パンダ・タンタンの誕生日、今年も一緒に「迎えられてよかった」

2021.9.16 17:50

26歳になった「神戸のお嬢さま」ことタンタン(旦旦)

(写真23枚)

2020年に日本で迎える最後の誕生日とお伝えした「神戸市立王子動物園」(神戸市中央区)のメスのジャイアントパンダ・タンタン(旦旦)が、9月16日に同園で26歳の誕生日を迎えた。当日の様子をパンダライターの二木繁美がリポートする。

◆「今年もここにいることは、想像していなかった」

日中共同飼育繁殖研究の目的で、2000年7月に初代コウコウとともに来日し、上品に座る様子から「神戸のお嬢さま」と呼ばれ、多くのファンに愛されているタンタン。2020年7月に中国への帰国が決定していたが、コロナ禍で帰国が延期に。さらに、自身が心臓疾患をわずらい、中国への帰国の目処は立っていない。

今年もまた一緒に誕生日を迎えられたことについて、タンタンの飼育を担当する、梅元良次さんは「新型コロナウイルス、タンタンさんの心臓疾患等、手放しですべてを喜べる訳ではありませんが、今年も誕生日をまた神⼾でしてあげられることは素直にうれしいです」と話す。

さらに「体調のこともあり、昨年ほど盛大にはしてあげられませんが、気持ちだけでも昨年以上のおめでとうを伝えられたらと思います」と梅元さん。同園の公式ツイッターで「#きょうのタンタン」を発信し、お嬢さまに愛を捧げる名物飼育員だけあり、その思いは深い。

もうひとりの飼育員、凝ったおやつのプレゼントで、お嬢さまのパティシエと呼ばれる吉田憲一さんは、「今年もここにいることは、昨年までは想像もしていなかった。複雑ではあるけれど、26歳の誕生日を王子で迎えられてよかったのかなという思いもあります」と、話す。

お祝いにプレゼントされた「かき氷風ケーキ」 提供:神戸市立王子動物園

◆誕生会はおこなわれず・・・が、園内はお祝いモードに

ただ、今年はコロナ禍とタンタンの体調を考慮し、誕生会は開催せず。しかし、飼育担当の二人はタンタンに、かき氷風のケーキと「たんたんバーガーセット」という、2種類のごちそうを用意した。

かき氷風ケーキは、氷の器に盛り付けたかき氷に、リンゴやブドウ、ナシで飾り付けをして、パンダ団子で作った26のプレートを添えたもの。パクリとひと口食べたタンタンは、その後前肢で氷を崩しながら、夢中でごちそうを食べていた。

「たんたんバーガーセット」は、梨をバンズ代わりに、パンダ団子のパティに、トマトをイメージしたリンゴ、ベーコンに見立てたニンジンを重ねた力作。タンタンの大好物、サトウキビジュースをセットドリンクに添え、ポテトはサトウキビで表現している。

「とにかくタンタンが喜んで、何か特別なのかなと、わかってくれればいいな」と、吉田さん。スタッフだけのささやかなお祝いの様子は、同園の公式ツイッターとYouTubeでも配信されている。

とはいえ、やはり園内はお祝いムード。園の入り口を入ってすぐの場所には、タンタンの手を模したバースデーカードが用意され、来園者が思い思いにメッセージを書くことができる(コロナ禍のため、筆記用具の貸出はなし。園内売店にて販売)。タンタンの誕生日をお祝いしたいファンもたくさん駆けつけ、開館の1時間以上前から、パンダ館には多くの人が列を作っていた。

中華人民共和国駐大阪総領事館提供のカードとバッジ。カードの裏には、お誕生日お祝いのメッセージと、動画などが見られるQRコードも

さらに、特別な華僑であるタンタンの誕生日を祝うため、「中華人民共和国駐大阪総領事館」も全面協力。同園の入場者に、同総領事館の提供による、カードとバッジがプレゼントされた。当日以外も配布するが、数量限定。なくなり次第終了するという。

さらに、タンタンの屋内展示場のとなり、もともとつがいのオス・コウコウ(興興)部屋だった場所では、「中華人民共和国駐大阪総領事館」「神戸市立王子動物園」「中国ジャイアントパンダ保護研究センター」が共同で、『タンタン幼少期写真展』を開催。

「中国ジャイアントパンダ保護研究センター」から取り寄せた、タンタンの幼少期の貴重な写真や、タンタンの飼育に関わった中国のスタッフのコメントなどが寄せられ、ファンが見入っていた。こちらは来園できないファンのために、オンラインでも公開。さらに、同総領事館のYouTubeでは、9月16日の18時から、お祝いの動画も公開される。

◆タンタン、お誕生日当日もいつものように「ゴロン」

誕生日当日、開館前に報道陣に公開されたタンタン。朝のハズバンダリートレーニングを終え、ゆっくりとトレーニングルームから展示場に出てきて、のんびりと水を飲み、いつも通り体重計に置いてあるナシとニンジンをパクリ。お次はパンダ団子をくわえると、後ろ向きになり、10分ほどかけてゆっくりと楽しんだ。食べ終わると、竹が置いてあるタイヤの元へ。

しっかりと吟味して竹をモグモグ。テレビカメラや報道陣にはおかまいなしの様子だった。竹を食べ終えると、インタビューに答える同園の加古裕二郎園長を尻目に、寝台に上ってゴロンと横に。そのままぐっすり眠ったタンタンを見て「いつもこんな感じです。タンタンらしい」と、加古園長。

ぐっすり眠っているようだ

神戸市出身の加古園長は、タンタンが初めて来園した際にも、家族とともに同園を訪れたのだという。「とにかく人が多く、来園者の熱狂ぶりがすごかった。タンタンはまだ5歳、元気で明るいパンダだった。現在は人間で言うと70代、神戸で無事に年を重ねてくれて、こういう形で再会できたのはありがたいことだと思う」と話した。

11時の開館後、ぐっすり眠るタンタンに、思い思いにおめでとうを伝える来園者たち。その様子を見守っていた、同園の広報担当である木下博明さんは、「タンタンが26歳の誕生日を迎えたことに『おめでとう、タンタン』。そして来園して21年、神⼾の街と⼈に笑顔をくれていることに『ありがとう、タンタン』」と、コメントを寄せてくれた。

※現在、土日のジャイアントパンダの観覧には整理券が必要。

取材・文・写真/二木繁美(パンダライター)

「神戸市立王子動物園」

住所:神戸市灘区王子町3-1
営業:3月〜10月 9:00〜17:00(最終入場16:30)
11月〜2月 9:00〜16:30(最終入場16:00)
料金:大人600円、中学生以下無料
電話: 078-861-5624

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