「思い出の価格と比較しないで」大阪のたこ焼き屋、苦悩を吐露

苦悩のツイートをした「たこ焼 たこば」(大阪市東淀川区)の店主・島田良太さん
街なかのお店でたこ焼きを買う場合、今はいくらくらいを想像するだろうか? 先日、大阪のたこ焼き屋が悩みを綴ったこんなツイートが話題となった。
「【お願い】昭和が終わって35年経ちました。にも関わらず価格を見て『たこ焼きいうたら8個で100円ぐらいやろ!』『2、3個オマケで多く入れとけや』という人が来ます」
「若いスタッフはその時代を知りません。無許可営業の店が氾濫した時代は終わりました。家賃を払い、従業員を雇い、税金を納める以上は激安価格は不可能です。我々にも生活はあります。たこ焼きで家族を養ってるんです。無茶苦茶なこと言わないでください」(原文ママ)
この切実な思いをツイートしたのは、大阪・東淀川区にある「たこ焼き たこば」の店主・島田良太さん。これまでも月に2〜3回ほど、高齢者にそういった内容の言葉を投げられていたそうだ(同店のたこ焼は6個で460円、8個で610円〜)。

■「昭和の時代とは物価も法律も変わっている」
「現在の60代以上の人たちの感覚では、たこ焼きは激安のものという感覚だと思います。それこそツイートしたように8個で100円くらい。そういったお店がその価格で提供できたのは物価が安かったことはもちろんですが、無許可営業をしていたからというのもひとつです」と島田さん。
無許可営業は勝手に道端で販売しているため、家賃はおろか、納税もしていない。そのため、許可を得て営業している店よりも安価で販売ができる仕組みだ。「大阪城公園」(大阪市中央区)で長年営業していたたこ焼き店が所得税法違反罪で摘発されたが、これも無許可営業だったと報道されていた。
「確かに許可を得て、激安でたこ焼きを販売しているお店もあります。YouTuber やTikTokerの投稿などを見て、知っている方も多いと思います。でも、それらのお店はほかの事業をされているなどの理由から、その価格を維持できているんです。普通のお店では不可能なことです。昭和とは物価も法律も変わっています。なにより、その時代を知らない10代のアルバイトの子にキレるのはやめて欲しいです」。

そして、「思い出の価格と味をずっと提供できるのが、お客さまにとってはうれしいことだとは思います。でも、同じ価格を続けるのは不可能。味は比べてもらってかまいませんが、価格はやめてください。昭和が終わって35年経つんです」と切実な思いを話す。
値上げは消費者だけでなく、事業者にも大きく関与し、時代の流れとともに値上げをしなければ経営を維持できないのが現実だ。好きな店、真っ当に商売をしている人を守るためにも、私たちは利用することで事業者を応援し続けたい。
取材・文・写真/野村真帆
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