森山良子、深津絵里とのシーン「私のなかに安子が存在した」

2022.4.7 08:15

るい(深津絵里)を抱きしめるアニーこと安子(森山良子)(C)NHK

(写真2枚)

明日4月8日に最終回を迎える、連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』(NHK朝ドラ)。アニー・ヒラカワこと安子を演じる森山良子が、安子という人物への思いや印象的なシーンについて語った。

■「ドラマを見るのは途中で止めました」

長らくその正体を巡って視聴者の推測が飛び交っていたが、5日放送の第109回で、アニーがるい(深津絵里)の母・安子であったことが判明した。

安子を演じるにあたり、森山は「役作りのためにしたことは、ドラマのなかの安子(上白石萌音)を見ていたこと」といい、「どういう風に育って、どういういきさつでアメリカに行ったかということや、安子がしゃべる雰囲気とかそういうところを見ていました。でも、結局自分っぽくなっちゃうものですからね。真似ができるというものでもないですし、50、60年のあいだに人も変わると思います」と明かす。

しかし、「逆に、安子がアメリカに行ったあとの放送は見ていないんです。『お、ちょっとこれ見ちゃいけない』と思って、途中で視聴を止めました。私が知る必要がない内容だと思ったんです。安子はアメリカに行ってあえて日本に背をむけている。だから、ドラマで描かれている出来事をあまり情報として自分のなかに入れてしまわない方が、そのまま安子が年をとってアニーになった感じが出せると思ったんです。だから、演じていて安子の気持ちのままで日本に戻って、アニーになっているような感覚です」とコメントした。

るい(中野翠咲)に寄り添い、笑みを浮かべる安子(上白石萌音)(C)NHK

■ 「戦争に対するメッセージにもつながっている」

安子の印象について、「安子は生まれてアメリカに行くまで、家柄の差や戦争などいろんなことに阻まれてスッと生きては来られなかった。それを思うと、本当にせつないです。(夫の)稔さんのこともずっと大事だったと思います」という森山。

「1番最初に好きになった人とようやく一緒になれた喜びと、その大切な人があっというまに戦争にいって帰ってこなかったせつなさは本当にやるせない。言葉に表せないくらい辛かっただろうと思うし、そういう方たちがあの当時たくさんいらしたんだろうなと思います。これだけの辛い思いをした人がたくさんいた、という戦争に対するメッセージにもつながっていますよね。人の気持ちや人の歩んでいく道筋、心向きが繊細に描かれているので、ひとつひとつのセリフに感動しています」と自身の思いを語った。

■ 「なんでこんなに強いの? 安子!」

クランクインは、るい(深津絵里)との再会シーンだったという。「るいを見ただけでとても込み上げてくるものがあって、るい役の深津絵里さんを何度も抱きしめたほど。るいに再会できてすごくうれしかったと言うと変ですが、母である安子の思いがとてもよく理解できて、私のなかに安子が存在していることを感じました。るいへのせつない気持ちはずっとありましたね」と振りかえる。

ほかにも、「甥のジョージから岡山に行くことを促される場面で、アニーは『明日ここを発って、もう2度と日本に は戻ってこない』と強がりを言うんです。その言葉の背景にはここで自分がみんなの前に出ていったら、せっかく今みんなが幸せにしているものを台無しにしてしまう、私は私でアメリカで幸せになっているんだからこれでいいんだと自分に言い聞かせている気持ちがあるんだと思います」と分析。

「自分の1番大切な娘のことですから片時も忘れていないんですが、自分から身を引くところに胸が詰まってしまいました。『なんでこんなに強いの? 安子!』って思うくらい。昔の日本の女性の慎ましくもたくましい一面を感じました」とコメントした。

8日で最終回を迎える『カムカムエヴリバディ』(9日はその週の振りかえり)。11日からは、沖縄北部の「やんばる」地方で生まれ育ったヒロインが、ふるさとの沖縄料理を東京で広めるために奮闘する『ちむどんどん』がスタートする。

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