京都の四季のうつろい、音楽とともに…月を愛で、茶を楽しむイベント

『電子音楽の夕べ』で思い思いの時間を過ごす来場者たち(8月30日法然院)
京都と東京・吉祥寺とを拠点に活動する電子音楽レーベル「涼音堂茶舗」が、京都の季節のうつろいを楽しむイベントを、10月6日に「新風館」(京都市中京区)、10月13日に「北野天満宮」(京都市上京区)で開催する。
これまで、寺院や美術館、温泉といったさまざまな環境で「電子音楽を楽しむ」という非日常を感じられるイベントを企画してきた、「涼音堂茶舗」。アンビエント・ミュージック(環境音楽)を軸に、京都をはじめ、日本各地でユニークな取り組みを行ってきた。
◆ まずは通常非公開「法然院方丈」で「夏の終わりを愛でる」イベントをレポート

通常非公開のお寺「法然院」(京都市左京区)では、お茶と電子音楽を楽しむ『electronic evening 2025 電子音楽の夕べ』を8月30日に開催。
「夏の終わりの京都、21世紀の文人墨客の集う夕涼み」をコンセプトに企画された、「涼音堂茶舗」主催の毎年恒例のイベント。陽が落ちる前の、まだ残暑厳しい京都に、全国各地から来場者たちが続々。「音」と「茶」を中心に、ひかりや香りなどで演出された空間で、夏から秋へ、昼から夜へと、うつろう京都を体感できるイベントとなった。

出演は、京都在住の打楽器奏者・北航平、武田真彦+今西紅雪の電子音楽と伝統楽器のセッション、 宮城県石巻市から、郷土藝能を通過した電子音響を奏でる四倉由公彦。映像は京都在住の映像作家・Sagal Patel、徳丸雅士が担当した。

そのほか、映像作家・ソネソラによるインスタレーションや、インセンスブランド・リスンによる香りの演出など、こだわり尽くしの演出も。イベントが進むにつれ、美しい庭園と隣接する、開け放たれた「方丈」は、蝉の声から、涼しげな秋の虫の声に包まれ、まるでアーティストたちと虫たちのセッションのような展開に。

「今夜は、出演者に少しでも涼しさを感じられる演奏をリクエストした」と代表の星憲一朗さん。畳に寝ころびながら音楽を聞いている人などもいて、思い思いのスタイルで、心穏やかに過ごす人たちの姿がみられた。

また、法然院の庭園より湧出する名水「善気水」で出した、お茶の老舗「通圓」(宇治市)24代目自らによるブレンドの御抹茶と、和菓子店「宝泉堂」(京都市左京区)によるオリジナルの上菓子を、光と音で満たされたお茶席「涼音の席」でいただくことも。
ここでは、「ambient KYOTO」館長も務めた、糸魚健一率いるPsysExと、茶人・中山福太朗との茶と音のセッションを繰り広げ、来場者は、京都市内とは思えないような非日常の空間を楽しんでいた。

◆ 10月6日、「新風館」で中秋の名月の「月の出の待ち」を楽しむイベント
そんな「涼音堂茶舗」が10月6日に手掛けるのは、中秋の名月を愛でるイベント『宵待月 -Waiting for the Harvest Moon-』。雅楽の美しい音色とアンビエント・ミュージックのコラボレーションを楽しみながら、「月の出待ち」をするというユニークかつ風流な企画だ。
出演するのは、「藝能」と「アンビエント」両面から音楽にアプローチする宮城県石巻市の四倉由公彦(出演16時30分~)。「音の涼しさ」から涼風のような音楽を奏でる京都在住の音楽家・北航平(出演17時30分~)。過去に、ヨーヨー・マ、坂本龍一 らの音楽で笙を担当した雅楽演奏家の東野珠実出演18時30分~)。
また、日没後から22時までは「新風館」恒例の、満月のプロジェクションマッピング投影も行われる。
◆ 10月13日、「北野天満宮」で特別な「お茶会」開催
「北野天満宮」は、豊臣秀吉が「北野大茶湯」を開いたとされる場所。その境内にある、通常非公開の「茶室梅交軒」にて、今回レポートした『electronic evening』の、拡張版の「茶会」である『声涼絡緯』を開催する。

2025年4月から京都府内各地で行われた『きょうとまるごとお茶の博覧会』。そのグランドフィナーレとして、三千家はじめ、各流派のさまざまな茶会が集結する『北野大茶会』(10月11日~13日開催)で開催される最後のプログラムが、『声涼絡緯』と題した、「音」と「茶」のイベントだ。
東野珠実、北航平、四倉由公彦が出演し、茶は中山福太朗、映像はSagar Patelが担当。「藝能」と「アンビエント」、「音」と「茶」のコラボレーションを楽しめる。このイベントについて、「和漢の境、音と茶、内と外、あらゆる境を紛らかす、『electronic evening』のコンセプトを、さらに展開したイベントになります。雅楽と電子音楽、郷土藝能、映像、香り、そして茶の湯の複合形を試みる、実験的な茶会をお楽しみに」と星さん。
『声涼絡緯ーambient green tea lounge 北野三吟ー』は、10月13日16時から。お茶席付きで、チケットは5000円。詳細は公式サイトで確認を。
取材・文・写真(一部)/Lmaga.jp編集部
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