大阪だけで開催の『フェルメール展』、14年ぶり来日“オランダの至宝”の魅力とは?子連れにうれしい展示も

2時間前

ヨハネス・フェルメール《真珠の耳飾りの少女》 1665年頃(Lmaga.jp撮影)

(写真12枚)

14年ぶりに来日するフェルメールの名画に注目が集まり、入手困難なチケットが話題となっている展覧会『フェルメール 真珠の耳飾りの少女展』。8月21日より「大阪中之島美術館」(大阪市北区)で開催され、前日の内覧会でその全貌が明らかとなった。

■ 日本では最後? チケット人気で追加の対策も

卓越した光の表現で知られ、17世紀のオランダ美術を代表する画家ヨハネス・フェルメール(1632~1675)。その最高傑作といわれる『真珠の耳飾りの少女』が、所蔵するオランダ「マウリッツハイス美術館」の改修工事による臨時休館に伴い、今夏から日本では大阪のみ約5週間公開される貴重な機会となっている。

『フェルメール 真珠の耳飾りの少女展』会場の様子(Lmaga.jp撮影)
『フェルメール 真珠の耳飾りの少女展』会場の様子(Lmaga.jp撮影)

日本での展示は最後の可能性もあり、6月のチケット先着販売時(tabiwa先行)にはアクセスが殺到して即完売。7月以降の一般先着販売は抽選に変更され、夜間開館日を追加して新たな入場枠が設けられるなど、開催前から高い関心が寄せられ、SNSではチケットの入手困難ぶりに「もうオランダに行くしかないな」など、嘆く声が多く見られた。

「大阪中之島美術館」で8月21日より開催の『フェルメール 真珠の耳飾りの少女展』(Lmaga.jp撮影)
「大阪中之島美術館」で8月21日より開催の『フェルメール 真珠の耳飾りの少女展』(Lmaga.jp撮影)

■『真珠の耳飾りの少女』の魅力とは?

同展では、フェルメールの2作品『真珠の耳飾りの少女』と最初期に描かれた神話画『ディアナとニンフたち』をはじめ、レンブラント・ファン・レインやヤン・ステーンなど「マウリッツハイス美術館」所蔵の17世紀オランダ名画が展示され、会場には全12作品のみの展示ながら日本初公開4点を含む見応え十分な印象だ。

『真珠の耳飾りの少女』展示室へ向かう通路も当別仕様の空間に(Lmaga.jp撮影)
『真珠の耳飾りの少女』展示室へ向かう通路も当別仕様の空間に(Lmaga.jp撮影)

目玉である『真珠の耳飾りの少女』は会場最後に出迎えてくれるが、その特別展示室までには期待が高まる専用通路も設けられ、その先には青色に包まれた空間が登場。オランダの至宝を堪能すべく、「青いターバンの謎」「少女は誰?」などと、豆知識や考察が書かれたパネルも並び、さらに横には、より分かりやすい表現で書かれた子ども用パネルがあるのもうれしい。

ミッフィーマークのあるパネルには、子ども向きの分かりやすい解説も載っている(Lmaga.jp撮影)
ミッフィーマークのあるパネルには、子ども向きの分かりやすい解説も載っている(Lmaga.jp撮影)

そして「オランダのモナ・リザ」といわれる至極の1枚は、写真撮影が可能だが、自分の目にじっくり焼き付けておきたいところ。「マウリッツハイス美術館」のマルティネ・ゴッセリンク館長は「娘を日本に連れて来て、みなさんに委ねる気分。少女の目をしっかり見つめてほしいし、少女はしっかり見つめ返してくれる」とコメント。

ヨハネス・フェルメール《真珠の耳飾りの少女》1665年頃 マウリッツハイス美術館蔵(Lmaga.jp撮影)
ヨハネス・フェルメール《真珠の耳飾りの少女》1665年頃 マウリッツハイス美術館蔵(Lmaga.jp撮影)

その目が離せなくなる魅力について、同展監修者(「マウリッツハイス美術館」)のユーディト・ニーセン氏は、鑑賞者の視線は「少女の灰青色の瞳、うっすら開いた口、耳元の大きな真珠」という3点のポイントに繰り返し惹きつけられると考察。また、筆跡が見えないほど柔らかな印象の肌と対照的な厚塗りの衣装、真珠のハイライトや影といった巧みな筆づかいにも、「光の魔術師」と称される趣向が凝らされているという。

メディア内覧会に出席した「マウリッツハイス美術館」のマルティネ・ゴッセリンク館長は日本で展覧会が開催される喜びを語った(8月20日・大阪市内/Lmaga.jp撮影)
メディア内覧会に出席した「マウリッツハイス美術館」のマルティネ・ゴッセリンク館長は日本で展覧会が開催される喜びを語った(8月20日・大阪市内/Lmaga.jp撮影)

■ オランダならではの名画&フェルメールの映像展示も

フェルメール作品以外は、肖像画、風俗画など6章のテーマで構成され、こちらでもミッフィーが目印の子ども用パネルがスタンバイ。なかでも、オランダ独自のジャンルという教会内景画や、果物が入手しにくかった時代に、豪華な果物を描いて飾ることが流行ったという静物画は、オランダ美術の黄金期を垣間見れる貴重な作品だ。

ヤン・ステーン《老いが歌えば若きが笛吹く》1663–1665年頃 マウリッツハイス美術館蔵(Lmaga.jp撮影)
ヤン・ステーン《老いが歌えば若きが笛吹く》1663–1665年頃 マウリッツハイス美術館蔵(Lmaga.jp撮影)
エマヌエル・デ・ウィッテ《想像のカトリック聖堂の内部》 1668年 マウリッツハイス美術館蔵(Lmaga.jp撮影)
エマヌエル・デ・ウィッテ《想像のカトリック聖堂の内部》 1668年 マウリッツハイス美術館蔵(Lmaga.jp撮影)

さらに、全長20mの大型スクリーンに投影される映像で、フェルメールの世界観に浸れる空間も。世界に点在する全37作品が実際の比率に基づいて集結する様は圧巻で、ほかにも拡大投影で名画の細部に迫る、肉眼では不可能な鑑賞体験も楽しめる。

『フェルメール 真珠の耳飾りの少女展』全長20m大型スクリーンのイメージ(Lmaga.jp撮影)
『フェルメール 真珠の耳飾りの少女展』全長20m大型スクリーンのイメージ(Lmaga.jp撮影)

同展は日時指定制で、「大阪中之島美術館」での当日券販売は実施されず、開幕後も販売状況等に応じて「チケットぴあ」にて追加販売(抽選)を実施予定。「チケットぴあ」で購入したチケットの「リセールサービス」も実施される。最新のチケット情報は公式サイトにて。


『フェルメール 真珠の耳飾りの少女展』※日時指定制
期間:2026年8月21日(金)~ 9月27日(日)
時間:9:30~17:00(入場は16:30まで)
※金曜、9月6日、9月8日、9月12日~16日、9月19日~27日は9:30~20:00(入場は19:30まで)
会場:大阪中之島美術館(大阪市北区中之島4-3-1)
料金:一般3000円、高大生1500円、小中生500円

取材・文/塩屋薫  写真/Lmaga.jp編集部

  • LINE

関連記事関連記事

あなたにオススメあなたにオススメ

コラボPR

合わせて読みたい合わせて読みたい

人気記事ランキング人気記事ランキング

写真ランキング

関連記事関連記事

コラム

ピックアップ

エルマガジン社の本