現在放送中の大河ドラマ『鎌倉殿の１３人』（ＮＨＫ）が１０月２５日、およそ１年５カ月にわたる撮影を終了。２０２１年６月のクランクインから主人公・北条義時を演じきった小栗旬がコメントを寄せた。

鎌倉幕府二代執権となる北条義時を主人公とし、野心とは無縁だった若者が、いかにして武士の頂点に上り詰めたのかを描く同作。クランクアップ後、小栗は「今はまだ終わった実感がないというのが本音です。これだけ時間をかけて『一人の人物を生き抜く』ということをさせてもらえたことは本当にすごい財産で、今後の自分にとって糧になる経験でした」と振りかえる。

また「途中からは、芝居について『ここはどうしようかな』と考えることが減っていって、『自分の歩んできた義時だったらこうするだろうな』ということを、ただただ淡々とやってきたという感じです。それを最後の最後まで、みんなに撮りきってもらい、今現在は悔いが残っていないというところまで来られたことは、俳優として大きな喜びです。そういう現場を過ごしてきて、今、こういう自分がいるという状態ですので、それを最後まで見届けていただけたら幸いです」と、視聴者に向けて呼びかけた。

制作統括の清水拓哉氏は、「三谷幸喜さんと面白い大河を作ると決めてから、やるべきことを１個１個丁寧に考えてやってきました。小栗旬さんをはじめとして最高にして最愛のキャストとスタッフが集まり、こんなに熱烈な反響をいただいていること、心の底からうれしく思います」とコメント。

そして「小栗さん最後の撮影となった最終回のラストシーン。もはや小栗旬ではない北条義時の、手負いの獣のような姿に、見ていて窒息しそうになりました。『もう政子になれないのが悲しい』小池栄子さんはそう言って泣きました。スタッフみんなも泣きました。誰一人クランクアップしたくない作品でした。退場していった者たちの思いを胸に、残された者たちが最後まで鎌倉で命を燃やします。最終章、ぜひお楽しみに」と語った。

最終回（第４８回）の放送は１２月１８日。ついに武士の頂点に立った義時が、朝廷との最後の戦いに挑む。