変身した菓子箱ずらり…大阪で「はるきる展」、子どもも夢中に

2021.11.23 16:15

「アーモンドチョコレート」の馬上騎士

(写真20枚)

「コアラのマーチ」「アポロ」「ビスコ」など、身近なお菓子の空箱からアート作品を生み出す空箱職人のはるきるさん。初展示を含む約50点の作品がそろう展覧会が11月12日から「心斎橋パルコ」(大阪市中央区)で開催されており、19日にはるきるさんが在廊。訪れた老若男女のファンと交流を楽しんだ。

神戸の大学生だった2019年、「プリングルス」の空箱で作った紳士の作品をSNSに投稿し、一躍注目を集めた彼。それ以降、大手メーカーとコラボするなど活躍の場を広げ、ツイッターのフォロワー数は現在48万人超と人気に。自身のYouTubeチャンネルでは製作過程を公開しており、コロナ禍のおうち時間で空箱工作に挑戦する人も多かったという。

約50点の作品がずらりと並ぶ今回の展覧会。どれも元の商品は一目瞭然ながら、パッケージから切り取ったイラストやロゴ、なかには裏紙も使って精密に立体化され、おとぎ話のような、ストーリーを感じさせる姿に生まれ変わっている。

はるきるさんは「心がけているのは元の商品を活かすこと。まずは箱をじっくり観察し、モチーフなどその世界観を想像しますね。ポッキーは細長いから剣にしたり、形状から生まれるものもあります」と話し、設計図は描かない制作スタイルだそう。

「カップヌードル」のパッケージから作られた4体の戦士たち

初展示の「カップヌードル」による戦士たちは、2つの味を合わせた今秋の新作「スーパー合体シリーズ」発売の際に「日清食品」から依頼された作品。1体につき2種の空箱がカラフルに使われ、売り上げ最強の勝敗を4体(商品)が競うテーマのもと、躍動感あふれる仕上がりに。また日本酒パック「鬼ころし」で鬼や刀を表現するなど、和テイストにも挑戦している。

幅広い層の人々が訪れていたこの日、作品の写真を撮ったり360度じっくり見たりと思い思いに過ごしており、なかには夢中で作品を見る子どもの姿も。子どもに解説したり、自身の書籍を購入した人にサインをしたりとファンとの交流を楽しんだはるきるさんは、「おうち時間などで、子どもたちも手作りしてくれてうれしい。展覧会では、見る方が箱のパーツがどう変化しているのか発見したり、物語を想像しながら楽しんで欲しい」とコメント。

そして「美術館は少し硬いイメージを持たれるかもしれませんが、どの世代でも気軽に楽しめる作品を展示し、美術界を盛り上げられたらいいですね」と今後についても語った。

『はるきる空き箱びじゅつかん』の期間は12月12日まで、14階「SPACE14」にて。入場料は一般800円ほか。2022年5月からは横浜の「そごう美術館」での展覧会を開催予定。

取材・文・写真/塩屋薫

『はるきる空き箱びじゅつかん』

期間:2021年11月12日(金)~12月12日(日)
会場:心斎橋PARCO 14F「SPACE14」(大阪市中央区心斎橋筋1-8-3)
時間:10:00~21:00 ※最終日は~18:00(入場は閉場30分前まで)
料金:一般800円、小・中学生500円 ※未就学児無料 

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