「カワイイ文化の生みの親」と称されるマルチクリエイターの展覧会『Ｒｏｏｔｓ ｏｆ Ｋａｗａｉｉ 内藤ルネ展 生誕９０周年特別展』が１０月１９日より「阪神梅田本店」（大阪市北区）でスタート。会場内はすべて写真撮影ができ、初日から若い女性客らが楽しむ姿が見られた。

１９５０～６０年代に少女雑誌『ジュニアそれいゆ』の表紙・挿絵を担当し、数々のブームを起こした内藤ルネ（１９３２～２００７年）。これまでの美少女観を一転させる「デフォルメした大きな目」の少女画をはじめ、付録、ファンシーグッズなど独自の美意識で「カワイイ」を具現化し、少女たちの心を虜に。近年の「昭和レトロ」ブームでコラボ商品が続々と発売され、現代の若者からも再注目されているという。

同百貨店のみで開催される特別展では、初出展作品を含む約３００点が集結。ビビッドな色使いで少女が描かれた当時の現物雑誌や復刻原画ほか、「ルネガール」人形も登場し、フォトセッションも楽しめる内容に。また、彼の企画力により雑誌の売り上げがあがったという付録コーナーには、レターセットなどの懐かしいグッズが並び、幅広い世代の乙女心に刺さりそうだ。

さらに、日本で「パンダブーム」が起こる前の１９７１年に創出し、瞬く間に人気となったキャラクター「ルネパンダ」の原画やグッズ、イラストレーターの域を超えて製造企画した食器や雑貨なども展示され、細やかなデザイン指示書からはものづくりへのこだわりが感じられる。

同百貨店の担当者は見どころについて、「展示後半では和の要素が入ったジャパネスクの女性画や男性同性愛者の雑誌『薔薇族』のための男性画など、ガラッと雰囲気が異なる作品も鑑賞でき、まさに内藤ルネさんの美的感覚を網羅したような内容」と話す。

入場者以外も購入ができるグッズ売場では、キャンディショップ「パパブブレ」とコラボしたシール＆キャンディ入りの「ルネガール缶」（６１０円）や生誕９０周年記念の雑貨セット（３８５０円～）などが販売される。「阪神梅田本店」８階催事場で１０月３１日まで開催、料金は一般１０００円ほか。

取材・文・写真／塩屋薫

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