世界でも珍しい一人芝居フェス、全国巡回するまでの経緯とは

2021.8.27 07:45

新劇場のオープニング企画として上演し、全国ツアーをおこなう『INDEPENDENT』

(写真3枚)

大阪・日本橋に2劇場を有する「インディペンデントシアター」(大阪市浪速区)。そこを拠点に開催される『INDEPENDENT』は、「最強の一人芝居フェスティバル」を自認する一人芝居に特化したフェスだ。そんな世界的に見ても珍しい同フェスが大阪から生まれた背景ついて、プロデューサーの相内唯史さんに話しを訊いた。

『INDEPENDENT』は2001年に同シアター「1st」開館1周年イベントとして誕生。同企画が一人芝居をテーマにしたのは、「大学生のときに、坂口修一さん(※関西小劇場の役者)の一人芝居を観て、おもしろい表現だと思ったのと、1stの舞台が非常に狭くて、ひとりのサイズにちょうどよかったから」と相内さんは語る。

しかし第1回目は、出演者探しが予想以上に難航。その当時、一人芝居はいろんな理由で、ハードルが高いと思われていたからだ。

「一人芝居をレパートリーにしていたのは、イッセー尾形さんと白石加代子さんぐらい。この2人の存在が強すぎて、ほかにどんなやり口があるかわからないと言われました。若手の方には『先輩方を差し置いて、自分が先に一人芝居をするわけにはいかない』という断られ方もしましたね」と振りかえる。

「インディペンデントシアター」劇場プロデューサーの相内唯史さん
「インディペンデントシアター」劇場プロデューサーの相内唯史さん

しかしいざ開催すると、「思ったより面白い作品が多い」「演じる側も観る側も目が肥えたら、面白い展開になるのでは」と、好評の意見が多数。その声に押されて継続するうちに、関西圏以外からも実力者がぞくぞくと集まりだし、作品の質も公演の規模も上がっていった。

現在、連続テレビ小説『おかえりモネ』(NHK)に社会部記者・沢渡役で出演中の玉置玲央など、この企画を成長や飛躍のきっかけにした俳優も少なくない。

今では全国ツアーをおこなうほどになった『INDEPENDENT』。今年の大阪公演は、「2nd」の新築オープン(7月15日)で開催され、出演者からは「こけら落としの劇場に立てるなんて、人生でそんなに訪れる機会はない」「客席と舞台の一体感を作りやすい雰囲気」などの声が上がり、非常に良いスタートが切れたそうだ。

現在おこなわれている全国ツアーに参加している青年団・うさぎストライプの菊池佳南 撮影:INDEPENDENT
現在おこなわれている全国ツアーに参加している青年団・うさぎストライプの菊池佳南 撮影:INDEPENDENT

相内さんは、「旧劇場と比べてタッパ(高さ)が大きくなったので、その空間を有効的に埋められるか? という課題が加わりました。演出やテクニカルワーク、演技の工夫がいっそう必要となるので、これからのチャレンジに期待したい」と、本拠地の空間が一新したことで、ますます一人芝居の可能性が広がると話した。

2021年度の『INDEPENDENT』全国ツアーは、コロナ禍ゆえ感染対策を施した上で実施されており、今後は8月28・29日に「生活支援型文化施設コンカリーニョ」(札幌市西区)、9月11・12日に「うりんこ劇場」(名古屋市名東区)を巡演。さらに次回『INDEPENDENT:21』も決定し、11月25日〜28日に「2nd」にて開催予定だ。

取材・文/吉永美和子

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