海宝直人「自分に近い役だと、客観的に見れなくなってしまう」

2023.5.28 20:15

音楽劇『ダ・ポンテ~モーツァルトの影に隠れたもう一人の天才~』で主演をつとめる海宝直人(4月・大阪市内)

(写真2枚)

『レ・ミゼラブル』『ミス・サイゴン』など、数々の名作ミュージカルの舞台に出演する俳優・海宝直人が、音楽劇『ダ・ポンテ~モーツァルトの影に隠れたもう一人の天才~』に、主役で出演。海宝の取材会が大阪市内でおこなわれ、知られざる天才を演じる意欲を語った。

■ 役どころは「すごくタイミングを逸し続けた人」

モーツァルト作曲のオペラ『フィガロの結婚』『ドン・ジョヴァンニ』などの台本を書いたものの、モーツァルトほどの知名度を得られなかったイタリア人作家のダ・ポンテ。本作では、彼がモーツァルトとタッグを組んだ、はなばなしくも短い4年間を中心に、その不遇ながらもエネルギッシュな人生を、コミカルさを前面に出して描いていく。

海宝はダ・ポンテを「(暮らしていた)ロンドンを出ていった途端、彼とモーツァルトのオペラがロンドンで上演されるとか、すごくタイミングを逸し続けた人」と評しつつも「アメリカでホールを作ろうとするとか、80歳まであきらめずにチャレンジし続けていて、すごく人生を味わいつくしたという感じもします」と、そのガッツに魅せられたよう。

■ 共通する部分は「好きなことを一途に追い続けるところ」

また、女好きで山師的なところがあるポンテは「自分とは遠い役」と言うが、むしろその方が役にアプローチしやすい、という話も。

音楽劇『ダ・ポンテ~モーツァルトの影に隠れたもう一人の天才~』で主演をつとめる海宝直人(4月・大阪市内)

「あまりにも自分に近い役だと、客観的に見れなくなって『これでいいのか?』と思ってしまう。むしろ遠い(キャラの)方が俯瞰して、転がしていけます」と明かしつつも「好きなことを一途に追い続けるところは、僕と共通する部分。でもポンテと違って、僕はすごくいいタイミングで、いい人と出会ってきたなと思います」と、やはり自分とは真逆のキャラであることを語った。

海宝以外には、モーツァルト役で平間壮一、サリエリ役で相葉裕樹などが出演。6月の東京公演を経て、大阪は7月20~24日に「新歌舞伎座」(大阪市天王寺区)で上演される。チケットはS席1万2500円、A席6500円ほか(現在販売中)。

取材・文/吉永美和子

音楽劇『ダ・ポンテ ~モーツァルトの影に隠れたもう一人の天才~』

会場:新歌舞伎座(大阪府大阪市天王寺区上本町6-5-13 YUFURA6階)
期間:7月20日(木) 〜 24日(月)
料金:S席(1・2階)1万2500円、A席(3階)6500円、特別席1万3500円

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