5年ごしのワンカップ大関が、美味しすぎた……! そんなことってある?【酒ジャーナリストに聞いた】

約5年間クローゼットに入っていた「ワンカップ大関」が激ウマに…! ※木村咲貴さん提供
「クローゼットに入ってた2021年製造のワンカップ大関が美味すぎて笑っている。常温できれいに熟成するねぇ」
“酒ジャーナリスト”として活動されている木村咲貴さん(@sakeschi)。自身のX(旧Twitter)にて、日本酒の意外な楽しみ方について紹介しました。
木村さんが投稿したのは、「大関」(兵庫県西宮市)が販売する日本酒「ワンカップ大関」。それも2021年製造のものだといいます。造られてから5年ほど経つという計算に。
ところが木村さん、それを飲んでみたところ、「美味すぎた」とのこと。
原則的には、品質維持などの面から「早めに飲むのが良い」とされる日本酒ですが、あえて長期間寝かせて熟成させる「古酒」を楽しむ方もいます。
熟成には、「瓶の密封状態を保つ」、「紫外線を当てない」、「気温の安定した湿気の少ない場所で保管する」といった条件も必要ですが、うまくできた古酒は色が鮮やかな褐色になり、味わいや香りにもかなりの円熟感が出るといわれています。時には、思いもよらなかった味わいを楽しめることもあるとか。
実際に飲んでみて、はじめてどのように熟成されたのかが分かる――という点も面白いところですね。
ですが、「気軽で安く飲める日本酒」の代名詞でもあるワンカップ大関でも、その「古酒」が楽しめたのは意外なことかもしれません。木村さんの投稿に対し、リプ欄にも驚きの声が多数上がっていました。
「ワンカップが美味しく熟成するのは驚き!良い感じに色づいてますね!」
「見事な熟成です」
「そんなウルトラスペシャルな熟成技があるなんて知りませんでした」
「熟成酒仲間がたくさん居る事を知れて嬉しいです」
「日本の密封技術すばらしい」
――ワンカップ大関ですが、どういう経緯で保管されていたのですか?
木村さん:仕事柄、家に日本酒が100本以上あるため、それらを保管しておくためのクローゼットが2つあるんです。(ワンカップ大関は)あまり開けないほうのクローゼットに入っていたので、引っ越してきた頃に入れたものがそのままになっていたのだと思います。
――色味や味はどのように変化していましたか?
木村さん:色味は薄黄色になっていました。味はこっくりした旨味が増している感じで美味しかったです。これだけうまく熟成するのは、大手メーカーの技術力あってこそかもしれません。大関さんのワンカップは、きれいな酸味があるしっかりした酒質なのに加えて、容器の上部が金属製の蓋でしっかりシーリングされています。だからこそ、5年寝かせても余計な影響を受けなかったのだと思っています。
――他に、熟成させるには、どんな日本酒が良いですか? オススメのブランドなどは?
木村さん:あまり精米をしていないものや、旨味がしっかりしたお酒は熟成に耐えやすいです。逆に、フルーティで繊細な味わいのお酒は、早く飲んだ方がいいかもしれません。ただ、これもマニアになっていくと「ものによる」ことがわかってきます。おすすめのブランドは「剣菱」(兵庫県神戸市東灘区)です。スーパーに売られているものにも熟成酒がブレンドされています。

「『実験』だと思っておおらかな気持ちで楽しむ」古酒を作る際の秘訣として、木村さんはこのように話されます。
また、酒販店や飲食店のなかにも日本酒を自家熟成しているところは結構あるそうで、「興味が湧いた人はぜひそういうお店に行ってみてください」とのことでした。
ただし、先述の通り、日本酒は基本的に、「早めに飲む」ことが推奨されています。自身で日本酒を熟成したり、それを飲んだりする時は、自己責任という意識をもちつつ楽しむようにしましょう。
取材・文/竹中 友一(RinToris)
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