「女の子最優先でやってください」林遣都が驚いた意外な演出

2022.5.11 19:15

俳優の林遣都(6日・大阪市内)

(写真3枚)

俳優・段田安則が、古今東西の名優たちが演じてきた主役・ウィリーをつとめる舞台『セールスマンの死』。その取材会が大阪市内でおこなわれ、ハッピー役を演じる林遣都が登壇。自分との共通点や見どころなどを語った。

■「自分の家族と重ね合わせた」

かつては敏腕サラリーマンだったウィリーと、2人の息子との関係性がひとつのキーとなる本作。林が演じるのは、劣等感をかかえた長男・ビフ(福士誠治)と対照的に、明るくて遊び好きな次男・ハッピーだ。そして林の家庭環境は、ハッピーと驚くほど似ていたという。

「僕にも、野球部のキャプテンでスターみたいな存在だった兄がいるし、父もすごく仕事人間だったので、本当に自分の家族と重ねあわせて見てしまいました。ウィリーはきっと、2人に愛情深い教育をしたんだろうというのも、父と重なる所があるし、ハッピーが兄をどういう風に見ていたかということにも、結構共感する部分がありました」と振りかえる。

■ 演出家から告げられた「意外な方針」

その気持ちを胸に、稽古初日に臨んだ林。しかし演出のショーン・ホームズには役作りにおいて、「ハッピーは苦悩とか葛藤よりも、女の子最優先の人間でやってください」との意外なアドバイスを伝えられたそうだ。

しかし林は「その一言がすごく軸になったし、方向性が定まった」としっかりと受け止め、その結果「周りの方からは『そうやって生きるしかなかった次男が悲しかった』と言っていただいたりしたので、あの言葉はこういうことだったんだ・・・と(本番になって)気づきました」と、この舞台ならではのハッピー像ができたことを語った。

左から林遣都、高橋克実(6日・大阪市内)

■「笑いがない日は『あれ?』と思ったりします(笑)」

4月4日の東京初日から全国ツアーに突入し、すでに1カ月近く。全体的にシリアスなトーンの話ながらも、一幕目のラストだけは日によって、観客の反応が変わることを、少し気にかけているとか。

「ショーンさんが稽古場で気に入って、自分でもすごく好きなシーンです。初日には笑いが起きてうれしかったけど、笑いがない日は『あれ?』と思ったりします(笑)」と胸の内を明かしたうえで「今は大変な世のなかだけど、人が一生懸命に生きようとする姿を見ていただきたいです」と、観劇を呼びかけた。

舞台『セールスマンの死』は、ほかに高橋克実などが出演。5月19日~22日に「兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール」で開催される。チケットは1万1500円で、現在発売中。

取材・文/吉永美和子

パルコプロデュース2022『セールスマンの死』

兵庫公演
会場:兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール(兵庫県西宮市高松町2-22)
期間:5/19(木)〜5/22(日)
料金:1万1500円(全席指定)

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