大阪が誇る名建築を水上から“イッキ見”飛行機のようなおもてなし付き、建築好き必見の「中之島特別クルーズ」

7時間前

中之島・北浜エリアは、大阪屈指の名建築の集積エリア。ビル、倉庫、橋…さまざまな建築がイッキに楽しめる(10月23日『水上から眺める!中之島・名建築ガイドクルーズ』)

(写真32枚)

大阪が誇る、名建築の宝庫「中之島」。堂島川と土佐堀川に挟まれた中洲である中之島エリアには、チェックしておきたい歴史的・近代建築が目白押しだ。

そんな中之島エリアをはじめ、大阪の街が「建築好き」の人たちでにぎわう、日本最大級の建築イベント『生きた建築ミュージアムフェスティバル大阪(以下イケフェス大阪)2026』が、今年も10月24日と25日を中心に開催された。レトロ建築から現代建築まで、現在も使用されている200件以上の建物公開をはじめ、さまざまな関連プログラムが登場。特にメインの2日間は、中之島・北浜周辺を歩けばイベントのガイドブックを手にした人たちとすれ違うほど、大盛況となった。

「淀屋橋」の上から見た景色。右手がクルーズが発着する「淀屋橋港」(10月23日『水上から眺める!中之島・名建築ガイドクルーズ』)

今回は、そんな『イケフェス大阪』の連動特別企画として登場した『水上から眺める!中之島・名建築ガイドクルーズ』に密着。「日本航空(JAL)」と「大阪水上バス」が共同で開催した、10月23日の特別クルーズの様子をお届けする。

カラフルな塗装の「大阪水上バス」に負けない、素敵なお着物姿の参加者たちも(10月23日『水上から眺める!中之島・名建築ガイドクルーズ』)

◆ 船上から楽しむ『イケフェス大阪』連動特別クルーズ、どんな内容?

今回「大阪水上バス」が出航するのは「淀屋橋港」。地下鉄・京阪「淀屋橋駅」すぐの便利な場所だが、そこから始まるクルーズは、名建築だらけの中之島を一周する、通常に運航していない約90分の特別コースだ。

この日は『イケフェス大阪』事務局長で、近畿大学建築学部教授の建築家・高岡伸一さんが、スペシャルガイドとして登場し、日本航空の客室乗務員「JALふるさとアンバサダー」菅原さんがサポート役を務めた。

「いいビル」をこよなく愛する『イケフェス大阪』事務局長で建築家の高岡伸一さん(10月23日『水上から眺める!中之島・名建築ガイドクルーズ』)
乗船時に「JALふるさとアンバサダー」菅原さんから、ボーディングパス(搭乗券)が手渡される。地域の活性化のために仕事をしたいという想いをもった客室乗務員「JALふるさとアンバサダー」がこれまで培ってきた知見を活かして、各地域を盛り上げている(10月23日『水上から眺める!中之島・名建築ガイドクルーズ』)
「水上バス」船内はこんな座席(10月23日『水上から眺める!中之島・名建築ガイドクルーズ』)

クルーズがはじまると、すぐ左手に見えるのは、1918年に完成した大阪のシンボルともいえる国の重要文化財「大阪市中央公会堂」や、印象的なエントランスの様式が目を引く「大阪府立中之島図書館」といったレトロ建築。

水上から見る「大阪市中央公会堂」(10月23日『水上から眺める!中之島・名建築ガイドクルーズ』)」

その対岸にも『イケフェス大阪』参加の歴史ある建物たち。レトロな意匠の橋を何本もくぐり、橋を見上げて、通り抜けていく。このコースの見どころは尽きない。

橋のデザインや構造もそれぞれ(10月23日『水上から眺める!中之島・名建築ガイドクルーズ』)
普段何気なく通っている橋の下を何本も潜り抜けて水上バスは進む(10月23日『水上から眺める!中之島・名建築ガイドクルーズ』)
水上から見上げる「光世証券本社ビル」次々出現する素敵な建築の写真を撮り続ける参加者たち(10月23日『水上から眺める!中之島・名建築ガイドクルーズ』)
「北浜レトロビルヂング」もともと証券関係の建物で、国の登録有形文化財。「TEA」の文字通り、アフタヌーンティーが人気(10月23日『水上から眺める!中之島・名建築ガイドクルーズ』)

そして、ツアーは「天満橋」手前で折り返し。

中之島の主要な建築が並び立つ、クルーズならではの絶景(10月23日『水上から眺める!中之島・名建築ガイドクルーズ』)
「ここが一番の絶景です。シャッターチャンスです!」とアナウンスがあり、参加者たちも素敵な景色を思い出に持ち帰っていた(10月23日『水上から眺める!中之島・名建築ガイドクルーズ』)

ここからは、安藤忠雄氏が手がけた「こども本の森 中之島」、中之島のランドマーク的ツインタワー「中之島フェスティバルタワー」と「中之島フェスティバルタワー・ウエスト」、黒い巨大なキューブ型の「大阪中之島美術館」などの現代建築もずらりと並ぶ。

「こども本の森 中之島」(10月23日『水上から眺める!中之島・名建築ガイドクルーズ』)
高速道路が川の上にかかり、その背景に特徴的な建物たちが並ぶ(10月23日『水上から眺める!中之島・名建築ガイドクルーズ』)
中之島には「大阪中之島美術館」「国立国際美術館」「東洋陶磁美術館」など建築も魅力の美術館がいっぱい(10月23日『水上から眺める!中之島・名建築ガイドクルーズ』)

水上バスの速さは、中之島を歩くくらいのゆったりしたスピードで、中之島の特別コースを1周しながら、次々と現れる建物を高岡さんがわかりやすく解説していく。

「ダイビル本館」(10月23日『水上から眺める!中之島・名建築ガイドクルーズ』)

「ダイビル本館の外壁レンガは、1925年に建てられたときのレンガを1枚1枚洗浄して貼り付けられています。気の遠くなるような作業をしているので、新築なんだけれども、レトロな感じが実現している」など、高岡さんによるひとつひとつの建物に対する興味深い解説は、質問タイムも含めてノンストップで90分間続き、参加者たちは感嘆の声をあげたり、熱心にメモを取ったりしていた。

黒川紀章氏が手がけた「グランキューブ大阪(大阪府立国際会議場)」(10月23日『水上から眺める!中之島・名建築ガイドクルーズ』)
「住友倉庫大阪支店川口倉庫」(10月23日『水上から眺める!中之島・名建築ガイドクルーズ』)
「中央卸売市場前港」付近で折り返して、土佐堀川を淀屋橋へ(10月23日『水上から眺める!中之島・名建築ガイドクルーズ』)
高岡先生お気に入りの「いいビル」たちの紹介も(10月23日『水上から眺める!中之島・名建築ガイドクルーズ』)

また、船内では、「JALふるさとアンバサダー」菅原さんが機内アナウンスのようにクルーズ企画の説明をしたり、途中、フライトでのドリンクサービスのように、各座席へ紙カップに入ったキャンディとステッカーの配布のおもてなしも。船の中にいながら、飛行機で旅をしているかのような、不思議な気分になった。

機内サービスのように、キャンディやステッカーを配布するおもてなし(10月23日『水上から眺める!中之島・名建築ガイドクルーズ』)
船内ではビールや、おつまみ、大阪水上バス限定キューピーの販売のワゴンサービスも。またこの日は『イケフェス大阪』のガイドブックも特別に販売(10月23日『水上から眺める!中之島・名建築ガイドクルーズ』)

「川沿いに並ぶ高層建築の景色がシカゴに似ている」という話を高岡先生がすると、菅原さんが「日本航空はシカゴにも就航しておりますので、ぜひ皆様ご利用ください」とアナウンスし、笑いを誘う。船内は終始和やかな雰囲気に包まれていた。

日本のシカゴ!?肥後橋の高層ビル群(10月23日『水上から眺める!中之島・名建築ガイドクルーズ』)

参加者たちも、「中之島公園」や川沿いのカフェのテラス席にいる人たちと手を振り合い、互いに窓側の席を譲り合いながら写真撮影などを楽しんでいた。

橋の上から、水上バスに向かって手を振る観光客たち(10月23日『水上から眺める!中之島・名建築ガイドクルーズ』)

また、参加者たちからの質問タイムで、「今年の『イケフェス大阪』でおすすめの建物」を尋ねられた高岡先生は、事務局長という立場から特定の場所を上げるのは難しいとしつつ、「ルポンドシエルビル(大林組旧本店)」を挙げた。「内部の改修工事に入るため、来年以降はしばらく公開できないので、まだ中に入ったことがないっていう人は、今回の『イケフェス大阪』でぜひ行っていただきたい」と話していた。

水上から「ルポンドシエルビル(大林組旧本店)」(10月23日『水上から眺める!中之島・名建築ガイドクルーズ』)

そんな高岡先生のアドバイスに基づいて、「ルポンドシエルビル(大林組旧本店)」の中も訪れてみた。「今回いけなかった…」という人のために、今年100周年を迎えた歴史ある建物の内部の写真をここで紹介する。同ビルには、『イケフェス大阪』で2日間で929人の来場があり賑わった。

「ルポンドシエルビル(大林組旧本店)」内観 1階エレベーターホールと階段(10月25日『イケフェス大阪2026』)
「ルポンドシエルビル(大林組旧本店)」内観。100年の歴史ある階段は、手すりが特徴的(10月25日『イケフェス大阪2026』)
「ルポンドシエルビル(大林組旧本店)」外観(10月25日『イケフェス大阪2026』)

大阪と京都から参加した建築好きの女性2人組は今回のクルーズツアーについて「知っている街だけど、普段の景色と、川の上からの景色は全然違って見える。専門家の話を、リアルタイムで聞きながら、こんなにたくさんの建物を見られたのは、すごく良かった」と感想を聞かせてくれた。

ツアー参加者が「大阪水上バス」「JALふるさとアンバサダー」それぞれのスタッフと記念撮影。こちらの参加者の2人には「ルポンドシエルビル」で25日に偶然再会。熱心な建築ファンたちは、大忙しの週末になったに違いない(10月23日『水上から眺める!中之島・名建築ガイドクルーズ』)

このあとも中之島の建築ガイドツアーの取り組みは、高岡先生から学んで、リハーサルを重ねた菅原さんら「JALふるさとアンバサダー」が引き継ぎ、『【イケフェス大阪監修】JALふるさとアンバサダーがご案内!中之島1周クルーズ』(所要時間60分)として、楽しめる。今回記事内で紹介した建築はツアーで登場する建物のごく一部。内容が気になったら、こちらのツアーをチェックしよう。

参加者たちからの質問コーナーなど、この日のツアーはワイワイと賑やかに(10月23日『水上から眺める!中之島・名建築ガイドクルーズ』)

菅原さんは「大阪出身なので、みなさんに大阪の案内ができるのがうれしいですね。この辺りはあまり来たことがなかったので、私自身もさまざまな発見があり、それをしっかり発信していきたいです」と意気込みを話した。

中之島エリアを代表する名建築の魅力や見どころを盛り込んだ船内ガイド付き、『【イケフェス大阪監修】JALふるさとアンバサダーがご案内!中之島1周クルーズ』の開催日は、11月3日、19日、12月2日の3日間。料金は、大人3600円、こども(小学生)2450円。前日までの予約。なお、空きがあれば当日参加も可能。詳細は公式サイトで確認を。

取材・文・写真/太田浩子 写真/Lmaga.jp編集部

特別ツアーの後は、水上バス内での解説のあった、北浜の川沿いのテラスのあるレストランに吸い寄せられるように入店。ツアー前後も、どっぷり中之島の素敵な建築のある風景を楽しんでみては?(10月23日・北浜)

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