松本潤×長澤まさみ×永山瑛太の豪華共演、大阪で舞台が開幕

「正三角関係」舞台写真(撮影:岡本隆史)
■ 日本3都市を巡り…ロンドン公演へ(11月2日更新、ネタバレ有り)
松本潤、長澤まさみ、永山瑛太が3兄弟役を演じて大きな話題となった、NODA・MAPの演劇公演『正三角関係』。10月10日の大阪公演で、国内の大千秋楽を迎えたが、10月31日~11月2日に、演劇の本場・ロンドンでも上演された。世界配信も決定したこの作品を、ロンドン公演の舞台写真を交えながら、ネタバレを気にせずに振りかえってみたい。

日本を代表する劇作家・演出家の1人、野田秀樹の1年ぶりの新作となった本作。ロシアの文豪・ドストエフスキーの大長編小説『カラマーゾフの兄弟』を、日本の花火師・唐松兵頭(竹中直人)とその息子たちの愛憎劇に換骨奪胎した作品だ。松本は職人肌の花火職人の長男・富太郎、永山は優秀な物理学者の次男・威蕃(いわん)、長澤は心優しい聖職者見習いの三男・在良(ありよし)を演じた。

実際に舞台を観た誰もが語りたくてたまらなかったのが、『カラマーゾフの兄弟』の世界を第二次世界大戦中の日本と重ね合わせた、その意図だろう。魔性の女・グルーシェニカ(長澤の妖艶な2役に撃沈した人は多かったはず)を取り合い、三角関係となった父を殺した罪で裁判にかけられた富太郎。実はグルーシェニカが「火薬」の隠語ではないか? という説が出た辺りから、話は花火大会のあとの大気よりもきな臭くなってくる。

富太郎が花火職人の知識を活かし、威蕃にアドバイスをした兵器は、核融合を用いた新型の爆弾であることが判明。そして裁判の証人だったロシア高官の夫人・ウワサスキー(池谷のぶえ)から、ロシア(ソ連)が日本に攻め入るという情報がもたらされる。ソ連の軍事侵攻が開始されたのも、長崎に原子爆弾が落とされたのも、どちらも1945年8月9日。野田が今回ロシアの小説をモチーフにしたのは、すべてこの「運命の8月9日」の因縁を高めるための仕掛けだったと、ここに来て気付かされた。

そして3兄弟の故郷・長崎の空で、原爆が炸裂。その投下地点には「浦上天主堂」があり、在良がそこで亡くなっているのを、難を逃れた富太郎が発見する。原爆は同じ神を信仰する善人をも、容赦なく巻き込んだという不条理感も、原作の主役・アリョーシャを重ねた在良の存在によって、より深く胸に染み込んできた。野田は長崎出身ということもあり、過去にも長崎の原爆をしばしばモチーフにしてきたが、現実にロシアが戦争を起こしている今、この惨禍を改めて世界に思い出させ、知らしめねばならないという気迫が、いっそう強く伝わってくる。
そして野田作品の主人公は、ここで起こった悲劇の証人となり、未来に希望を託しながらバトンを渡すという役割を担うことが多い。この物語もまた、人々が一斉に空を見上げるとき、そこで炸裂するのが爆弾ではなく、美しい大輪の花火であることを祈る松本の言葉で締めくくられる。野田に託された思いを客席に、そして劇場の外にある世界に向けて切実に訴えかける凛とした姿は、まさに本作の座長にふさわしいものだった。

ロンドン公演はわずか3日間だったが、この物語のメッセージをイギリスの観客たちがしっかりと受け止め、世界に広く伝えてくれることを祈らずにはいられない。
そして残念ながら劇場では観られなかったという人も、あるいは舞台の感動をもう一度噛みしめたいという人も、ぜひ配信で観てみよう。配信されるのは東京公演収録映像で、英語・中国語(繁体中文)の字幕に対応。配信期間は12月2日・昼12時~2025年1月14日・夜11時59分。料金は3300円で、11月25日から発売開始。
文/吉永美和子
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