まるで宝塚の男役!? 国宝の天平仏を間近で拝観

日本彫刻史上最高傑作のひとつとして名高い聖林寺(しょうりんじ/奈良県桜井市)の国宝・十一面観音立像
日本彫刻史上最高傑作のひとつとして名高い「聖林寺(しょうりんじ)」(奈良県桜井市)の国宝・十一面観音立像。「奈良国立博物館」(奈良市)の特別展『国宝 聖林寺十一面観音 ―三輪山信仰のみほとけ』で同像がガラス展示ケースをなくした状態で、360度間近で拝観できる機会として注目を集めている。
同寺の十一面観音立像は、奈良時代に造立された天平彫刻の名作。日本古来の文化財の保護に努めた哲学者アーネスト・フェノロサが明治期に来日し秘仏の禁を解いて、その優美な姿を讃えたことでも知られている。
聖林寺の倉本明佳住職は、「私が生きている限り、寺外でケースの外におられる観音様をご覧いただける最後の機会だと思っております。大切な観音様をみなさまのお力で次の1000年、1200年と残していきたい。コロナ対策をして、多くの方が観音様と対話をしていただけたら」と思いを語った。
仏像の魅力をSNSなどで紹介するお寺・仏像大好き芸人みほとけ(浅井企画所属)も内覧会に訪れ、「ガラスケース1枚無いだけで、立体感が感じられました。お顔は美しいのですが、実際に観るとしっかりとした胴回りなど意外と男前だなと。(聖林寺の)倉本明佳住職が『宝塚の男役のような』と仰っていましたが、男前の理想形というか、リアルな男性というよりは幻想的なヒーローのような理想の男性像を感じます」と魅力を説明した。

同像は、江戸時代まで「大神神社(おおみわじんじゃ)」(奈良県桜井市)の神宮寺のひとつ「大御輪寺(だいごりんじ※)」にまつられていたが、明治期の神仏分離令により、「聖林寺」へ大切に遷(うつ)された来歴がある。本殿を持たない「大神神社」は、神体山である三輪山(みわやま)崇拝する自然信仰を今も残しており、江戸時代までは、仏と神が一緒にまつられていた神仏習合の地としても有名だ。会期は3月27日まで。一般1400円、高大生1000円、小中生500円。
※大神寺(おおみわでら)が後に大御輪寺(だいごりんじ)に改称。大御輪寺の本堂は、現在、大神神社の若宮社(大直禰子神社/おおたたねこじんじゃ)
取材・文・写真/いずみゆか
特別展『国宝 聖林寺十一面観音―三輪山信仰のみほとけ』
期間:2022年2月5日(土)~3月27日(日)
会場:奈良国立博物館 東新館
開館時間:9:30~17:00、土曜日は〜19:00(入館は閉館30分前まで) ※2月7日、21日、28日、3月22日は休館
入館料:一般1400円、高大生1000円、小中生500円
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