大阪・北摂エリア最後の “レンタルビデオ専門” TSUTAYAが閉店「皆さまの思い出の1ページに…」 変化するレンタル事業、今後は?

1時間前

江坂のランドマーク的存在、この姿も見納め

(写真7枚)

2026年10月に「TSUTAYA あべの橋店」、2027年1月には「TSUTAYA EBISUBASHI」の閉店が発表されるなか、8月9日の貸し出しをもって店じまいしたのは「TSUTAYA 江坂南店」(大阪府吹田市)。書籍併売などを行わず、映画DVDや音楽CD、マンガなどを貸し出す「レンタル特化型」だった。

この閉店により、大阪・北摂エリアにあったレンタルサービスを提供する「TSUTAYA」は姿を消したこととなる。同店に限らず、VHSビデオが全盛期だった頃に私たちの音楽&映画シーンを支えてくれたレンタルビデオ店は、時代とともに数を減らしている。

「とうとうここのTSUTAYAも閉店か」「いろんな勉強をさせてもらいました」「学生時代、本当にお世話になりました。この店が自分の人生を彩ってくれた、と言っても過言ではないです」「僕の青春時代でした。本当にありがとう」「実際に手に取ってレンタルするDVDを選ぶの好きだったのに…」

レンタルサービスを提供する店舗の閉店に、悲しむ声とともに多くの感謝のコメントが寄せられた。サブスク全盛期の今なお、店舗がいかに多くの人々に愛されていたかがうかがえる。今回、閉店への思いと今後について聞いた。

閉店を知らせるポスター
閉店を知らせるポスター

■「街の景色の一部として、皆さまに愛していただいた」

「TSUTAYA」は、1983年3月に大阪府枚方市に「蔦屋書店 枚方店」を1号店として創業した。店舗数は2012年にピークの約1470店となった後、徐々に数を減らし、現在は約600店になっている(レンタル店以外も含む)。

「TSUTAYA 江坂南店」の店長は、「街の景色の一部として、長きにわたり多くの皆さまに愛していただいたお店でした。週末に家族で観る映画を選んだり、学生時代に音楽と出会ったりと、皆さまの思い出の1ページに当店が関われたことを誇りに思います。閉店にあたり寂しい気持ちは大きいですが、これまでご利用いただいた皆様には心より感謝申し上げます。本当にありがとうございました」と、コメントした。

「愛ある展示で楽しく推し活が出来たのはいい思い出」
SNSでは「愛ある展示で楽しく推し活が出来たのはいい思い出」というコメントも

映像コンテンツを調査する日本映像ソフト協会(JVA)によると、JVAレンタルシステム加盟店の総数の記録(※1)は、1984年12月に514店でスタートしてから数を増やし、1990年12月の13529店が最も多かった。

その後1999年12月までは1万店舗以上だったが数を減らし、2024年6月には2324店となっている(加盟店数のため、実際のレンタルビデオ店数とは異なる)。

レンタルビデオ世代の筆者も、以前はビデオ(DVD)やCDを店舗で頻繁に借りていた。ずらりと並んだ映画のビデオケースの裏面の説明を読んだり、スタッフの手書きのオススメを読んだりして観たい映画を選んでいた。目的のビデオの隣に並んでいた知らない映画に興味を持って借りることもあった。

「TSUTAYAさんのお陰で好きな曲がたくさんできました」「漫画やCD、DVDに囲まれたこの空間が最高の癒しでした」「愛ある展示で楽しく推し活が出来たのはいい思い出」店内にも思い出は尽きない
「TSUTAYAさんのお陰で好きな曲がたくさんできました」「漫画やCD、DVDに囲まれたこの空間が最高の癒しでした」店内にも思い出は尽きない
店員さんの手書きポップを入り口に、知らなかったアーティストを好きになったり……
店員さんの手書きポップを入り口に、知らなかったアーティストを好きになったり……
「スタッフのいち押し!」は必ずチェックしていました
「スタッフのいち押し!」は必ずチェックしていました

■レンタルビデオ店が減少し、増えたのは…

「TSUTAYA」「蔦屋書店」を運営する「カルチュア・エクスペリエンス(以下CX)」にレンタルビデオ店の減少傾向について聞くと、「2010年代初頭より、動画サブスクリプションサービスの普及やお客様ひとりひとりの時間の使い方が多様化しており、DVD・CDのレンタル需要が減少。それに伴い店舗も減少の傾向に向かっています」との回答だった。

TSUTAYA 江坂南店の店内
TSUTAYA 江坂南店の店内

近年、レンタルサービスの店舗自体は減少しているものの、自宅にいながら利用できる宅配レンタル「TSUTAYA DISCAS」は根強い人気を誇る。その背景には、圧倒的な作品数から選べる点や、まとめて大量に借りるとお得になる料金システム、動画配信サービスでは取り扱っていない作品までレンタルできる点などが挙げられる。

CXはさらなる事業拡大を推進しており、ワークスペース「SHARE LOUNGE」や、ピラティスやヘアカラーなどのサービスを提供する「TSUTAYA Conditioning」といった新規業態の店舗数を、近年急速に増加させている。関西エリアでも、全国初の「SHARE LOUNGE」と「TSUTAYA Conditioning」の併設店「TSUTAYA BOOKSTORE 香里園」が2024年11月に改装オープンしている。

「1983年の創業以来、TSUTAYAの根底にあるのは『ライフスタイルの提案』という理念です。提供するものがレコードやVHSからDVDへ、そして現在のように『リアルな場での体験』へと形を変えても、その想いは変わりません。これからも、その街にお住まいの方々の生活を豊かにするご提案を続けてまいりますので、新しく生まれ変わっていくTSUTAYAの店舗にぜひご期待ください」。

※1)JVA個人向けレンタルシステム加盟店数推移から抜粋

取材・写真・文/太田 浩子

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