2時間55分の超大作…映画・国宝への思い「ものすごい覚悟を持って」

2025.5.31 07:15

映画『国宝』ジャパンプレミアより、主演の吉沢亮(5月30日・京都市内)

(写真20枚)

上映時間2時間55分という大作で、「第78回カンヌ国際映画祭」での上映が好評を博した映画『国宝』(原作:吉田修一)が6月6日に公開される。それに先駆け5月31日、主演の吉沢亮、横浜流星らが京都・東寺(京都市南区)に登場。カンヌでの反響、そして映画への思いを明かした。

同作は、任侠の一門に生まれ15歳の時に抗争で父を亡くした喜久雄(吉沢亮)が、思いがけず歌舞伎の世界に飛び込み、天性の才能を発揮しながらも過酷な運命に巻き込まれるというストーリー。日本初の試写会が、京都・東寺でおこなわれた。

映画『国宝』ジャパンプレミアより、横浜流星(5月30日・京都市内)
映画『国宝』ジャパンプレミアより、横浜流星(5月30日・京都市内)

本編は上映時間2時間55分という長編作品となっており、先日フランスにておこなわれた「カンヌ国際映画祭」では、吉沢、横浜、渡辺謙、李相日監督が現地に参加。李監督は「上映中は隣が吉沢くんだったんですけど、カチカチな感じがすごく伝わってきて。もう伝導し合って、2人とも力がぐっと入ったまま…3時間ぶっ通しで」と上映時を振りかえった。

映画「国宝」(C)吉田修一/朝日新聞出版 (C)2025 映画「国宝」製作委員会
映画「国宝」(C)吉田修一/朝日新聞出版 (C)2025 映画「国宝」製作委員会

上映後は約6分のスタンディングオベーションが起きたほか、「ビューティフル!」との声が飛び交ったといい、現地の機関誌では「歌舞伎の生まれではない映画の俳優たちが、とてつもない大きな挑戦に挑んで、結果として絶大な説得力を生み出した。映像は絵画のような美しさだった。2025年のカンヌ映画祭のなかで、最も美しい映画の一つだった」と絶賛されたという。

映画「国宝」(C)吉田修一/朝日新聞出版 (C)2025 映画「国宝」製作委員会
映画「国宝」(C)吉田修一/朝日新聞出版 (C)2025 映画「国宝」製作委員会

続けて横浜は、会場で現地の来場者による「KIKUOー!」と主人公の名を叫ぶ声を耳にしたと明かし、「幸せでしたよ。忘れることのできない景色を見ることができましたし、カンヌの地に行くことができただけでも、役者として幸せなことで。ありがたいですね」と噛み締めていた。

映画『国宝』ジャパンプレミアより、左から横浜流星、吉沢亮(5月30日・京都市内)
映画『国宝』ジャパンプレミアより、左から横浜流星、吉沢亮(5月30日・京都市内)

吉沢は、「本当にうれしかったですし、安心しました。日本の伝統芸能をベースに、すごくエンターテイメント性の高い作品が、カンヌの地でどのような評価をいただくか楽しみな反面、不安も大きかったんです。でも、みなさんが集中して見ている空気感がビンビンに伝わって、最後の方まで笑い声が聞こえたり。我々が込めた思いがしっかり届いているなと実感して、胸が熱くなりましたね」と明かした。

そして、「1年半、歌舞伎と向き合いながらの撮影でした。一つの役の準備の段階でそこまで期間を設けるっていうのは初めての経験だったので、僕自身も未知数だったというか。大きな不安を抱えながら、この作品が僕の代表作になってほしいという思いものった撮影で、ものすごい覚悟は持っていました」と撮影時を振りかえった。

映画『国宝』ジャパンプレミアより、左から横浜流星、吉沢亮(5月30日・京都市内)
映画『国宝』ジャパンプレミアより、左から横浜流星、吉沢亮(5月30日・京都市内)

また、残念ながら現地には参加できなかったという高畑は、「連日たくさんニュースが流れてきて。海を越えて言葉を越えて、本当に美しい映画で、2人の美しさがちょっと人間じゃないみたいな感じなので…。それと映画全体の美しさが国を超えて伝わったんだなって、ファンのような嬉しい気持ちでした」と熱くコメント。

映画『国宝』ジャパンプレミアより、高畑充希(5月30日・京都市内)
映画『国宝』ジャパンプレミアより、高畑充希(5月30日・京都市内)

さらに「毎回回ってくる4ショットがかっこよすぎて。4名の写真がイケすぎてて、胸熱でした(笑)」と語り、会場の笑いを誘った。

映画『国宝』ジャパンプレミアより、高畑に称され笑顔をみせる吉沢(5月30日・京都市内)

舞台挨拶終了後には、国内で最速となる試写会が東寺の特設会場にておこなわれた。SNS上では一足早く同作を観終えた参加者たちによる「映画としては長い3時間があっという間」「2時間55分あっという間だよ。ホントに」といった絶賛の声が相次いでいる。

映画『国宝』は、6月6日より全国東宝系にてロードショー。

取材・文/つちだ四郎

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