岡田准一と3度目のタッグ、原田監督「突出した才能の持ち主」

2022.9.16 22:30

俳優・岡田准一と3度目タッグ、映画『ヘルドッグス』の原田眞人監督

(写真6枚)

「大事なのはキャッチボール」(原田監督)

──実は、岡田さん演じる主人公とMIYAVIさん演じるボスが本質的に同じタイプの人間であることを示すのに、2人が違うシーンでJ・フレイザーの「金枝篇」に載っている詩の一説を口ずさむという手法がとられてます。

そうですね。「金枝篇」はコッポラ監督の『地獄の黙示録』(1979年)のなかで、マーロン・ブランド演じるカーツ大佐の愛読書として登場していて、僕なりのオマージュですね。また「金枝篇」にはターナーの絵画が挿し絵として使われているので、美術愛好家でもあるMIYAVI演じるボスの部屋の絵画も当然ターナーだろうとなりました。

東鞘会最高幹部・土岐(北村一輝)と、その愛人・吉佐恵美裏(松岡茉優) (C)2022「ヘルドッグス」製作委員会

──3人の美しすぎる男たちに対抗して存在感を放っているのが、東鞘会最高幹部・土岐(北村一輝)の愛人役の松岡茉優さんですね。

彼女も勘のいい、見識の高い役者さんですね。役柄をよく読み込んできて、自分が演じるこういう女性なら髪の色はこうした方がいいんじゃないかって提案してくれて。劇中での髪色は彼女のアイデアです。

──監督は、現場で役者さんから出てきた意見はよく聞かれる方ですか?

聞きますね。役柄をよく理解した提案が多いですから。こちらからも「言いにくいセリフとかあったら言って」とか言いますし。現場ですぐに変えます。そうした方が生き生きとした現場になるので。役者さんは高い見識を持っている人がいいですね。大事なのは意見を出し合うキャッチボールなんです。互いに刺激を与え合う関係じゃないといい現場にはならないですね。

警視庁の裏捜査エース・阿内 将(酒向 芳)と復讐に燃えるマッサージャー・衣笠典子(大竹しのぶ) (C)2022「ヘルドッグス」製作委員会

──役者さんの見識のお話がでたところで、個人的に気になっているのが、主人公の上司を演じている酒向芳さんです。監督の『検察側の罪人』(2018年)で見せた怪演が話題となり、今年の公開作だけで7本もある売れっ子ですが、やはり原田作品が一番いい気がします。

彼はちょっと出過ぎだよね(笑)。元は「オンシアター 自由劇場」の俳優さんで、昔から舞台を観ていい役者だなと思っていたんですが、『検察側の罪人』のとき、一般のオーディションを受けに来ていて「酒向さん、なにやってんの。出てくれるのなら、ぜひやってほしい役があるよ」って言って出てもらったのがあの容疑者役でした。

──すごく印象に残っています。今回も渋いポジションでいい味出しています。こうやってみると、男の俳優陣がみんなかっこいいです。

黒社会に身をおく男たちが美しい、「フィルム・ノワール」(1940年代、ハリウッドで作られた犯罪映画)を目指して撮りましたから。だから、光と影の繊細な表現にも心くだきました。日本にはノワールが似合ういい役者さんがたくさんいるのに、これまでは何度企画を出しても「ノワールはヒットしない」と言われてボツってきたんです。この映画がそんな考えを壊して、こうした作品のきっかけになればうれしいですね。

映画『ヘルドッグス』

2022年9月16日公開
監督:原田眞人
出演:岡田准一、坂口健太郎、松岡茉優、MIYAVI、北村一輝、ほか
配給:東映/ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント PG12

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