舞いあがれ!第20週振りかえり・伝えたい思い

2023.2.17 08:15

向かい合った窓から話をする舞(福原遥)と貴司(赤楚衛二)(C)NHK

(写真5枚)

東大阪の町工場で生まれ育ったヒロインが、周囲の人々との交流を通して成長していく姿を描く連続テレビ小説『舞いあがれ!』(NHK朝ドラ)。2月18日は、「伝えたい思い」と題する第20週(2月13日〜17日放送)を振りかえる。

ヒロイン・舞(福原遥)は、幼なじみの貴司(赤楚衛二)への想いを自覚しながらも、大切な存在であるがゆえに今の関係性を壊したくない気持ちと葛藤していた。出勤の支度中、親友の久留美(山下美月)に打ち明けた自分の本心を思い返すも、舞はそれを振り切るように仕事へと向かう。

その日、舞たちがお好み焼き屋「うめづ」で昼食をとっていると、たまたま居合わせた新聞記者の御園純(山口紗弥加)と知り合う。御園は、舞の母・めぐみ(永作博美)が社長として会社を母娘で立て直した話に興味を抱く。

舞やめぐみたちは御園のパワフルさに気圧され、急遽「IWAKURA」は取材を受けることになる。そのまま工場を訪れた御園は、ネジの製造に携わる土屋(二宮星)をはじめとする女性従業員たちを中心にインタビューをするなど、積極的に取材をおこなう。

土屋(右、二宮星)にインタビューをする御園(左、山口紗弥加)(C)NHK

その一方で、貴司は歌集の出版に向けて新作の短歌を作ろうとするも、なかなか思うような短歌が詠めずに悩んでいた。そこへ貴司のファンである史子(八木莉可子)が、貴司が営む古本屋「デラシネ」へ差し入れを持って訪れる。休憩がてら、史子は家庭環境が原因で孤独を抱えてきた過去を貴司に明かし、そんな時に出会った貴司の短歌に自分と同じ孤独を感じたのだと打ち明ける。

その最中、舞が物産展のお土産を渡しに「デラシネ」を訪れる。舞はわずかに出来上がったという貴司の短歌を読ませてもらうが、その間へ史子が割って入る。史子から、貴司の短歌に舞が知らない「本歌取り」という技法が使われていることの指摘や、「分からへんのもしゃあないです。梅津先生と私には共通の知識があったから読み取れたことで」という言葉を受け、短歌に造詣が深くない舞はいたたまれずに早々に店を立ち去る。

すると、舞の忘れ物を届けにきた史子が後から追ってくる。史子は、歌人として大事な局面にいる貴司を自分が支えたいと思っていることを舞に告げ、「そやから先生のそばにおること、悪く思わんといてくださいね」と、意味深な言葉を口にするのだった。

舞(福原遥)にあることを言う史子(八木莉可子)(C)NHK

舞は、史子との出来事を、親友の久留美(山下美月)との夕食の場で打ち明ける。貴司の力になりたい舞だが、短歌に詳しくない自分には今できることはなにもないと感じていた。それに対して久留美は、舞は貴司に対して自分ができることを探すように促し、それがいつもの舞らしさだと励ますのだった。

そのころ、貴司は歌集のために新たに作った10首の短歌を、担当編集者のリュー北條(川島潤哉)に見せるも、「これではダメだ」と厳しく批評されてしまう。夜になって再び貴司のもとへ現れた北條は、「梅津さんなんか伝えることを諦めている気がするんだよね」「狭い世界での自己満足の歌はもういらない。1人でも多くの人間に伝わる歌を書いてほしい」と今一度貴司を説得する。

さらには北條が批評するたびに貴司をかばおうとする史子の姿を見かねて、「自分好みのきれいな短歌だけ書いててほしいんでしょ。美しいソプラノを聞きたいがために少年の成長を止めるような残酷さを感じるね」とたしなめる。そして北條は、情熱的な感情を表現する恋の短歌、いわゆる「相聞歌」を詠むように貴司へ求めるのだった。

貴司(赤楚衛二)にある提案をするリュー北條(川島潤哉)(C)NHK

ほどなくして、御園が「IWAKURA」を取材した記事が新聞に載る。早速記事を読む舞たちだったが、記事は女性従業員に焦点を当てており、男性従業員のことについては触れられていないことに対する声も社内から聞こえてくる。男女関係なく、従業員全員でこれまで工場を支え合ってきたと感じる舞が御園にそのことを伝えると、そういった町工場の魅力をブログなどで発信することを提案される。そこで舞は、職人たちの思いを記事にしてブログを作成することを決める。

一方で貴司も、新聞に掲載された舞たちの記事を目にして喜んでいた。しかしそれも束の間、北條から「相聞歌」を詠むように課されたことで、貴司の気持ちはすっかり滅入ってしまっていた。

そんな貴司を心配する舞は、様子を見に古本屋「デラシネ」を訪れたものの、「デラシネ」で貴司の世話を焼く史子からはプレッシャーをかけないよう告げられる。さらには、「先生と私は同じくらい深い孤独を抱えてるんやと思います。そやから、お互いの言葉に癒やされる」と、史子は舞に対して貴司への思いを語るのだった。

史子の言動に影響を受け、貴司への思いに蓋をすることを決める舞だが、その矢先にたまたま隣家に住む貴司と窓越しに遭遇する。新作づくりに苦悩する貴司を目にすると、初めて貴司が作った短歌の思い出を語り、「私、貴司くんの短歌好きやで」と励ます。

しかし、その後も貴司は北條から課された恋の歌をひとつも詠めずにいた。その事を史子から聞いた北條は驚きながらも、「梅津さん、これまで恋の歌作ったことないもんね」と返す。しかし史子はそれを否定する。史子はこれまで貴司が詠んだ三百首の短歌のなかにひとつだけ、わかりづらくはあるが恋の歌があることに気づいていたのだ。それは、かつて貴司が舞に送った短歌で・・・。

本作は、空を飛ぶことに憧れるヒロインが、飛行機への情熱を燃やす仲間たちと夢を叶えていく、挫折と再生の物語。放送は、NHK総合で朝8時から、またBSプレミアム・BS4Kでは朝7時半からスタート。土曜日はその週の振りかえり。

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