4倍・380万円のガス代に悲鳴、大阪・貝塚市の銭湯「震えた」

2023.3.1 07:15

地域密着型として地元の人々から愛され続ける「天然温泉 清児の湯」(大阪府貝塚市)

(写真2枚)

電気代とガス代の値上げで大打撃を受けている家庭も多いだろう。そんななか大きな影響を受けているのが、街の銭湯だ。「ガス代の明細を見て手が震えました。断腸の思いであるサウナ時短営業を実施してもこの値段・・・何をどうすればいいのか・・・助けてください」(原文ママ)という請求書の写真付き投稿が、ツイッターで話題となった。

■ 請求額380万円・・・公衆浴場もガス高騰に打撃

投稿したのは、大阪府貝塚市にある銭湯「天然温泉 清児(せちご)の湯」。地元では「せち湯」の愛称で親しまれ、20年以上に渡って地元の人々から愛されている。そんな同店がSNSにアップし、「これはヤバい」「なんとかならないのかな」「潰れるの嫌や」など、多くの人に衝撃を与えた請求書の請求額はなんと380万円。かなりの高額だ。

同店の店長によると、「2021年はガスの単価が1立方メートルあたり50円、2022年は100円、そして今年は150円と、この3年で毎年50円ずつ上がっています。特に冬の間の約3カ月は1番多くガスを使用する時期で使用量が多い。一昨年が100万円台、昨年が200万円台。今年はサウナの時短営業をするなどして節約をして使用量が減っているのに、請求は380万円を超えており、驚きました」と、ガス代の変化を話す。

そして同店はスーパー銭湯や健康ランドとは異なり、入浴料金の上限が都道府県知事に指定されている「公衆浴場」。現在、大阪府では上限490円と決められており、自身の判断で値上げなどの対策ができないのが現状だ。

■ 私たち消費者にできることは何なのか?

現在、日本全国には1865軒(※全国浴場組合より)の銭湯があり、それらは今回話題となった同店のように光熱費の値上げにより苦境を強いられていることが容易に想像できる。

「来てもらえるだけで、ありがたいしうれしいです。うちだけじゃなくて、みなさんの街にある銭湯に行ってもらえるとありがたい。そして、もし可能であれば湯上がりにジュースの1本でも買って飲んでもらえたら」。年々減少している銭湯を守るためにも、私たち消費者はできることから貢献していきたい。

「天然温泉 清児の湯」の営業時間は昼12時から翌朝9時(土日祝は24時間営業/年中無休)。サウナや塩サウナ、露天風呂など楽しめて490円。

取材・文/野村真帆

「天然温泉 清児の湯」

住所:大阪府貝塚市清児583
営業:12:00~翌朝9:00(最終受付8:15)※土日祝は24時間営業
料金:大人(中学生以上)490円、小学生200円、乳幼児100円
※リンスインシャンプー・ボディソープ有、ドライヤー無料

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