大阪が誇る名建築を水上から“イッキ見”飛行機のようなおもてなし付き、建築好き必見の「中之島特別クルーズ」

中之島・北浜エリアは、大阪屈指の名建築の集積エリア。ビル、倉庫、橋…さまざまな建築がイッキに楽しめる(10月23日『水上から眺める!中之島・名建築ガイドクルーズ』)
大阪が誇る、名建築の宝庫「中之島」。堂島川と土佐堀川に挟まれた中洲である中之島エリアには、チェックしておきたい歴史的・近代建築が目白押しだ。
そんな中之島エリアをはじめ、大阪の街が「建築好き」の人たちでにぎわう、日本最大級の建築イベント『生きた建築ミュージアムフェスティバル大阪(以下イケフェス大阪)2026』が、今年も10月24日と25日を中心に開催された。レトロ建築から現代建築まで、現在も使用されている200件以上の建物公開をはじめ、さまざまな関連プログラムが登場。特にメインの2日間は、中之島・北浜周辺を歩けばイベントのガイドブックを手にした人たちとすれ違うほど、大盛況となった。

今回は、そんな『イケフェス大阪』の連動特別企画として登場した『水上から眺める!中之島・名建築ガイドクルーズ』に密着。「日本航空(JAL)」と「大阪水上バス」が共同で開催した、10月23日の特別クルーズの様子をお届けする。

◆ 船上から楽しむ『イケフェス大阪』連動特別クルーズ、どんな内容?
今回「大阪水上バス」が出航するのは「淀屋橋港」。地下鉄・京阪「淀屋橋駅」すぐの便利な場所だが、そこから始まるクルーズは、名建築だらけの中之島を一周する、通常に運航していない約90分の特別コースだ。
この日は『イケフェス大阪』事務局長で、近畿大学建築学部教授の建築家・高岡伸一さんが、スペシャルガイドとして登場し、日本航空の客室乗務員「JALふるさとアンバサダー」菅原さんがサポート役を務めた。



クルーズがはじまると、すぐ左手に見えるのは、1918年に完成した大阪のシンボルともいえる国の重要文化財「大阪市中央公会堂」や、印象的なエントランスの様式が目を引く「大阪府立中之島図書館」といったレトロ建築。

その対岸にも『イケフェス大阪』参加の歴史ある建物たち。レトロな意匠の橋を何本もくぐり、橋を見上げて、通り抜けていく。このコースの見どころは尽きない。


そして、ツアーは「天満橋」手前で折り返し。

ここからは、安藤忠雄氏が手がけた「こども本の森 中之島」、中之島のランドマーク的ツインタワー「中之島フェスティバルタワー」と「中之島フェスティバルタワー・ウエスト」、黒い巨大なキューブ型の「大阪中之島美術館」などの現代建築もずらりと並ぶ。



水上バスの速さは、中之島を歩くくらいのゆったりしたスピードで、中之島の特別コースを1周しながら、次々と現れる建物を高岡さんがわかりやすく解説していく。
「ダイビル本館の外壁レンガは、1925年に建てられたときのレンガを1枚1枚洗浄して貼り付けられています。気の遠くなるような作業をしているので、新築なんだけれども、レトロな感じが実現している」など、高岡さんによるひとつひとつの建物に対する興味深い解説は、質問タイムも含めてノンストップで90分間続き、参加者たちは感嘆の声をあげたり、熱心にメモを取ったりしていた。


また、船内では、「JALふるさとアンバサダー」菅原さんが機内アナウンスのようにクルーズ企画の説明をしたり、途中、フライトでのドリンクサービスのように、各座席へ紙カップに入ったキャンディとステッカーの配布のおもてなしも。船の中にいながら、飛行機で旅をしているかのような、不思議な気分になった。


「川沿いに並ぶ高層建築の景色がシカゴに似ている」という話を高岡先生がすると、菅原さんが「日本航空はシカゴにも就航しておりますので、ぜひ皆様ご利用ください」とアナウンスし、笑いを誘う。船内は終始和やかな雰囲気に包まれていた。

参加者たちも、「中之島公園」や川沿いのカフェのテラス席にいる人たちと手を振り合い、互いに窓側の席を譲り合いながら写真撮影などを楽しんでいた。

また、参加者たちからの質問タイムで、「今年の『イケフェス大阪』でおすすめの建物」を尋ねられた高岡先生は、事務局長という立場から特定の場所を上げるのは難しいとしつつ、「ルポンドシエルビル(大林組旧本店)」を挙げた。「内部の改修工事に入るため、来年以降はしばらく公開できないので、まだ中に入ったことがないっていう人は、今回の『イケフェス大阪』でぜひ行っていただきたい」と話していた。

そんな高岡先生のアドバイスに基づいて、「ルポンドシエルビル(大林組旧本店)」の中も訪れてみた。「今回いけなかった…」という人のために、今年100周年を迎えた歴史ある建物の内部の写真をここで紹介する。同ビルには、『イケフェス大阪』で2日間で929人の来場があり賑わった。



大阪と京都から参加した建築好きの女性2人組は今回のクルーズツアーについて「知っている街だけど、普段の景色と、川の上からの景色は全然違って見える。専門家の話を、リアルタイムで聞きながら、こんなにたくさんの建物を見られたのは、すごく良かった」と感想を聞かせてくれた。

このあとも中之島の建築ガイドツアーの取り組みは、高岡先生から学んで、リハーサルを重ねた菅原さんら「JALふるさとアンバサダー」が引き継ぎ、『【イケフェス大阪監修】JALふるさとアンバサダーがご案内!中之島1周クルーズ』(所要時間60分)として、楽しめる。今回記事内で紹介した建築はツアーで登場する建物のごく一部。内容が気になったら、こちらのツアーをチェックしよう。

菅原さんは「大阪出身なので、みなさんに大阪の案内ができるのがうれしいですね。この辺りはあまり来たことがなかったので、私自身もさまざまな発見があり、それをしっかり発信していきたいです」と意気込みを話した。
中之島エリアを代表する名建築の魅力や見どころを盛り込んだ船内ガイド付き、『【イケフェス大阪監修】JALふるさとアンバサダーがご案内!中之島1周クルーズ』の開催日は、11月3日、19日、12月2日の3日間。料金は、大人3600円、こども(小学生)2450円。前日までの予約。なお、空きがあれば当日参加も可能。詳細は公式サイトで確認を。
取材・文・写真/太田浩子 写真/Lmaga.jp編集部

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