新生・COCON KARASUMAに、隈研吾氏が登壇

2021.7.22 12:45

新生・COCON KARASUMAで、記者会見に登壇した(左から)フリーアナウンサー・竹内弘一氏、建築家・隈研吾氏

(写真9枚)

京都・四条烏丸の複合商業施設「COCON KARASUMA」(京都市下京区)が22日、17年ぶりにリニューアルオープン。その記者会見に、建築家の隈研吾氏が登壇した。

同施設は、1938年に建てられた「旧丸紅ビル」を再生し、2004年に開業。前回のリノベーションに続き、デザイン・設計を手掛けたのは建築家の隈研吾氏だ。数々の建築作品に関わってきた隈氏だが、同じ建物を2回リノベーションしたのは生涯初とのこと。

リニューアルの記者会見で、さらに開放的な空間へと変化した同施設について、隈氏は「この17年で時代も変化し『自然』が求められている流れを感じている。また、建物に『穴』をあけ、風通しをよくすることは今の世の中におけるテーマ。より自然を感じられ、明るい気持ちになれる建物を意識した」とコメント。「密」を避けたい昨今の状況だけでなく、アフターコロナも見通した造りとなっている。

開業当初は建物を取り壊すことも計画にあったという同施設だが、隈氏は実際に建物を目にした当時を振りかえり、「そのときの最先端の技術と材料に触れられる建物。絶対に残した方が良い」と強く感じたことを明かした。

生まれ変わった建物に足を踏み入れまず目を惹くのが、木の板が重なった構造の中央階段だ。階段としての機能だけでなく、訪れた人がひと休みできるベンチやカウンター、隣接する店舗の屋根としての役割も持つ。

2階に新設されたテラスには、ヒノキでできたパネル「WOOD-CLOUD」が設置されている。同施設のトレードマークともいえるグリーンのパネルと「WOOD-CLOUD」が合わさることで、外から見ると森のように見えるデザインへと生まれ変わった。

また、2階・3階の一部床には「旧丸紅ビル」から受け継いだ木材を使用。その時代で最高峰の木材「イペ」を海外から取り寄せて作った床は、隈氏が感銘を受けた部分でもある。これからの時代を表すような「風と木」に満ちたデザインと、脈々と続いてきた伝統が融和した施設と言えるだろう。

同施設は7月22日より、パンのセレクトショップ「KYOTO 1er BAKERY with cuisine」を含む新エリアがオープンしている。

取材・文/つちだ四郎

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