【きょうオープン】旧奈良監獄が“泊まれる重要文化財”に…独房つなげた客室、拘置所ダイニング公開

4時間前

「星のや奈良監獄」宿泊者専用のエントランス(6月23日撮影)

(写真27枚)

「星野リゾート」による、国の重要文化財「旧奈良監獄(旧奈良刑務所)」を活用したラグジュアリーホテル「星のや奈良監獄」(奈良県奈良市)が、6月25日に開業した。

1908年に誕生した「旧奈良監獄」は、1946年から「奈良少年刑務所」として運用され、更生教育を重視する施設として2017年までその役割を担った。2017年2月には国の重要文化財に指定され、今年、保存と継承を目的に「星のや奈良監獄」と「奈良監獄ミュージアム」として生まれ変わった。

4月27日に開館する「奈良監獄ミュージアム by 星野リゾート」
4月27日に開館した「奈良監獄ミュージアム by 星野リゾート」(4月撮影)

「明治の重要文化財」をコンセプトにしたホテルには、日本が近代国家として歩み始めた明治時代の西洋文化の趣が随所に取り入れられている。客室48室のほか、メインラウンジ、ダイニング、ダイニングラウンジ、中庭を備え、すべて宿泊者のみが利用できる。

「星のや奈良監獄」客室があるのは、かつて受刑者たちが過ごした「舎房」のある保存棟エリア(6月23日撮影)
「星のや奈良監獄」客室があるのは、かつて受刑者たちが過ごした「舎房」のある保存棟エリア(6月23日撮影)

同ホテルの総支配人・掛川暢矢さんは、「日本随一のヘリテージホテルです。この壮大な施設を、国や地域、各分野のプロフェッショナルたちの連携により、無事にお披露目できてうれしい」と、いよいよ迎える開業の喜びを感慨深げに語った。

「星のや奈良監獄」オープニングセレモニーの様子(6月23日撮影)
「星のや奈良監獄」オープニングセレモニーの様子(6月23日撮影)

■ 宿泊者だけが通れる専用ゲートからチェックイン

宿泊者は、「奈良少年刑務所」の看板が残る専用ゲートから入場する。レンガ造りのゲートには左右に監視塔が設けられ、レンガの装飾も施されるなど、細部までこだわりが感じられる。

「星のや奈良監獄」天井が高く、開放的なメインラウンジ(6月23日撮影)
「星のや奈良監獄」天井が高く、開放的なメインラウンジ(6月23日撮影)

ホテル棟に入ると、まずは「レセプションラウンジ」でチェックイン。その後、開放的な吹き抜けが特徴の「メインラウンジ」へ案内され、ウェルカムティーとスイーツ「茜のティーサロン」が振る舞われる。歴史的な空間で、奈良県・月ヶ瀬産の和紅茶とお菓子を味わいながら、ゆっくりとした時間を過ごすことができる。

「星のや奈良監獄」ウェルカムティーとスイーツ「茜のティーサロン」。奈良県・月ヶ瀬産の和紅茶とお菓子が提供される(6月23日撮影)
「星のや奈良監獄」ウェルカムティーとスイーツ「茜のティーサロン」。奈良県・月ヶ瀬産の和紅茶とお菓子が提供される(6月23日撮影)

■ かつての舎房をつないだ客室、レンガや格子もそのまま

客室があるのは、放射状に広がる「ハヴィランド・システム」の構造が特徴的な保存棟エリア。かつて受刑者たちが過ごした「舎房」を活用している。

「星のや奈良監獄」9〜11室の舎房を連結して造られた客室(6月23日撮影)
「星のや奈良監獄」9〜11室の舎房を連結して造られた客室(6月23日撮影)

客室は「The 9-Cell(ザ・ナインセル)」「The 10-Cell(ザ・テンセル)」「The 11-Cell Deluxe(ザ・イレブンセル デラックス)」の3タイプ。それぞれ9〜11室の舎房を連結して造られているという。

「星のや奈良監獄」客室間取図
「星のや奈良監獄」客室間取図

靴を脱いで室内に入ると、建物のシンボルであるレンガや木をふんだんに使った、あたたかみのある空間が広がる。

「星のや奈良監獄」客室内の様子(6月23日撮影)
「星のや奈良監獄」客室のリビング(6月23日撮影)
「星のや奈良監獄」客室内の様子(6月23日撮影)
「星のや奈良監獄」客室のダイニング(6月23日撮影)

室内には、100年以上前のレンガの遺構や、高さ3.5mのアーチ状の「ヴォールト天井」など、歴史を感じさせる意匠が残る。また、窓の格子や、舎房をつなげた客室ならではの横に長い構造から、かつて刑務所だった建物の面影がうかがえる。

「星のや奈良監獄」客室内の窓にも格子があり、刑務所だった名残を感じる(6月23日撮影)
「星のや奈良監獄」客室内の窓にも格子があり、刑務所だった名残を感じる(6月23日撮影)
「星のや奈良監獄」客室内には高さ3.5mのアーチ状の「ヴォールト天井」などの歴史的な遺構がある(6月23日撮影)

客室にはあえてテレビや時計を置かず、自分自身や大切な人と向き合う時間を大切にできる設えに。重要文化財に宿泊するという貴重な体験を通して、非日常をじっくり味わえる。

「星のや奈良監獄」ベッドルームは木で囲まれた空間で、防音・断熱もしっかり(6月23日撮影)
「星のや奈良監獄」ベッドルームは木で囲まれた空間で、防音・断熱もしっかり(6月23日撮影)

■ 拘置所がダイニングに、明治の洋食文化を味わう

かつて刑が確定する前の人が過ごしていた「拘置所」は、メインダイニングへと姿を変えた。

「星のや奈良監獄」拘置所だった場所がダイニングエリアに。半個室で過ごしやすい空間になっている(6月23日撮影)

朝食には、明治時代の洋食文化を現代的にアレンジした「文明開化の朝食」(6380円)をはじめ、「和朝食」「洋朝食」(各4800円)、「軽朝食 ミニクロワッサン」(250円)など、多彩なメニューがそろう。

「星のや奈良監獄」文明開化の朝食(6380円)
「星のや奈良監獄」文明開化の朝食(6380円)
「星のや奈良監獄」夕食の「ガストロノミー・クロニクル」より、黎明期・始まりのパナシェ
「星のや奈良監獄」夕食の「ガストロノミー・クロニクル」より、黎明期・始まりのパナシェ

ディナーには、日本におけるフランス料理の歴史をひもとくコース「ガストロノミー・クロニクル」(22000円)が用意される。西洋料理が普及した明治時代の日本の洋食を、一口サイズのフルコースに見立てて提供する。いずれも宿泊者のみが利用できる。

「星のや奈良監獄」ダイニングの客席(6月23日撮影)
「星のや奈良監獄」ダイニングは2〜6名席が用意されている(6月23日撮影)

そのほか、夕食後には蓄音器でノスタルジックな音色とお酒を楽しむ「響きのソワレ」がダイニングラウンジで開催される。

◾️宿泊者限定の監獄ミュージアム体験も

朝には明治時代の体育の思想に触れる「目覚めの亜鈴(あれい)体操」が7〜7時半に、夜には香水文化に触れる「調香体験」(12100円)が21時30分よりメインラウンジで開催される。

「星のや奈良監獄」香水文化に触れる「調香体験」(1万2100円)がメインラウンジで楽しめる(6月23日撮影)

また、宿泊者は併設の「奈良監獄ミュージアム」を無料で何度でも利用可能。宿泊者限定で開放される時間帯も設けられており(18時〜23時、6時〜8時半)、特別な景色を堪能できる。

夜の「星のや奈良監獄」
夜の「星のや奈良監獄」

「星のや 奈良監獄」の料金は、1泊1室あたり14万7000円〜。予約や詳細は公式サイトにて。

「星のや奈良監獄」

2026年6月25日(木)開業
住所:奈良県奈良市般若寺町18
客室数:48室
料金:1泊1室14万7000円~(食事別)
付帯施設:メインラウンジ、ダイニング、ダイニングラウンジ、中庭、奈良監獄ミュージアム

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