路上で吸えない大阪市「歩き煙草なくすが喫煙者の権利守る」

2023.6.24 07:30

路上喫煙禁止地区に掲出されている注意書き(6月22日・大阪市内)

(写真2枚)

2025年1月に市内全域での路上喫煙禁止を予定している大阪市。6月22日の定例会見で横山英幸市長は、「受動喫煙と歩き煙草はなくしていくが、喫煙者の権利も守らなければ。指定喫煙所120カ所を目標に設置を積み重ねる」と説明した。

市は2022年9月に『大阪市路上喫煙の防止に関する条例』を改正。路上喫煙禁止地区内(※)では、喫煙所付近であっても、喫煙所の外で喫煙している場合に1000円の過料が課されることになった。

結果、2022年度の過料は4225件で、2023年度はすでに322件(4月時点)。市内全域が路上喫煙禁止になれば主な道路でこの過料が発生するため、市ではこれを回避できる指定喫煙所を2024年度までに120カ所増やすのが目標だ。

120カ所の内80カ所は市が新設し、残り40カ所は民間などへの補助金によって設営予定。整備費用最大2000万円のほか、管理費最大144万円/年が補助されるなどで、担当課によると申請受付開始の4月末から想定の2~3倍にあたる40~50件の相談があり、目標達成に向け順調に進められているという。

自身は喫煙しないという横山市長は、「都市部において十分な敷地が整備できない可能性が大きく、民間と協力して喫煙所を設置していくことが大切。簡単に準備できるわけではないが、環境にも配慮しながら路上喫煙、受動喫煙をなくす取り組みをひとつずつ積み重ねていく」と意気込んだ。

※大阪市の路上喫煙禁止地区(2023年6月現在):御堂筋及び大阪市役所・中央公会堂・こども本の森中之島周辺地域、堂島公園の一部及び周辺地域、中央区戎橋筋・心斎橋筋地域、長堀通り地域、都島区京橋地域、天王寺区・阿倍野区天王寺駅周辺地域、北区JR大阪駅・阪急大阪梅田駅周辺地域

取材・文・写真/岡田由佳子

  • LINE
  • お気に入り

関連記事関連記事

あなたにオススメあなたにオススメ

コラボPR

合わせて読みたい合わせて読みたい

関連記事関連記事

コラム

ピックアップ

エルマガジン社の本