ロックバンド・ＴＵＢＥの最新ツアー『ＴＵＢＥ ＬＩＶＥ ＡＲＯＵＮＤ ２０２１ ＢＬＵＥ ＷＩＮＧＳ』 の東京公演の模様が１０月１０日、ＷＯＷＯＷにて独占放送・配信される。

１９８５年にデビューしたＴＵＢＥ。１９８６年に発表したシングル『シーズン・イン・ザ・サン』が爆発的なヒットを記録し、その後も『ＳＵＭＭＥＲ ＤＲＥＡＭ』『Ｂｅａｃｈ Ｔｉｍｅ』『ＳＵＭＭＥＲ ＣＩＴＹ』『あー夏休み』『さよならイエスタデイ』『夏を抱きしめて』といったヒット曲を輩出。国民的ロックバンドとして不動のポジションを確立した。

昭和、平成と第一線で走り続けたモンスターバンドの勢いは、令和になっても衰えるどころか、ますます加速。近年はライブにも若者の姿が目立つなど、親子２代で愛されるバンドに進化中。今年６月にリリースしたシングル『ＢＬＵＥ ＷＩＮＧＳ』では、再評価の高まるイラストレーター・わたせせいぞうが２０１０年のシングル『海と空があるように』以来、１１年ぶりにジャケットを描き下ろしたことでも話題を呼んだ。

聴けばスカッと前向きな気持ちになれる、圧倒的なカタルシスが魅力のＴＵＢＥワールドだが、そのポジティブさは、よくある応援歌とは一線を画する。一見、能天気とも思える彼らの楽曲の根底には、実は酸いも甘いも嚼み分けた大人のユーモアとやさしさが漂っている。だからこそ、誰もが不安や孤独を抱えた今の時代にリアルに強く響いてくるものがあるのだ。

今回のツアーは、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で１年延期・有観客で開催されたもの。発声の禁止やソーシャルディスタンスの確保など制限こそあったが、客席とメンバーが一体となった熱い心の交流が刻まれた特別なライブが、全曲そのまま丸ごと放映される。

デビューからの３６年間、どんな状況下でも聴く人の心に夏の陽射しを届けてきた、夏バンドの最新パフォーマンスで今年の夏を取り戻したい。１０月１０日・夜８時にＷＯＷＯＷプライム、ＷＯＷＯＷオンデマンドで放送・配信される（１カ月間アーカイブ配信あり）。

文／井口啓子