芸人が本気でアイドルを目指す･･･そんな謎すぎるプロジェクト『ｔｈｅ ｉｄｏｌ』が、お笑いファンの間で話題を集めている。

同プロジェクトの発案者は、２０２１年、２０２２年の『Ｒ-１グランプリ』ファイナリストで、ピン芸人のｋｅｎｔｏ ｆｕｋａｙａ。「誰でも会える、お金にならないアイドル」をコンセプトに、芸人たちをアイドルとして「本気で」売り出すというもの。メンバーは、高見雄登（スーズ）、中谷祐太（マユリカ）、ケツ（ニッポンの社長）、稲田美紀（紅しょうが）、浦井のりひろ（男性ブランコ）の５名で、全員ｋｅｎｔｏと同じＮＳＣ３３期生だ。

ｋｅｎｔｏのＹｏｕＴｕｂｅチャンネルでは、「強制オーディション」や「歌唱力テスト」などの模様を全１２回にわたって配信。何の説明もなくアイドル候補生としてグループに参加させられ、毎回のように「アイドルとしての自覚が足りない」とボヤかれるなど、５名が振り回される姿が映し出されている。

それに対し、「だんだんみんながアイドルに向かってるのが愛おしすぎる」「今回激アツ展開でした！！」「誰推しにしようか迷ってる、、」と、回を重ねるごとにコメント欄が熱を帯び、視聴者各々の「推しメン情報」が飛び交うことも。また、５月末にメンバーの正式発表と彼らのデビュー曲が披露される「よしもと漫才劇場」での公演チケットは即完売する盛り上がりようだ。

ｋｅｎｔｏは、ここまでのメンバーの取り組みについて「アイドルとして伸びそうなのは、東京から来てくれている浦井ちゃん。すごく忙しいはずなのにダンス、歌を一番仕上げてくるんです。正統派アイドルになれそう。あと中谷も小手先が器用で、歌が上手い。アンチもたくさんつきそうだけど（笑）、彼自身『ガチでしっかりやるわ』と言っています」と期待を寄せた。

一方で、「ケツはファンとつながりそうですね。恋愛禁止のルールではないので、つながっても大丈夫。ただ、ＮＳＣの同期でやっているから仲が悪くなったら即解散」と決まりごとについて説明してくれた。

ちなみに取材日の５月某日には、ダンスの先生を呼んでレッスンがひらかれ、メンバーは真剣な表情で振付を確認。フォーメーションを何度も確認するなど、笑いを抜きにレッスンに打ち込んだ。ミスをせずに振付が揃うと全員から拍手が起こり、中谷も思わず「よっしゃ！」と喜びの声をあげていた。

ｋｅｎｔｏは「『めちゃイケ』でナインティナインの岡村さんが、ミュージシャンのライブに参加するために本気でダンスを練習し、それが笑いになっていったじゃないですか。このグループはお笑い芸人で結成しているので、あのときの岡村さんみたいに『ガチでやるお笑い』が理想です」と、あくまで真剣モード。

さらに、「僕がリスペクトしているアイドルプロデューサーは、つんく♂さん。いつかつんく♂さんの目に留まりたい。そして、モーニング娘。さんとの共演を目指したいです！」と目標を口にした。

『ｔｈｅ ｉｄｏｌ』の模様は、ＹｏｕＴｕｂｅチャンネル『ｋｅｎｔｏ ｆｕｋａｙａ ＣＨ』で現在配信中。デビュー曲披露とメンバーの正式発表は、５月２７日に「よしもと漫才劇場」で開催される公演『ｋｅｎｔｏ ｆｕｋａｙａ ｐｒｅｓｅｎｔｓ「ｔｈｅ ｉｄｏｌ」』のなかでおこなわれる（チケットは完売、配信あり（１２００円））。

取材・文／田辺ユウキ