「ギャップやばい」強烈すぎるゆるキャラ、奈良の警察署を直撃

2021.11.18 07:45

名前と見た目のギャップがすごすぎる、吉野警察署のマスコットキャラクター・さくらちゃんとヨッシーくん

(写真5枚)

「どう考えても『さくらちゃん』『ヨッシーくん』って感じのキャラじゃない」というツイートが投稿され、「強い」「全然ゆるくないな」「ギャップやばい」「着ぐるみになったら絶対、小さい子が泣くパターンw」と話題に。画像にいるのは、奈良県にある「吉野警察署」(奈良県吉野郡)で活躍するマスコットキャラクターだ。

これをツイートした卑屈な奈良県民bot(@nntnarabot)さんは、「正直、最初はポスターに描かれた名前の下に、別のゆるい顔のキャラがいるのかと思って二度見しましたね。名前とビジュアルのギャップが最高にロックだと思いました」と驚いたという。

確かに、名前からは想像できないイカつさ・・・。なんでこうなった? 気になったので、キャラクターの作者で同警察署副署長の上谷さんに話を訊きました。

──インパクト抜群のキャラクターに驚きました。「さくらちゃん」と「ヨッシーくん」制作の経緯を教えてください。

吉野警察署が管轄する8町村のほとんどは、かわいらしいゆるキャラを作ってPR活動をされています。なので「警察署にもキャラクターがあったらいいのでは?」と考え、私が今年3月の吉野警察署への赴任後すぐにキャラクターを作ることにしました。

──自治体のかわいらしいキャラクター面々のなかで、2人だけ強面で浮いている感じがたまりません。

警察の威厳を示すためにも、あえてあの風貌にしています。2020年は空前の鬼ブームでしたしね・・・。そして、あくまで警察のキャラクターなので、「ゆるいのはあかんやろ!」と。

──なるほど。モチーフなどはあるのですか?

管轄区域内にある金峯山寺の「金剛蔵王大権現(こんごうざおうだいごんげん)」をモチーフにしました。毎年秋にある特別公開の時期しか公開していない秘像です。金峯山寺の貫主さんにも、「うまくデフォルメしてくれてる!」と喜んでいただいた公認のキャラクターなんですよ〜!

──公認なんですね! でも、なぜ2人?

吉野警察署がこちらと分署の「さくら庁舎」の2つあること、また金峯山寺の宗派・修道宗の開祖である役小角が従えていたとされる夫婦の鬼(前鬼と後鬼)から、ヨッシーくんとさくらちゃんの2人が誕生しました。

ヨッシーくんとさくらちゃんの作者である、吉野警察署の上谷賢治副署長

──ということは、2人は夫婦なのですね。また2人は副署長が描かれたと噂ですが・・・本当なのでしょうか?

そうです! 私が描きました。昔から絵が描くのが好きで、この2人は私の描き下ろしです。ちなみに1番はじめに描いたヨッシーくんとさくらちゃんの絵は、金峯山寺と吉野警察署に飾ってあるので、ぜひ見に訪れてください。

──SNSでも話題になっていますが、反響はいかがですか?

地元の方からは「もっと盛り上げて!」「親しみが湧く」という声をいただきました。そして関東の方から「グッズが欲しい」と問い合わせもいただき、驚きましたね。前向きな反響がありうれしいです。そして、今回広めていただいた卑屈な奈良県民botさんにも感謝しています。ありがとうございます!

それを受け、卑屈な奈良県民botさんは「吉野郡は特に天川村が大好きです! 自然がめっちゃ綺麗で、鍾乳洞探検とか楽しいですし、温泉が最高です」と地元をアピール。

当時斬新なビジュアルで話題となった県のマスコットキャラクター「せんとくん」もいることから、「奈良には何か独自性の高いマスコットキャラを生み出す素地があるのか・・・?」「奈良県のこういうセンス嫌いじゃない」などの意見も溢れている奈良県。今後も楽しませてくれるに違いない。

取材・文・写真/野村真帆

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