消滅危機を乗り越え…京橋駅で愛され続ける名物フランクフルト

2022.7.12 06:55

名物フランクフルトが売られている、京阪電鉄「京橋駅」の出町柳方面ホーム上のアンスリー

(写真4枚)

大阪名物は数多あるものの、京阪電気鉄道の「京橋駅」限定「フランクフルト」ほど局地的な名物は珍しいだろう。販売場所は駅のホーム上(出町柳方面)のコンビニだけという超ローカルグルメでありながら、テレビゲーム『桃太郎電鉄』にも登場。一時期は1日で1000本以上売り上げたこともある人気商品だ。

しかし、フランクフルトを販売する駅ナカコンビニ「アンスリー」が2023年度中までに京阪沿線の駅ナカ店舗「もより市」に転換することを発表。またコロナ禍で飲食物の販売が難しくなる事態が重なり、ファンからは「京橋駅のフランクフルトはどうなるの?」「アンスリーが無くなっても続いてほしい!」など、今後を案ずる声が寄せられていた。

そこで、京阪沿線のコンビニやスーパーを展開する「京阪ザ・ストア」(本社:大阪市中央区)の長瀬勝俊さんに実態を訊いた。

■ 販売中止の危機を乗り越え…「天満橋駅」でも販売開始

まずはアンスリーの撤退について尋ねてみると、「よく『撤退』といわれるのですが、そうではなくあくまで『業態の変更』です。今後は『もより市』に転換していきますが、運営会社は同じです」とのこと。

そして、気になるフランクフルトの今後については、「お客さまから支持されている看板商品。できるだけ提供していきたいですし、アンスリーからもより市に形が変わっても続けていきたいです」とうれしいコメントが。

レジ横のケース内にずらりと並ぶフランクフルト(京阪電鉄「京橋駅」の出町柳方面ホーム)

長瀬さんいわく、やはりコロナ禍の影響で売上はかなり落ち込んだそう。それでも感染症対策に力を入れつつ販売を続け、今は1日あたり500~600本の売上にまで回復した。

それどころか、今度は京橋駅のお隣「天満橋駅」でも、2021年11月にアンスリーにかわって開業した「もより市」(改札外)にて、「京橋名物フランクフルト」を販売スタート。設備の都合上すべての店舗で販売することは難しいが、今後はほかの店舗でも販売する可能性があるという。

■ あえて「何もつけない」というこだわりのワケ

フランクフルトの存続を知り一安心したところで、そもそも「なぜフランクフルトを駅で売ることになったのか」という疑問がわいてきた。

「当時の資料が残されておらず、はっきりした記録は残っていないものの、昭和50年(1975年)ころにはすでに販売されていました。京橋駅の売店が改装することをきっかけに、何か目玉となる変わった商品を販売しようということになったようです」と長瀬さん。

フランクフルト(120円)。取材時もチューハイとフランクフルトを楽しむお客さんの姿を見かけた(京阪電鉄「京橋駅」の出町柳方面ホーム)

さらに、駅のホームという限定された場所で販売するため火や油を使った料理は難しいということで、ホットプレートを使って手軽に調理できるフランクフルトに決まったらしい。ちなみに、昔は「淀屋橋駅」などでも違う種類のフランクフルトが売られていたが、利用者が多い「京橋駅」だけが残っていったという。

また、このフランクフルトはケチャップやマスタードを付けず、そのままで食べられるように濃い味付けにしていることも特徴的だ。基本的に駅のホームで食べることを想定しているため、周囲の乗客とぶつかり服が汚れるといったトラブルに発展しないようにという配慮もあるそう。

長瀬さんによると、購入者は圧倒的にサラリーマンが多く、夕方から夜9時頃までが売り上げのピークだという。ビールと一緒にフランクフルトを買い、特急電車を待つというスタイルが定番だとか。

取材時にフランクフルトを実食したところ、しっかりとした味付けにくわえ、予想以上にパリッとした歯ごたえが堪能できた。普通のフランクフルトではなく、「京橋名物」として愛されるのもうなずける・・・と感心していると、「ベテランの店員さんが焼いているので、焼き加減もばっちりです」と、長瀬さんも太鼓判を押していた。京阪「京橋駅」を利用する際にはご賞味あれ。

取材・文・写真/つちだ四郎

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