完売続出!“寝そべって聴ける”オーケストラが大阪上陸、テーマはJ-POP・映画…おしゃべりもOK、全貌は?

5時間前

大阪で初開催された『CHILL CLASSIC CONCERT -BEST SELECTION 2026-』(9月13日・大阪市内/Lmaga.jp撮影)

(写真13枚)

「寝そべって聴くオーケストラ」として、全国で完売が続く注目のコンサート『チルクラシック コンサート(CHILL CLASSIC CONCERT)』が9月12日から2日間にわたり、大阪で初開催された。一体どんな雰囲気なのか…会場の南港「ATCホール」(大阪市住之江区)で、実際に体験してみた。

■ くつろぎ要素だらけ、その全貌は?

オーケストラの演奏を気軽に楽しめるよう2021年から開催され、飲食やおしゃべり、写真もOKという新スタイルを生み出した同イベント。「J-POP」「ミュージカル」「シネマ」など親しみやすいテーマの選曲が、20~40代の女性や家族連れなど、幅広い客層に好評となり、今年12都市で開催されたコンサートはすべて完売、大阪会場は2日間で6公演が実施された。

入口には演奏家のパネルがあるので、帰りに気になる人や楽器をチェックしたり、記念写真を撮る姿が多く見られた(Lmaga.jp撮影)
入口には演奏家のパネルがあるので、帰りに気になる人や楽器をチェックしたり、記念写真を撮る姿が多く見られた(Lmaga.jp撮影)

まず会場入口では、アルコール類やソフトドリンク、軽食が販売されていて、大阪会場ならではのご当地クラフトビール(900円~)があるのもうれしい。朝公演ではコーヒー&チョコサンド、夜公演ではビール&ビーフジャーキーなどのおつまみが人気とか。ブランケットの貸し出しもあり、映画館のようなわくわく気分が高まりながらいざ中へ。

大阪会場のドリンクは「フルーツソーダ」(500円~)、大阪・壽酒造の「クラフトビール」(900円~)ほか、アイスコーヒーやクラフトコーラなども(Lmaga.jp撮影)
大阪会場のドリンクは「フルーツソーダ」(500円~)、大阪・壽酒造の「クラフトビール」(900円~)ほか、アイスコーヒーやクラフトコーラなども(Lmaga.jp撮影)

筆者が幼少期に訪れたクラシックコンサートでは、年齢層が高い空間で静かにじっと耳を傾け、眠気との闘い…の印象が強かったものの、今回の約900席は前方にハンモックやビーズクッションエリア、後方にはリクライニングチェアが広がり、まるでキャンプ場のよう。開場とともに入場し、早速クッションに寝転ぶ若い世代の姿も見られた。

人気が高い会場前方のビーズクッション席&クッションソファ席では、開園前からくつろぎモードが全開(Lmaga.jp撮影)
人気が高い会場前方ビーズクッション席&クッションソファ席では、開演前からくつろぎモード全開(Lmaga.jp撮影)

本公演のテーマ『BEST SELECTION 2026』は、これまで来場者アンケートで特に人気の高かったJ-POP14曲が選曲され、『LA・LA・LA LOVE SONG』など人気ドラマ『ロングバケーション』(1996年放送)のメドレーからスタート。おなじみの曲ながら、金管&木管楽器の軽快な主旋律に弦楽器が加わった瞬間、優雅な雰囲気へ誘われ、早くもポップスとクラシックの「いいとこ取り」気分に。

J-POPの曲に合わせたカラフルな光の演出も美しく、オーケストラの演奏を盛り上げる要素に(9月13日・大阪市内/Lmaga.jp撮影)
J-POPの曲に合わせたカラフルな光の演出も美しく、オーケストラの演奏を盛り上げる要素に(9月13日・大阪市内/Lmaga.jp撮影)

両側の大型モニターに曲名や演奏者のアップが映るので、「今はこの楽器が主役!」と、聴きどころをガイドしてくれるような分かりやすさも感じられる。合間のトークタイムでは楽器紹介があり、どのような音を奏でるのか、オーケストラを初めて観る人は、推し楽器を見つけるのも楽しそうだ。

『チルクラシック コンサート』大阪会場の様子(Lmaga.jp撮影)
『チルクラシック コンサート』大阪会場の様子(Lmaga.jp撮影)

また、光の演出にもこだわり、『楓』(スピッツ)では、ステージが秋を想起させる黄色に包まれ、『夜空ノムコウ』(SMAP)では青色に星のような照明が映し出されるなど、曲の世界観に浸れるのも魅力。動画撮影が可能な曲があったり(本公演では1曲)、アンコールでは、拍手の大きさで曲を決める流れも盛り上がり、約90分の公演は大きな拍手とともに幕を閉じた。

合間のトークでも楽器紹介など、分かりやすい解説でコンサートを盛り上げてくれる(9月13日・大阪市内/Lmaga.jp撮影)
合間MCで楽器紹介など、分かりやすい解説でコンサートを盛り上げてくれる(9月13日・大阪市内/Lmaga.jp撮影)

公演中はリクライニングチェアのおかげで心地よさはあったものの、眠気には襲われず、同行者とお菓子をシェアしたり、足でリズムにのり「ミスチルや髭男の曲って、オーケストラだと壮大さが増して相性がよさそう」などと演奏にひき込まれ、あっという間に感じた初「チルクラシック」。

『チルクラシック コンサート』座席の様子(Lmaga.jp撮影)
大阪と兵庫から訪れた母娘&友達のお客さんは、原曲のアレンジや楽器のパート割に注目して、コンサートを満喫したそう(Lmaga.jp撮影)
大阪と兵庫から訪れた母娘&友人のお客さん、コンサートを満喫したそう(Lmaga.jp撮影)

京都から訪れた20代カップルは「すごくよかったです。特に『若者のすべて』が夏の終わりに合っていて」と初参加を満喫した様子。兵庫から訪れた母娘は3度目というリピーターで、今回は大阪の友人を誘って参加。母親がTikTokで知ったのがきっかけで「原曲と違うアレンジが楽しめるのが魅力」といい、楽器経験のある娘さん&友人は「ここは金管、次は弦に行くんだ!みたいにどうまわしていくのかがおもしろかった」と、パート割にも注目して楽しんでいた。

リピーターのお客さんは入場時にもらえるカード(裏にセットリスト表記)をコレクションする人も。写真は過去の神戸公演のカード(Lmaga.jp撮影)
リピーターのお客さんは入場時にもらえるカード(裏にセットリスト表記)をコレクションする人も。写真は過去の神戸公演のカード(Lmaga.jp撮影)

■ 企画協力した演奏家が語る、コンサートの背景

同公演には地元・関西などで活躍する約30名の演奏家が集結。企画立ち上げから携わっているヴァイオリニストのビルマン聡平さんは「コロナ禍で演奏会がなくなってしまった時に、止まらずに何かしたいと思い、新しいことができないかと相談を持ちかけました」ときっかけを明かし、他人との距離をとる必要性から、却ってゆとりのあるスペースでのコンサートスタイルが確立したそう。

(左から)企画協力のヴァイオリニスト・ビルマン聡平さん、編曲家・ピアニスト・中山博之さん(9月13日・大阪市内/Lmaga.jp撮影)
(左から)企画協力のヴァイオリニスト・ビルマン聡平さん、編曲家・ピアニスト・中山博之さん(9月13日・大阪市内/Lmaga.jp撮影)

本企画の運営元「indi」(東京都目黒区)と組むことで、寝そべって聴くという新しい体験や、ネーミングや光の演出、ドリンク販売など、音楽業界以外からの新たな視点での唯一無二の空間が生まれ、「お客さんにリラックスしてもらえるのが1番です」と呼びかける。

『BEST SELECTION 2026』の内容(Lmaga.jp撮影)
『BEST SELECTION 2026』の内容(Lmaga.jp撮影)

また、全曲のアレンジを担当する編曲家・ピアニストの中山博之さんは、原曲の良さを活かしたり、楽器の魅力を伝えることに注力。「初めてクラシックを聴いたという方や楽器に興味を持ってくれる方の声がうれしいですね」と笑顔を浮かべ、今後について、「まだまだいろんな曲をやって、違うテーマの世界を作りたい」と期待を込めた。

両側の大型モニターには、主旋律を弾く楽器が映るので、オーケストラ初心者にも分かりやすい(9月13日・大阪市内/Lmaga.jp撮影)
両側の大型モニターには、主旋律を弾く楽器が映るので、オーケストラ初心者にも分かりやすい(9月13日・大阪市内/Lmaga.jp撮影)

2027年は全国11都市で開催され、次回の大阪は2月20日・21日に映画音楽をテーマに「インテックス大阪」(大阪市住之江区)で開催。料金はA席(リクライニング)8800円、SS席(ハンモック・ビーズクッションなど)1万2800円ほか。3歳以上の子どもが大人と利用できるクッションソファ席(最大4名まで)2万4000円も。詳細は公式サイトにて。

取材・文/塩屋薫  撮影/Lmaga.jp編集部

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