神戸市からのミッション「外来カミキリを探せ」、防除に一助

左2匹が駆除対象の「ツヤハダゴマダラカミキリ」、右が日本に生息する「ゴマダラカミキリ」。よく似ており、見分けが難しい
地域の生態系に悪影響を及ぼす可能性があることから、各地で対策が迫られている外来生物。2021年から新たな外来昆虫「ツヤハダゴマダラカミキリ」の被害に悩まされる神戸市は、5月11日の市長定例会見で、市民へ対策の協力を呼びかけた。
■外来種防除を目的に街路樹400本を伐採
中国・朝鮮半島原産で、公園の樹木や街路樹を食べ枯死させることもあるツヤハダゴマダラカミキリ。国内では2002年に初確認され、2004年までにいったん防除したのだが、2021年になってふたたび、兵庫県を含む全国8県で確認された。
神戸市では六甲アイランドを中心に発見され、2022年1~2月に街路樹を400本以上も伐採する事態にまで発展。伐採で根絶できたとはいえず、他地域に生息する可能性もあるため、同市は市民にツヤハダゴマダラカミキリの「捜索」をお願いすることになった。
■アプリ投稿で把握する外来種の分布
その「捜索」とは、市民にツヤハダゴマダラカミキリと思われる昆虫をスマートフォンで撮影してもらい、写真判定アプリを使って分布状況を把握。それを駆除に役立てようというのだ。
活用するのは、動物や植物、昆虫などの生き物を判別できる図鑑アプリ「Biome(バイオーム)」。昆虫だけでなく動物や植物など9万以上の種類をAIで判定でき、個別の判定はもちろん、季節やテーマごとに「いきものクエスト」が設定され、お題の生物を見つけるとスタンプがゲットできる仕組みになっている。
■イベント参加で分布把握に協力
そこで6月1日~8月15日の期間は、防除したいツヤハダゴマダラカミキリを含め、カブトムシなど12種類を対象にした「夏休み生きものクエスト~神戸で夏の虫さがし~」を設定。
ほかにも、7月9日に六甲アイランドで昆虫採集イベントを開催するなど、楽しみながら外来生物の防除を呼びかける(なお、ツヤハダゴマダラカミキリに毒性はなく、人への被害は報告されていない)。
久元喜造市長は、「外来生物対策は地味だが重要な分野。長年、気が遠くなるほどの年月をかけて育まれてきた、本来の生物多様性に満ちた自然環境をしっかり保全し、将来に引き継いでいきたい」と話した。
神戸市ではツヤハダゴマダラカミキリ以外にも、外来生物の駆除や希少な在来生物の保護をおこなう団体に、最大10万円の補助をおこなっている。
取材・文・写真/合楽仁美
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