしくて二度楽しい。アグリツーリズモで振る舞われるママ・トラヴェルサ自慢の手料理が気になります。

ほのかな色づきとかすかな泡。見た目もなんだか上品です。
ラベルは桃の花。この一帯は、桃や、プラムの産地でもあるそう。

今週のワイン

ランゲ・アルネイス2019/トラヴェルサ

産地:イタリア・ピエモンテ

2,500円(税抜)


salvis wine & records
[天満橋]
大阪市北区天満3-3-18 順源ビル1F
TEL 06-6356-7072
12:00〜20:00 水曜休
Instagram(@salvis_wine

店主・野口一知さんがセレクトする小さな作り手のワインと、好きな音楽のレコードを扱う専門店。ワインはヨーロッパを中心に約200種を扱い、その約8割がナチュールワイン。知識ゼロでも、味の好みや飲む相手などを伝えれば、ぴったりのワインを教えてくれる。奥には隠し部屋的なバー空間があるのでぜひお尋ねを。全国発送可。

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MeetsRegional編集室 1989年創刊以来(今年で31年目突入!)、関西の街をフォーカスし続けるリージョナル・マガジン。編集部員をはじめ、誌面に携わるさまざまなスタッフが自分の足で探してきた店や人、モノやコトを、私感たっぷりにご紹介。街や酒場の“ゴキゲン”を言い訳に、どうにも飲める(飲み過ぎる)スタッフ多め。現在、「WE♥酒場」をキャッチフレーズに、酒場にまつわるエトセトラを12カ月連続で特集中。毎月1日発売。

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