武田があの悲劇の黒幕に?三河狙う勝頼の初仕事にSNS騒然【どうする家康】

2023.5.27 13:45

不動明王像を前に座禅を組む武田勝頼(眞栄田郷敦) (C)NHK

(写真3枚)

松本潤が徳川家康を演じ、その厳しい選択だらけの人生を描きだす大河ドラマ『どうする家康』(NHK)。5月21日の第19回『お手付きしてどうする!』では、徳川家の小さなお家騒動と並んで、織田信長による将軍の追放や、武田信玄の退場など、戦国の大局を感じさせる出来事も描かれた(以下、ネタバレあり)。

■ どうする家康、勝頼が三河を狙う

三方ヶ原で家康を叩きのめした武田信玄(阿部寛)は息子・勝頼(眞栄田郷敦)に、自分の死を3年間隠すことと「わしのまねをするな。そなたの世を作れ」と言い残して絶命。しかし信玄の遺志に反して、その死はまたたくまに全国に広がり、なかでも織田信長(岡田准一)はこれを期に、反対勢力を一気に駆逐していく。

木陰に腰掛ける武田信玄(阿部寛)(C)NHK
木陰に腰掛ける武田信玄(阿部寛)(C)NHK

まずは信玄に付くべく信長と手を切っていた、将軍・足利義昭(古田新太)を京から追放。長らく敵対していた浅井長政(大貫勇輔)は、木下藤吉郎改め羽柴秀吉(ムロツヨシ)によって自害に追いやられ、長政の正室となっていた信長の妹・市(北川景子)は3人の娘とともに秀吉に保護された。

そして信玄の跡を継いだ勝頼は、その第一歩として、三河を手に入れると宣言。家康の長男で、現在岡崎城を守っている信康(細田佳央太)と、その母である「築山殿」こと瀬名(有村架純)を調略するため、信玄も重宝していた歩き巫女・千代(古川琴音)に、三河へ向かうよう命じる・・・。

■ 信玄の死、秀吉の出世…歴史的大きな動き

家康がタイトル通り「お手付き」して徳川家がプチ騒動となっている一方で、歴史的には大きな動きを見せていた第19回。やはり視聴者が時代の変化を一番感じたのは、家康にとっては生涯越えられない大きな壁となった、武田信玄の死だろう。

桜の花と琵琶法師(友吉鶴心)の幽玄なる語りに送られるという美しい臨終に、「信玄、この世の息を吐ききって逝った。阿部信玄にふさわしい、絵のように美しい最期だった」「武田信玄をどこまでも強大な敵として見せてくれた阿部寛さんに感謝。本当に格好良い信玄だった」などの追悼の言葉が寄せられた。

一方勢いづいた信長は、義昭の配下だった明智光秀(酒向芳)を味方につけたり、宿敵となっていた浅井長政を倒したりと、天下一統に着々と近づく様を見せた。そのなかでも、秀吉が市になれなれしく触ろうとしたり、長女と思われる娘を抱っこして連れて行く姿は、今後の市&浅井三姉妹の運命を考えると、なかなか恐ろしい構図だった。

SNSでも、「お市さまに触れられなかったから娘(茶々)を抱き上げる秀吉。うわぁあ超キッモい(褒めてます)」「ムロツヨシ秀吉の、明らかにヤバい人間なのに着実に仕事をこなし出世を重ねていく演技、絶妙ですごいな」「大河ドラマ史上、ここまで『キモいロリコン猿!』と思わせる秀吉はいなかったのでは」などの、罵倒の形の賞賛の言葉が並んだ。

■ 築山事件、マジで武田を黒幕にするのか

そしてもうひとつ気になるのが、新しい武田家当主となった勝頼が、さっそく「そなたの代に遺していく」と言われた大仕事「家康を完全にぶっ潰す」を実行に移したこと。しかもその原因や真相が諸説ある「築山事件」が、マジで武田が黒幕だったという方向で行くのか! と、いろんな意味で震え上がった視聴者は少なくなかっただろう。

父・信玄の意志を継ぎ、三河を手に入れると宣言する武田勝頼(眞栄田郷敦) (C)NHK
父・信玄の意志を継ぎ、三河を手に入れると宣言する武田勝頼(眞栄田郷敦) (C)NHK

ネット上でも、「えっ勝頼、信康と瀬名の居る三河に来るの!? あかん」「勝頼どのがアップを始めました」「三河を手に入れる前に岡崎の調略から入ろうとするあたり、立派な後継者ですよ、信玄の!」「瀬名さんと信康くんに千代がどんな罠を仕掛けるのかな・・・嫌だよ~」「チーム家康! 油断できぬぞ!」などの声が並んだ。

これまでの同時期が舞台の大河ドラマ『真田丸』(2016年)や『おんな城主直虎』(2017年)では、信玄没後の武田家は割とあっさり滅亡してしまう感じだった。しかし『どう家』では、鳥居強右衛門(岡崎体育)の逸話をガッツリ描くのが予想されることもかんがみると、かなりの粘りを見せてくれそうだ。まずは次回以降、家康&瀬名にとってはどんなヒール的な立ち位置となるのか、期待しておこう。

『どうする家康』は、NHK総合で日曜・夜8時から、BSプレミアムでは夕方6時からスタート(BS4Kは昼12時15分から先行放送あり)。5月28日の第20回『岡崎クーデター』では、信康が武田と激しい攻防を繰り広げるなかで、彼が守る岡崎を内部から崩壊させかねない、ある企てが進められていくさまが描かれる。

文/吉永美和子

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