「みかえり兎」に願掛ける、京都・宇治神社の「うさぎ参り」とは

2023.1.17 07:15

実はうさぎと縁が深い「宇治神社」

(写真7枚)

お正月を過ぎても、一般的に1月後半までは可能だという初詣。高級抹茶の産地や『源氏物語』の舞台として知られる京都・宇治市が実は、2023年の干支・うさぎと縁が深い土地であることをご存知だろうか? 今年の初詣がまだという人にもぴったりな「宇治神社」(京都府宇治市)を訪れ、話を訊いてみた。

■宇治の「う」は、ウサギの「菟」

「宇治という地名は、一説には『うさぎの道=菟道』が由来だとされているんです」と話すのは、宇治神社の禰宜・花房正典さん。

ご祭神「菟道稚郎子命(うじのわきいらつこのみこと)」が大阪・河内から宇治に向かう道中に迷っていたところを一羽のうさぎが振りかえりながら案内した、という言い伝えから「菟道(うじ)」という地名がついたとされており、その名残として宇治市内の一部の地域には現在も「莵道(とどう)」という地名も残っている。

■宇治神社特有のお参り方法「うさぎさん参り」

そんな故事がある宇治神社には、「うさぎさん参り」と呼ばれる特別な参拝方法が。まず「うさぎ絵馬」に願いを書いて、本殿正面で「みかえりうさぎ」を通してお参りする。その後、絵馬を持ちながら本殿を時計まわりに3周し、その間に3つのうさぎの置物に出合えると、絵馬に書いた願い以上のご利益を授かれるのだという。

しかしこの「うさぎさん参り」、ネット上では「あとひとつが見つからない」「難しすぎる」といった声が散見されるなど、なかなかの難易度のよう・・・。花房さんに尋ねたところ、「このお参りは、本殿の正面と後ろで3回ずつ祈る京都の「お千度参り」が元になっています。

宝探しのように単にうさぎさんを探すのではなく、絵馬に書いたお願いを神様にお届けしてご加護をいただくという意味を理解してくだされば、きちんと見つかるはずですよ」との助言をいただけた(見つけられなくても、本殿左側の建物で答えが確認できる)。

どの「うさぎ絵馬」を選んでも、うさぎさん参りは可能

■ここだけで出合える、「みかえり兎みくじ」

ほかにも境内の各所では、たくさんのうさぎに出合うことができる。躍動感のあるうさぎが手水舎でお出迎えしてくれるほか、みかえり兎をモチーフとした御朱印やおみくじを授けてもらうことも可能だ。

花房さんは、「うさぎに縁のある寺社は多いですが、「みかえり兎」に会えるのは宇治神社だけです。また2023年は、宇治神社の創祀1710年と卯年が重なる年なんです。この特別な意味合いを持つ年に、楽しみながら、神様にお祈りしていただければうれしいです」と話す。

さっそく、「みかえり兎」に2023年の正しい道や良縁への導きをお祈りしてみては。宇治神社は、京阪宇治線「宇治駅」徒歩約9分。参拝・拝観は自由だが、祈祷は16時までの受付となっている。

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