吉本新喜劇のアキが５月２日、共に新座長となった吉田裕とともに『新座長お披露目公演』を上演。公演冒頭の口上から新喜劇の上演、その後の囲み取材と慌ただしいなかで新座長としての第一歩を踏み出した。

「なんばグランド花月」（大阪市中央区）でおこなわれた同公演では、無言でジェスチャーのみのお決まりの登場シーンから、独特の緩い空気感でのボケ、おなじみのギャグ「いぃよぉ～」の連発、さらにマイケル・ジャクソンの「Ｂａｄ」に合わせてキレキレのダンスからムーンウォークも披露。会場は拍手笑いの渦となり、その実力と昨年８月の『吉本新喜劇座員総選挙』で１位に輝く人気の高さが相まって華やかな公演となった。

公演後には、「出てきてずっと黙ってるシーン。あの静かなときにいろんなことを考えているんですが、今日はお客さんの温かい雰囲気が伝わってきて、一気にスイッチが入りました。（吉田）裕くんとは過去に何度も舞台でリーダー週をやらせていただいていたので、いつものリズムで、最初から楽しくできました」と、お披露目公演ながら冷静に公演を分析。

その後も「先輩方が作って守ってこられた伝統ある新喜劇の歴史を引き継いで、ひとつ１つ大切に舞台を踏んでいきたいと思っています。そしてその魂を受け継いで新しいものに挑戦していきたい」と落ち着いて語るなど、新座長ながら芸歴３５年のベテランらしい風格を見せた。

取材・文・写真／上地智