藤間爽子、日本舞踊家から女優になったワケ「自信がなかった」

2023.6.8 09:00

日本舞踊家、女優として活躍する藤間爽子

(写真7枚)

幼少より祖母・初世家元藤間紫に師事し、2021年に三代目家元を襲名。日本舞踊家として活動しつつ、劇団「阿佐ヶ谷スパイダース」にも所属する女優・藤間爽子(ふじま・さわこ)。2022年のテレビドラマ『silent』(フジテレビ系)ではヒロインの親友役を演じ、その好演も話題となった。

2023年度後期の連続テレビ小説『ブギウギ』にもヒロイン鈴子の幼なじみ役で出演が決まるなど、まさに二足のわらじを地でいく活躍を見せている彼女。ムロツヨシ主演、宮沢氷魚共演の連続ドラマW−30『ドラフトキング』(WOWOW)でフリーライター・美嶋瞳を演じる彼女に話を訊いた。

取材・文/華崎陽子 写真/木村正史

■「私よりも周りがとにかく興奮(笑)」(藤間)

──未来のスター選手獲得に奮闘するプロ球団の剛腕スカウトを主人公に、スポーツの裏側の熾烈な争いと濃厚な人間ドラマを描いた作品ですが、藤間さんは元々野球の知識はあったのでしょうか?

全然知りませんでした(苦笑)。今回、私は「野球を知らない人」代表だと思って参加しました。ムロさんも氷魚くんもそうですが、キャストもスタッフもみなさん野球が大好きで、本気でやってきた方ばかりなんです。なので、お話をいただいたときは、野球を全然知らないのに大丈夫かな? と思いました。

──なんとなくルールは知っていても、ドラフト(新人選手選択会議)のことまではさすがに・・・ですよね。

基本的なことは知っていましたが、ドラフトというコアな知識までは知らなかったので、いちから勉強しようと野球に詳しい友だちに教えてもらって、実際に神宮球場や東京ドームにも足を運びました。

連続ドラマW-30『ドラフトキング』(WOWOW)(C)クロマツテツロウ/集英社 (C)WOWOW

──野球の知識があまりなくても原作やドラマを楽しむことはできましたか?

この作品は野球が題材のドラマですが、野球のことだけでなく、その裏側の人間模様を描いているので、野球を知らない私でも置いてけぼりにされずに原作も楽しめました。

──劇中に逐一、専門用語の説明が入っているのはわかりやすいと思いました。

そうですよね、私もいいと思いました。どうしても専門用語は難しかったので、詳しい友だちにイントネーションなども教えてもらいました。例えば「ドライチ」とか。スピードガンも最初はなにを持ってるんだろう?って。新しいことをたくさん知ることができた現場でしたね。

──そんな「野球を知らない人」代表の藤間さんが、阪神甲子園球場で伝統の一戦と言われる阪神VS巨人戦の始球式(5月27日)に登壇されたんですね。

そうなんですよ。この日のために、初めてグローブをつけて練習しました。撮影ではスタンドから球場を見てましたが、グラウンドからの風景はまた違って、始球式は本当に楽しかったです。

始球式に登場した藤間爽子(5月27日・阪神甲子園球場)(C)J:COM 超速ネット光デー

──伝統の一戦だけに、周囲からは羨ましがられたんじゃないですか。

野球好きの友だちは、「これってすごいことだからね! 覚悟して行ってきて!」と熱弁されましたし、私よりも周りがとにかく興奮してました(笑)。

──藤間さんの周りには野球好きの方も多そうですが、本作にはどのような反響がありましたか?

「毎話泣ける」とか、「最後の1話はもったいなくて見られない」と言う友だちもいます。漫画のポップな感じもありながら真面目に野球のことを描いていて、心地いいぐらいスピーディに物語が進んでいくので、野球を知らない方も楽しめる作品だと思います。

──役者さんたちによる野球のシーンはすごく本格的に感じました。

実際にプロ野球を目指していた方たちがキャスティングされているのも見どころのひとつだと思います。もう、掛け声がリアルなんです。台本にない声なので、そこにすごく感動しました。氷魚くんも野球の経験があるので、ユニフォームの着方で経験者かどうかわかると言っていました。私はどこが違うの!? と思ってましたけど(笑)。

──現場も部室みたいな感じだったんじゃないですか。

監督も野球の監督みたいでした。実に男らしい現場でしたね。

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