5億円突破!映画「トワイライト・ウォリアーズ」マサラに紙切れ舞う

2025.5.21 21:30

上映後は参加者たちで記念撮影(塚口サンサン劇場にて)

(写真21枚)

2025年1月に日本公開された香港映画『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』が今なおアツい。

現地では、香港映画界最高の映画賞「香港電影金像奨」で最多9部門に輝き、香港映画として歴代1位の興行収入を打ち立てた。

日本での配給会社「クロックワークス」は、5月17日に日本での興行収入が5億円を突破したと発表。日本における香港映画としても、異例の特大ヒット作となった。

4月には日本語吹替版も登場。繰り返しリピート鑑賞する人が後を絶たず、SNSには「○回目の入城」と報告し合う人も多く、50回以上同作を観ている猛者も・・・。

そんな熱いファンたちが、3月に同作の応援上映イベント『塚口九龍城砦』に集結。今回、興行収入5億円突破記念に「塚口サンサン劇場」(尼崎市)で開催されたこのイベントの模様を振りかえる。

タイトルバックに大量の紙吹雪が舞う『塚口九龍城砦』の様子(画像提供:関西キネマ倶楽部)

◆ チケットは発売開始1分で完売!「ハイエイトチョコ」は当日までにまさかの理由で売り切れ

インド映画『RRR』などの応援上映でおなじみの同劇場で開催された『塚口九龍城砦』。やはり期待値が高かったのだろう、155席のチケットは発売開始1分で即完売。劇場スタッフによると、最後の1席に、同時に6人がアクセスしていたというまさに「決戦」。本編さながらの熾烈な戦いは、上映前から始まっていたのだ。

お面はなんとこの日のため手作りで準備(塚口サンサン劇場)
お面はなんとこの日のため手作りで準備したというファン(塚口サンサン劇場にて)

当日は、そんな戦いを勝ち抜いた「ガチ勢」が全国から劇場に集結。これから映画を観るとは思えないほど、大荷物の参加者たち。

聞くと、実際に香港に渡り、現地でしか買えない同作の公式アイテムを買った、という人も多数。登場キャラクターはもちろん、概念コスプレや、手作りネオンうちわなど、気合入りまくりの精鋭揃いだ。

さまざまなコスプレそう来るか!?と驚くような扮装も(塚口サンサン劇場)
さまざまなコスプレの中にそう来るか!?と驚くような扮装も(塚口サンサン劇場にて)
あの凧を自作して配ってくれた天才がいた塚口九龍城砦』(塚口サンサン劇場)
あの凧を自作して配ってくれた天才がいた『塚口九龍城砦』(塚口サンサン劇場にて)

そんな気合の入った参加者を迎える劇場の体制も万全・・・のはずだった。しかし、事前に仕入れていた作品のキーアイテムになる「ハイエイトチョコ」が『映画ドラえもん のび太の絵世界物語』を鑑賞しに来たキッズたちに大好評で、イベント当日を前に売り切れてしまう。

幅広い作品を上映する同劇場らしい、このほっこりエピソードが本編上映前の前説で明かされると、参加者たちも爆笑、拍手喝采だった。

映画を観た人たちならニヤリとしてしまう楽しいしかけが劇場の各所に登場。右上のハイエイトチョコ画像のみ別日に撮影(塚口サンサン劇場にて)

さらに、この日のために劇場が近くの中華料理店に発注したという「叉焼飯」が参加者に大人気。同作を観ると「叉焼飯食べたい!」「龍兄貴に叉焼飯奢られたい!」となるのは当然のこと。

聞くと、参加者のほとんどが「叉焼飯」付チケットを購入していたそう。そんな劇中グルメで腹ごしらえした参加者たちは、元気よく劇場に飛び出していった。

「叉焼飯」で上映に備える参加者たち(塚口サンサン劇場にて)
「叉焼飯」を食べて、元気いっぱい戦いに挑む(塚口サンサン劇場にて)

◆ 劇場に紙吹雪と凧が舞い、龍兄貴のパンチにあわせ一斉にクラッカーが鳴り響く

(塚口サンサン劇場)
初開催となる『塚口九龍城砦』がどんな展開になるのか、緊張しながら作品スタートを決戦の時を待つ…(塚口サンサン劇場にて)

映画がスタートすると、参加者たちは『ダンシング・ヒーロー』にあわせて軽快に鈴を鳴らし、陳洛軍、信一、四仔、十二少の城寨四少はもちろん、大ボス、王九そして各兄貴たち・・・次々登場する個性豊かで最強のキャラクターに大歓声。そして、この映画の象徴的なシーン、陳洛軍と初対面した龍兄貴のパンチのタイミングには、ジャストの間で一斉にクラッカーが鳴り響いた。これは痛快すぎる。

『塚口九龍城砦』(画像提供:関西キネマ倶楽部)
『塚口九龍城砦』上映途中ですでに紙切れまみれに(画像提供:関西キネマ倶楽部)
コスプレ参加者の上にも容赦なく降り注ぎ続ける紙切れ(画像提供:関西キネマ倶楽部)
スクリーンを見つめる王九の上にも、容赦なく降り注ぎ続ける紙切れ(画像提供:関西キネマ倶楽部)

最も盛り上がったのは「盂蘭盆会」のシーン。信一のバイクでの登場に特大の黄色い声援。城寨四少と王九の最終決戦開始とともに、赤、黄、青・・・色とりどりの紙吹雪が絶え間なく降り注ぐ。

本作のマサラ上映は今回が初にも関わらず、作品を完コピしてくる塚口紙吹雪班、恐るべし。

タイトルバックに大量の紙吹雪『塚口九龍城砦』(画像提供:関西キネマ倶楽部)
盛り上がる盂蘭盆会『塚口九龍城砦』(画像提供:関西キネマ倶楽部)
上映後、残されたのはコーラの瓶と大量の紙切れ『塚口九龍城砦』(塚口サンサン劇場)
上映後、残されたのはコーラの瓶と大量の紙切れ『塚口九龍城砦』(塚口サンサン劇場にて)

◆ 今回同劇場で初となった同作のマサラ上映、参加者たちの反応は?

10回以上同作を鑑賞したという参加者は「男同士のアツい友情にグッときますよね。応援したくなるキャラクターばかりで、ひとりで観ても楽しいけど、みんなで一緒に応援するにはぴったりだった」と、マサラ上映を堪能。

手作りのうちわや、ファンアートなど楽しいアイテムを持ち込む人たちが多数(塚口サンサン劇場にて)

上映中大量の紙吹雪を撒いていた参加者は、「インド映画の『RRR』のマサラに慣れていて、香港映画でのマサラははじめてで、ダンスシーンなどもないので、どう準備するか悩みましたね。紙吹雪ももっと撒けるかと思ったんですが…」と言い、準備した紙吹雪を使い切らなかったそうだ。充分に紙吹雪芸を堪能させてもらったと思ったが、もっといけるということか・・・。

確かに同作品のマサラ上映は初開催のため、みんなで探りながら盛り上げる、という雰囲気もあった。まだまだこれから、2回、3回と開催されると、さらに進化する可能性を秘めているかもしれない。

また、途中シーンと静まり返った場面も多かったが、それは完全に参加者たちが作品に夢中になって、その世界に没頭していた、ということだろう。

あのシーンを再現した撮影会がはじまった(画像提供:関西キネマ倶楽部)
あのシーンを再現した撮影会がはじまった(塚口サンサン劇場にて)

同劇場の戸村さんは、「『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』は本当に素晴らしい作品。もともとの香港映画好きだけでなく、『RRR』で爆発的盛り上がりをみせた、インド映画のファンの人たちなんかも夢中になって、繰り返し観ているようです。日本で盛り上がる香港映画は近年少なかったので、この作品をきっかけに、みんなで香港映画を一緒に盛り上げたい」と話す。

映画業界全体にも話がおよび、「本作には、サモ・ハンも出演していますし、『昔、香港映画をよく映画館で観てたな』というような往年の映画ファンは、今残念ながら劇場から足が遠のいているかもしれない。これを機に、ぜひ各地の劇場に帰ってきてもらって、スクリーンで映画を楽しんでほしい」と期待をみせた。

ふたりの王九にはさまれて…どうする大ボス?『塚口九龍城砦』(塚口サンサン劇場にて)
大ボスがおもむろに取り出したのは、汚れた偽造身分証明書だ(塚口サンサン劇場にて)

5月に開催されたポップカルチャーの祭典『大阪コミコン2025』には、同作の出演者のひとり、「阿七(アチャッ)」役を演じたジョゼフ・ラウ氏が登場。配給会社のブースや、同映画ファンたちが企画したギャザリングに現れ、大盛り上がり。ジョゼフ氏の温かい人柄に触れ、「神対応素敵だった」と、感激するファンも多かった。

洋画系コンテンツがメインとなる同イベントにも香港から旋風を巻き起こし、「ここまでの反響を想定していなかった」と、配給会社の担当者も驚く。今後、物語の前日譚、続編も製作されるという話もあり、まだまだ目が離せそうにない。

上映後は参加者たちで記念撮影(画像提供:関西キネマ倶楽部)
上映後は参加者たちで記念撮影、サンクスモニカ!(画像提供:関西キネマ倶楽部)

なお、「塚口サンサン劇場」での『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』の上映は、5月22日・17時~の回で一旦終了を予定している。「こんなに盛り上がれるって、どんな映画だ?」と思った人は、ぜひスクリーンでその理由を体感してほしい。劇場に急げ!

取材・文・写真/Lmaga.jp編集部

  • LINE

関連記事関連記事

あなたにオススメあなたにオススメ

コラボPR

合わせて読みたい合わせて読みたい

関連記事関連記事

コラム

ピックアップ

エルマガジン社の本